Appleドルビーアトモス 7.1.4チャンネルをAVアンプなしで再生する方法 - Synthax Japan Inc. [シンタックスジャパン]
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Apple ドルビーアトモス 7.1.4チャンネルを
AVアンプなしで再生する方法

Apple Dolby Atmos再生環境を構築する方法

macOS Monterey 12.3.1以降で、Apple MusicおよびTVの空間オーディオをMacから5.1.2チャンネル、もしくは7.1.4チャンネルのイマーシブ環境で再生させることが可能になりました。これにより、ドルビーアトモス・デコーダーを搭載するAVアンプを用意することなく、Macとオーディオ・インターフェイスとスピーカーさえあれば、空間オーディオ作品を12チャンネルまでのイマーシブ環境で楽しめることになります。

一部制限*があるなど、まだ不安定ではあるこの機能ですが、一部のRMEオーディオ・インターフェイスで再生を確認できましたのでレポートいたします。

7.1.4アトモスサラウンドが選択可能macOS Monterey 12.3.1以降、Audio MIDI設定で7.1.4アトモスサラウンドが選択可能に

 

*弊社がテストした時点では、「インターフェイスをCCモードで起動しないと、6チャンネル(5.1)以上再生できない」などの制限がありました。詳細は、「確認されている問題」をご参照ください。

イマーシブ再生とは

7.1.4chのスピーカーレイアウト
7.1.4chのスピーカーレイアウト

 

オーディオにおけるイマーシブとは、従来の平面サラウンド(5.1、7.1など)に加えて、上部から降り注ぐ音が追加されたフォーマットです。

 

5.1.2と書かれるチャンネルは以下の通り

  • 5チャンネルの平面に配置されたスピーカー(左、右、センター、左リアサラウンド、右リアサラウンド)
  • 1チャンネルのサブウーファ
  • 2チャンネルの上部に配置されたスピーカー

 

7.1.4と書かれるチャンネルは以下の通り

  • 7チャンネルの平面に配置されたスピーカー(左、右、センター、左サラウンド、右サラウンド、左リアサラウンド、右リアサラウンド)
  • 1チャンネルのサブウーファ
  • 4チャンネルの上部フロントとリアに配置されたスピーカー(左上フロント、右上フロント、左上リア、右上リア)

確認されている問題

すでに試された方の中で、設定してみたが6チャンネル(5.1)までしか出力されていないという症状に陥ってしまう方は多いかと思います。(2022/10月時点)
6チャンネル分しか再生されない
この問題はAppleの不具合によるものなのか、メーカーが開発するドライバの仕様との互換性による問題なのかは定かではありません。

解決策として、通常のRMEドライバーではなくRMEオーディオ・インターフェイスをCCモード(クラス・コンプライアント)で起動することで12チャンネル(7.1.4)までのイマーシブ再生が行えます。なお、CCモード使用時にはTotalMix FXを使用できません。

また、2022年10月7日時点で検証した結果、この方法で以下の製品にて12チャンネル再生を確認しています。

  • Fireface UFX+(CCモード)- 12チャンネル再生を確認
  • Fireface UCX II(CCモード)- 12チャンネル再生を確認
  • Babyface Pro(CCモード)- 12チャンネル再生を確認
  • Fireface UFX II / Fireface 802は現時点で12チャンネル再生不可(5.1chは可能)

 

セットアップ方法

接続図

 

Yケーブル

Fireface UFX+で5.1.2(8チャンネル)を出力する場合は、全てのアナログ出力 x 8にスピーカーを接続します。7.1.4(12チャンネル)の場合は2系統のヘッドフォン端子をY字コネクターで分岐して4チャンネルのハイトチャンネルとして利用します。また、デジタル出力端子(MADI / ADAT)に16チャンネルのDAコンバーターを接続してアナログ出力を拡張することも可能です。

 

Fireface UCX IIでは、同じ方法でヘッドフォン端子を利用して8チャンネルまでアナログ出力できます。12チャンネルの場合は、デジタル出力(ADAT)を使用して別途8チャンネルのDAコンバーターを接続します。

Babyface Proの場合も、メイン出力 、ヘッドフォン出力に加えてADAT出力に別途8チャンネルのDAコンバーターを使用することで、合計12チャンネルのアナログ信号をスピーカーに出力できます。

Pulse16 MX +24

以降のセットアップガイドではRME Fireface UFX+で7.1.4チャンネルを出力する方法を解説します。

STEP1:レベルの設定

まず、Fireface UFX+からのアナログ出力が全て同じレベルを出力するように設定します。

Fireface UFX+とコンピューターを接続し、TotalMix FXを起動します。Phones1、2では基準レベル設定を「Low」に、その他のAN1〜の出力チャンネルは「-10dBV」に設定します。

*この時、すべての出力チャンネルのフェーダーを同一の設定にしてください。

 

STEP2:インターフェイスをCCモードに設定

CCモードに設定

次に、Fireface UFX+をCCモードに設定してコンピューターに接続します。

  1. USB/ThunderboltケーブルをFireface UFX+から取り外します。
  2. SETUP/REVボタンを押して、エンコーダー1を回し、Optionsを表示します。
  3. エンコーダー2を回して、Hardware / Diagnosisを表示します。
  4. エンコーダー2を数回押して、Interface Modeを選択し、エンコーダー2を回して、CCモードに切替ます。
  5. Fireface UFX+が再起動され、全てのLEDが点灯し、CCモードに切替ります。
  6. Interface Modeの下の項目のCC Routing24Ch.に設定します。

 

各インターフェイスのCCモード切替えは製品に同梱されるユーザーガイドをご参照ください。

 

STEP3:Audio MIDI設定のオーディオ装置の設定

Audio MIDI設定画面

  1. アプリケーション>ユーティリティ>Audio MIDI設定のオーディオ装置を開きます。
  2. Fireface UFX+を選択し、右クリック・メニューの「このサウンド出力装置を使用」を選択します。
  3. 同じウインドウの「出力」タブが選択されている状態で、フォーマットは「12ch 24ビット整数〜を選択します。
  4. 同じウインドウ右下の「スピーカーを構成...」ボタンを押し、表示されたウインドウの「構成」のプルダウン・メニューから「7.1.4アトモスサラウンド」を選択し、適用を押して完了します。

STEP4:Apple Musicの設定を確認する

ミュージックの設定

Apple Musicを起動して、Dolby Atmosの設定を確認します。「ミュージック」のメニューから「環境設定」を開きます。環境設定内の「再生」を開いて「ドルビーアトモス 」の設定を"自動"にします。

※"常にオン"に設定するとうまく動作しなかったという報告もありますので、必ず自動に設定してください。

 

以上でセットアップは完了です。実際に音楽を再生し、正しく出力されているか確認してください。

メーターで12ch信号を確認

 

この状態でうまく再生されない場合は、以下をお試しください。
  • キャッシュのクリア

1.Finderを開き、キーボードでShift + command + Gを同時に押します。
2.「フォルダへ移動」ウインドウが開くので、ユーザー名/ライブラリ/Cashes/com.apple.Musicに移動します。
3.移動先のフォルダ内にある「fsCachedData」をゴミ箱に移動し、削除します。
4.Apple Musicを再起動します。

  • 上記手順のやり直し

Apple Musicを起動状態で、Audio MIDI設定を変更した場合に、うまく動作しなかった例があります。Apple Musicを閉じた状態で、上記手順の通りにセットアップし、再度Apple Musicを開きます。

  • アルバムから曲を選択する

プレイリストから再生した場合に正しく再生されない事が報告されています。その場合アルバムから曲を選択して再生してください

 

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