第24回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリューション部門において最優秀賞を受賞いたしました。
エンジニア:ミック沢口氏
アシスタント・エンジニア:粟飯原友美 氏 『Contigo en La Distancia』~遠く離れていても~
『Contigo en La Distancia』~遠く離れていても~一聴したときに感じるちょっとした『ひっかかり感』が、やがてクセになって何度も聞き込んでしまう・・・RME Premium Recordings の11 作目となるアルバムは、そんな不思議な魅力を持った作品となりました。その『ひっかかり感』の正体はガット弦。羊や牛の腸を原材料としており、古来あらゆる弦楽器の弦として広く使われてきたものですが、温度や湿度の影響を受けやすく伸びやすいためチューニングが困難で、弦自体の寿命も短いので、次第にスチール弦やナイロン弦に置き換わり、現代のクラシック音楽では余り使用されることがなくなりました。しかし、独特のあたたかみと肉声のような絶妙なハスキー・トーンが、演奏に得も言われぬ表現力を与え聴くものを魅了します。今回のアーティスト、ヴァイオリンの喜多直毅は、本場アルゼンチンで会得したタンゴを軸に、これまでの音楽的知識と体験を融合した演奏を展開し活動しており、ガット弦の魅力を最大限に引き出すことのできる数少ないヴァイオリニストの一人です。そして、気鋭のピアニスト 田中信正とのデュオによるこのアルバムは、南米の名曲を、喜多氏の感性で選曲・アレンジしたもので、田中氏のピアノとのスリリングさと心地よい安定感が同居するインプロヴィゼーションが織り交ぜられた、アーティスティックな作品に仕上がりました。 録音エンジニアは、UNAMAS レーベルから数々の優れたハイレゾ・サラウンド作品をリリースするミック沢口氏が担当。9.0ch のイマーシブ・オーディオを想定したマイクアレンジとお馴染みの RME MADI システムによるコンビネーションは、ガット弦による豊かな倍音成分とニューヨーク・スタインウェイ・ピアノの豊潤な響き、そしてホールの程よい残響を余すことなく捉えており、本アルバムが体現する録音芸術としての側面の根幹を担います。 魂のヴァイオリニスト 喜多直毅と、比類なきピアニスト 田中信正が奏でる、ラテンアメリカ珠玉の名曲集。 ピアソラ、ジョビンを始め、ブラジル、アルゼンチン、キューバ、メキシコの新世界クラッシックが、現代のクラシック音楽ではあまり使用されないガット弦による独特なヴァイオリンの音色と共に、圧倒的な表現力で響き渡るアルバム『Contigo en La Distancia』~遠く離れていても~ を、どうぞお楽しみください。 収録曲
プロモーションビデオアーティスト・プロフィール喜多直毅 / ヴァイオリン
国立音楽大学卒業後、 渡英し作絹曲を学ぶ。その後アルゼンチンにて タンゴヴァイオリン奏者のFB「nando Sua「ez Paz! こ師事。その後、鬼怒無月[gt]、常味裕司(oud)、翠川敬甚(vc)らの グループに参加。2011年よりメインプロ ジェクトとして喜多直毅クアルテットを開始。出自であるタンゴと様々な音楽の硲合によって生み出される独自の世界は、その深い精神性によって高い評価を得ている。黒田京子(pf)とのデュオではユニークな編曲による映画音楽等を演奏。即興演奏を中心とする齋藤徹(cb)の企画へも多数 参加。舞踏家やアジア伝統音楽奏者とのJラポ、欧州での演奏活動も多い。 www.naoki-kita.com 田中信正 / ピアノ
4歳 より電子 オルガンをはじめ、16歳でクラシックピアノに転向。国立音楽大学作曲学科中退。クラシックビアノ を小灘裕子、ジャズピアノを藤井英一 、橋本一子、佐藤允彦 各氏に師事。1993年横濱ジャズプロムナード第一回コンペティションで、グランプリ及び個人賞ベストプ レイヤー賞受賞。共演 者と創り上げる自由で即興性に富んだ演奏活動は、JAZZO)フォ ーマットばかりではなく多岐に渡る。現在は、数多くのユニットのメンバー としてライブや レコ ーディングに参川している。オリジナルと独創的なアレンジに よるソロピアノは、比類なき唯一無二の演奏として評価が高い。8014年より、超弩級ユニット「田中信正トリオ作戦失敗[落合原介b、橋本学dsJ」を新たに始動、2015年11月'co「作戦失敗」を リリース。 tnobumasa.net
収録:2016年11月29日〜30日 三鷹芸術文化センター
録音:Mick Sawaguchi ミックス・マスタリング: Mick Sawaguchi (Mick Sound Lab) 録音フォーマット: PCM 192kHz/24bit 録音機材: マイクロフォン/ NEUMANN KM-133D, Sanken CO-100K, Sanken CUW-180 MADI レコーディング・システム(全てRME) / DMC842 M, Micstasy M, MADIface XT, Fireface UFX+, MADI Router DAW ソフトウェア / Merging Technologies Pyramix 10, MAGIX SEQUOIA 13 ※ 録音に関する詳細は、別途こちらの記事をご覧ください。
エンジニア・プロフィール
第24回 日本プロ音楽録音賞 授賞式にて
Mick Sawaguchi (ミック沢口)
1971年千葉工業大学 電子工学科卒、同年 NHK入局。ドラマミキサーとして「芸術祭大賞」「放送文化基金賞」「IBC ノンブルドール賞」「バチカン希望賞」など受賞作を担当。1985年以降はサラウンド制作に取り組み海外からは「サラウンド将軍」と敬愛されている。2007より高品質音楽制作のためのレーベル 「UNAMASレーベル」を立ち上げ、さらにサラウンド音楽ソフトを広めるべく「UNAMAS-HUG/J」を2011年にスタートし24bit/96kHz、24bit/192kHzでの高品質音楽配信による制作およびCD制作サービスを行う。2013年の第20回日本プロ音楽録音賞で初部門設置となったノンパッケージ部門2CHで深町純『黎明』(UNAHQ-2003)が優秀賞を受賞。2015年には第22回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『The Art of Fugue(フーガの技法)』が優秀賞を、続く第23回では、ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『Death and the Maiden』が優秀賞を受賞した。さらに本作では、第24回日本プロ音楽録音賞の前同部門において最優秀賞を受賞し、3年連続受賞の快挙を成し遂げる……ハイレゾ時代のソフト制作が如何にあるべきかを体現し、シーンを牽引している。
遠く離れていても
私があなたから雛れることが出来る時なんて あなたが私と 一緒にいなかったら あなたから湧き出すものでなければ それはあなたが あなたの唇の向こうには 歌詞大意:西村秀人
MQA-CDとは?
本作品は、通常のハイレゾ配信に加え、OTTAVA RecordsよりリリースされておりますMQA-CDでもお楽しみいただくことができます。 作品は、MQAフォーマットでマスタリングされており、お使いの再生機がMQAに対応している場合は、自動的にデコードされ、オリジナルのサンプルレート192kHz/24bitにて作品を楽しむことができます。また、MQAに対応していない再生機の場合でも、通常のCDフォーマットである44.1kHz/16bitにて作品をお楽しみいただくことができます。 MQAの詳細は こちらをご覧ください。 |
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