HDSPシリーズ、HDSPeシリーズ、Firefaceシリーズに搭載されるTotalMixは、事実上無制限のミキシング/ルーティングが可能な優れたミキサー、ルーターです。インターフェイスの全入力および全再生チャンネルを、全ハードウェア出力へ自由にルーティングできます。これによりRMEオーディオインターフェイスは、ただのオーディオインターフェイスとしてだけではなく、様々な用途で活用できます。
第一回目となるTotalMixガイドでは、TotalMixの基本のユーザーインターフェイス、TotalMixの使用例等について紹介します。
また、本ガイドはドライバがすでに正しくインストールされ、インターフェイスが正常に動作していることを前提に作成しています。インストール手順については、製品に同梱されているインストールガイド、またはマニュアルをご参照ください。
入力チャンネルおよびソフトウェア再生チャンネルは、それぞれが相当する出力チャンネルの上に配置されています。2列目のソフトウェア再生チャンネルは、アナログミキサーのテープリターンと同等の位置付けです。
TotalMixの信号の流れ:
1列目:「ハードウェア入力チャンネル」 入力チャンネルを3列目のハードウェア出力にルーティング/ミックスすることができます。
2列目:「ソフトウェア再生チャンネル」 DAWなどのソフトウェアの再生チャンネルを3列目のハードウェア出力にルーティング/ミックスすることができます。
3列目:「ハードウェア出力チャンネル」 接続されたスピーカーやヘッドフォン等の全体の出力レベルを調節します。
モニタリングミキサー(複数のサブミックスを作成)
TotalMixは完全なモニターミキサーとして活躍します。複数の独立サブミックスを自由に作成でき、メインスピーカーのミックス、サブスピーカーのミックス、ヘッドフォンのミックス等のそれぞれ独立したミックス(サブミックス)を、それぞれ別々にモニタリングできます。Fireface400の場合では、TotalMixを使ってステレオサブミックスを9つ作成可能です。これはアナログのミキシングデスクの18AUXセンドに相当します。
分配器
信号を同時に複数の出力に分配できます。TotalMixは最先端のスプリッター、分配機能を提供します。
異なる2つ以上のソフトウェアの再生をミックス
TotalMixを使用すれば、複数のソフトウェアの再生信号を同時に1つのステレオ出力にミックス/モニターすることができます。
入力とソフトウェア再生をミックス(ASIOダイレクトモニタリング)
入力信号を再生信号へミキシングできます。例えば演奏を録音する際に、演奏者はトラックの再生音を聞きながら自分の音を遅延なくモニタリングできます。再生トラックやモニタリングする入力信号のパンニングも自由に行えます。
エフェクト等の外部機器を統合
TotalMixを使って再生または録音パスに外部エフェクトデバイスを挿入できます。これによりTotalMixで、インサートまたはエフェクトセンド/リターンと同じ機能を利用できます。例えば上記のようなリアルタイムモニタリング時にボーカルにリバーブを足すことなども可能です。
AD / DA /DD コンバータ
TotalMixは入力信号をどのようにもルーティングできますので、アナログ端子とデジタル端子を搭載するRMEオーディオインターフェイスを、高品位AD&DAコンバータとして使用できます。また異なるデジタル端子、例えばADATとSPDIFを搭載するRMEオーディオインターフェイスを、ADAT→SPDIF、SPDIF→ADAT等のDDコンバータとして使用できます。
各ミキサー設定をプリセットに保存
TotalMixのプリセット機能を使用して、上記のようなミキサー設定をそれぞれ保存できます。これにより、作成したミックスの設定を自由に切り替えて使用できます。TotalMixはカスタマイズする際の非常に良いお手本となる8つのファクトリープリセットをデフォルトで搭載しています。カスタマイズされたプリセットはドライバを更新しても上書きされません。またオリジナルのファクトリープリセットは、ユーザープリセットを保存した後もいつでもCtrl+クリックで読込むことができます。