Fireface UFX & Pro Tools 9:システム活用法 Part 2 - Synthax Japan Inc. [シンタックスジャパン]
動画編集ソフト設定ガイド
Tutorials
チュートリアル

Fireface UFX & Pro Tools 9:システム活用法 Part 2

「キュー・ミックス作成方法」

こんにちはシンガーソングライターの辻敦尊(つじあつたか)です。前回よりスタートしましたこの「Fireface UFX & Pro Tools 9:システム活用法」今回は“Fireface UFX”の2系統のヘッドフォンアンプを使って、それぞれ異なるキューミックスを構築する方法をご紹介したいと思います。

この方法は、例えば自宅スタジオにゲストプレイヤーを招いてレコーディングを行う際などに、別途キューシステムなどを準備しなくても快適なモニタリング環境が構築できるという大きなメリットを持っています。

これまで「キューシステムなどは持っていないから」とモニタリング環境に妥協していた人などはぜひ参考にしてみて下さい。まずは今回の手順説明に入る前にProTools上の“I/O設定”状況についてご説明しておきましょう。

今回は上図のように2つのステレオトラックをOUTPUTの1~4に、8つのモノラルトラックをOUTPUTの5~12に割り当てています。そして、その内OUTPUTの1~2については[試聴バス]と[デフォルトアウトプットバス]に割当てています。

さらにバスの名称と割当については下図のようになっています([デフォルトアウトプットバス]に割当てている[Main Out]はOUTPUTの1~2と同じである事がここで解ると思います)。

さぁPro Tools上の“I/O設定”を理解していただいたところで早速手順説明をはじめていきましょう!!

手順1.Pro Tools上の再生トラック全てに対してセンドの設定を行います。

※今回はそれぞれのトラックに対して全て異なるバスを割当てる事にします。そうする事によってこの後、より自由度の高いキューミックスが構築可能となります。

手順2.次に“TotalMix FX”の画面へ移り[Phones1]チャンネルを選択します。

※“TotalMix FX”の"Submix"機能を使ってこれらの設定を行います。View Options > Routing > "Submix"を有効にして下さい。

tl_files/images/tutorials/UFX_ProTools9/Submix.png

※正しく[Phones1]チャンネルが選択されると各チャンネル一番下の文字表記が[PH 9/10]となります(ここで言う[PH 9/10]とは“Fireface UFX”のフロントパネル[9/10] 端子を指しています)。

手順3.「手順2」までの操作によって1つめのヘッドフォンアウトへのキューミックスが行えるようになりました。

[Software Playback]の3~12チャンネルを操作して好みのキューミックスを行います。

※ここで行うキューミックスは[Phones1]チャンネルに対してのみ影響します。

手順4.続けて2つめのヘッドフォンアウトに対してキューミックス作成するため[Phones2]チャンネルを選択します。

※正しく[Phones2]チャンネルが選択されると各チャンネル一番下の文字表記が[PH 11/12]となります(ここで言う[PH 11/12]とは“Fireface UFX”のフロントパネル [11/12] 端子を指しています)。

手順5.「手順4」の操作によって2つめのヘッドフォンアウトへのキューミックスが行えるようになりました。

[Software Playback]の3~12チャンネルを操作して好みのキューミックスを行います。

※ここで行うキューミックスは[Phones2]チャンネルに対してのみ影響します。

さぁこれで“Fireface UFX”に搭載されている2系統のヘッドフォンアンプそれぞれに対して独立したキューミックスを構築できました!他の出力先に対しても同様の操作を繰り返していけばアウトプットチャンネル毎に独立したキューミックスが構築可能です。出力先のチャンネルを選んでから送り先のチャンネルを操作するというコツさえつかめれば“TotalMix FX”は本当に簡単に扱えるミキサーだと思います。

皆さんもぜひ“Fireface UFX”の豊富なアウトプットと“TotalMix FX”の贅沢な機能を活かして自由度の高い、便利なシステム構築を目指してみて下さい。

それでは、また次回まで。

辻 敦尊

辻 敦尊(つじ あつたか)

Prof

シンガーソングライターとしての活動を中心としながら、作詞家、作曲家、アレンジャー、プロデューサー、映像や舞台の音楽監督、サウンド・デザイナー、ボイストレーナー、ライターなどとしても活躍中!シンセサイザーやコンピューターを用いた音楽制作では定評が高い。

日本シンセサイザープログラマー協会 理事(JSPA)

オフィシャル・サイト http://www.at-music.net/

戻る