MIE JOKÉ sings BALLADS and other love songs
情家みえ
24bit/192kHz FLAC/WAV/MQA

【通常版・MQA版】
HPL2版】

mp3/AAC Stereo


ブライトかつスモーキー。ヴォーカリスト情家みえのファーストアルバム
大学卒業後上京し、ヴォーカリストとしてデビューするも、数年の活動を残し、シーンより遠ざかる。2009 年、代々木のライブハウスで突然に復帰。東京都内はもとより、全国のクラブでその名を刻んでいる。ピアニスト後藤浩二は、類い稀なセンスと技術の持ち主。一音一音に魂を込め、すべての曲に物語を紡ぎ、ゆえに聴く人の胸に響く。彼のピアノで歌うことは、情家みえにとって至福の時間だという。3年にわたり彼とライブ活動を重ね、寄り添ってきた。そんな2人のレコーディングは、これまでの情家みえの集大成であり、出発点である。


収録曲

  1. SO IN LOVE(Cole Porter)
  2. THE WAY YOU LOOK TONIGHT(Jerome Kern - Dorothy Fields)
  3. ON THE STREET WHERE YOU LIVE(Frederick Loewe - Alan Jay Lerner)
  4. WHAT IS THIS THING CALLED LOVE(Cole Porter)
  5. I WON'T DANCE(Jerome Kern - Dorothy Fields - Jimmy McHugh)
  6. HOW DO YOU KEEP THE MUSIC PLAYING(Michel LeGrand-Alan Bergman - Marilyn Bergman)
  7. FLY ME TO THE MOON(Bart Howard)

情家みえのデビュー・アルバムに寄せて 〜 白柳龍一(音楽ジャーナリスト)
 かなり前のことになるが、著名な俳優たちを起用して文学作品の朗読を録音したことがある。その量はCD100枚近くに及んだが、名だたる女優や男優による声だけの見事な芝居を聞くのが楽しく、何日も続くスタジオでの徹夜仕事も苦にならなかった。
 情家みえのデビュー・アルバムを聴きながら、僕はひとつの言葉の扱いに呻吟しながらストーリーを組み立てていく名優達の真摯な仕事を思い出した。表現への強い思い、その根源にある「言葉」へのリスペクト、彼女もこの思いを強く胸に秘めながら作品を作り上げていったに違いない。
 それが強烈に伝わるのはアルバムの第1曲目に置かれたコール・ポーターの名曲 "So in Love"。驚くことに、この演奏はじつに10分をこえている。いったい誰が、デビュー・アルバムの冒頭に10分をこえる大作を置くことを決めたのだろう。大胆な発想は型破りだが、その仕掛けは見事に成功している。
 クリアな発音と正確なイントネーションによる英語によって丁寧に編まれていく言葉のひとつひとつが、移ろう心模様に寄り添いながら歌い込まれていく。始めは確信のない遥かな望みのように聞こえる恋心のつぶやきは、やがて大きな波動に発展し、それが長いピアノの間奏の後にリフレインされたとき、ついに強固な確信と決意に変わる。
 この若さでよくぞここまで……と思わせる卓抜な歌唱力が可能にしたストーリー・テリングである。ふと気付けば10分半もの間、僕らは情家の見事な歌心に抱かれ、彼女が紡ぎ出す物語の魅力に引き込まれている。それは、柔らかいベッドの上で見る夢のように優しく、美しく、ほんの少しだけ儚い。(ライナーノーツより)


アーティスト・プロフィール

情家みえ(Vocal)
愛媛県宇和島市出身。幼少時に父親の影響で音楽に親しむ。6歳よりピアノを始めると同時に、歌唱にも興味を抱き、声楽のレッスンを受ける。大学では幼児教育を専攻しクラシック音楽を学ぶが、間もなくジャズと出会い、徳島県内のホテルやクラブでジャズを歌い始める。大学卒業後、上京。南青山の老舗ジャズクラブBODY&SOULでスタッフとして勤務。ほどなく、同店オーナー関京子の勧めでデビュー。ピアニスト山本剛のライブレコーディングにも参加するなど、本格的に音楽活動を開始するも、3年で中断。
2008年、復帰を決意し、ヴォーカリスト伊藤君子に師事。2009年2月、代々木NARU・ヴォーカルオーディションを機に活動を再開。現在、南青山BODY&SOUL・代々木NARU・六本木ALFIEを中心に、都内および全国のジャズクラブにて活動中。

後藤浩二(Piano)
愛知県名古屋市出身。父親の影響で4歳よりクラシックピアノをはじめ、高校時代にジャズに興味を持つ。南山大学在学中より、名古屋市内のライブハウスを中心に活動を開始。
2003年自主制作のファーストアルバム『A Wonderful Time』発表後も、精力的に作品を出し続けつつ、テレビCM出演やラジオのパーソナリティとしての活動もこなしている。2005年、J-POP竹井詩織里へ楽曲を提供するとともに、「世界止めて - piano instrumental ver.」においてもピアノを聴かせている。2007年3月、ジャカルタで開催された「Jakarta International JAVA JAZZ festival 2007」に Harvey Mason(ds) 杉本智和(b) とともに“後藤浩二トリオ”として出演。 4月、プロデューサーにハーヴィー・メイソン(ds)を迎えた、NY録音によるアルバム『HOPE』をリリース。2009年、『SOLO CONCERT』を発表。2014年5月、7作目となるソロアルバム『ONTOLOGY』を発表。
現在、名古屋を拠点に、大野俊三(tp)、伊藤君子(vo)、小沼ようすけ(g)、矢野沙織(as)などのサポート、様々なグループやセッションに参加し、全国的にその活動範囲を拡げている。

エンジニア・プロフィール

長江和哉
1996年名古屋芸術大学音楽学部声楽科卒業後、録音スタジオ勤務、番組制作会社勤務等を経て、2000年に録音制作会社を設立。2006年より名古屋芸術大学音楽学部音楽文化創造学科 専任講師、2014年より准教授。
2012年4月から1年間、名古屋芸術大学海外研究員としてドイツ・ベルリンに滞在し、1949年からドイツの音楽大学で始まったトーンマイスターと呼ばれる、レコーディングプロデューサーとバランスエンジニアの両方の能力を持ったスペシャリストを養成する教育について研究調査し、現地のトーンマイスターとも交流を持ちながら、オーケストラから室内楽までの数々の録音に参加した。