英サウスハンプトン大学 Institute of Sound and Vibration Research
ISVRの半球体
イギリス サウスハンプトン大学のサウンド&ヴァイブレーションリサーチ研究所(Institute of Sound and Vibration Research)に所属するFilippo Fazi氏は、マイク、音場の研究において全く新しい段階に進んでいます。研究所の流体力学&音響学グループでは、Filippo氏とスタッフは様々な被写体に対するサウンドと振動の法則を研究しています。ここでは革新的なノイズリダクション技術や、新しい録音/再生技術、および様々な学術調査を利用して、人間の聴覚と人間に対する影響などが研究されています。
Filippo氏は、現在ETRI (Electronic and Telecommunication Research Institute)と協力して、音場復元システムを設計しています。数学的にモデル化し、3次元の音場を再現することが目的です。彼らの数学的なアプローチは、量子物理学の技術を利用して、アンビソニック等の様々なオーディオモデルをシミュレートする事です。球面調和関数を利用して、3Dのラウドスピーカーから放射パターンを描写します。そしてMathlabと呼ばれる数学プログラムで結果をアニメーショングラフィックで描写します。
40本以上のエレクトレット・マイクロフォンを装備する半球体をISVRの大きな無響室の各ラウドスピーカーの近くに設置しています。スピーカーは科学的に測定され、音量に対する周波数を正確に3D内の位置に割り出します。
中期的にはこのデータは数学的なエンコーディング/デコーディング公式をプロデュースし、少数のスピーカーから超現実的な音場を生成します。これは後にステレオセットアップでも同様に行えるようになります。彼らは可能な限り高いクオリティーでデータをキャプチャーし、マイクのアレーに近いようにADコンバートする必要があります。そのためには使用されるコンピューターから数十メートル離れた地点から録音する必要があり、結果無響室の外にこれを配置する必要がありました。
これらの要望される仕様にあうシステムとして。IVSPはRMEの
HDSP MADIカードをキャプチャー用のコンピュータに導入し、ADI-648と接続して64チャンネルのADAT/MADIコンバージョンシステムを設置。そしてADI-8 DSを5台用意し40チャンネル分のADラックを無響室に設置しました。ADI-648とADI-8 DSはファンが搭載されていないため、動作時に一切の音を発しません。1系統のMADIではオプティカルで数百メートル以上の伝送を問題なくできるため、無響室からキャプチャールームの20メートルという距離はいとも簡単に到達します。
Filippo氏は、RMEのドライバは安定性と音質に定評があることを認識していましたが、導入の確信を得るために、1台目のADI-8 DSと5台目のADI-8 DSのサンプル配列を測定しました。結果全40チャンネルの入力はサンプル単位で正確にそろっており、科学的な計測にも十分に使用できる精度であることを確信しました。
Filippo氏はシステムを導入してからイタリアのAES、およびイギリスのIOA Reproduced Sound Conferenceにおいて研究結果を発表し、世界的に注目を集めています。
HDSP MADIADI-648ADI-8 DS
MADIについて