こんにちはシンガーソングライターの辻敦尊(つじあつたか)です。今回の「Fireface UFX & Pro Tools 9:システム活用法」では前回の続きとして「外部スタジオで行う作曲スケッチ作業時のセッティング方法」についてご紹介したいと思います。
前回は“目的”と“セッティング・イメージ”そして“TotalMix FX上の設定手順”までをご説明しましたので、今回は“Pro Tools 9上の設定”から説明をはじめたいと思います。
まずはPro Tools上の“I/O設定”で“インプット”、“アウトプット”、“バス”をそれぞれデフォルトの状態にします。
※画面は”インプット”ですが、”アウトプット”と”バス”も忘れずに!
作成したトラックそれぞれに名称をつけます。
※後から名称を付けたり変更する事は可能ですが、記録されていくリージョン名にも影響するためトラック作成時に付けておく事をおススメします。
各トラックに対する入力系統を設定します。
※「手順1」のように“I/O設定”をデフォルトの状態にしておけば「Fireface UFXの入力チャンネル10はPro Tools 9上のインプット10を指す」というように解りやすく紐付いてくれます。
“編集”ウィンドウから“ミックス”ウィンドウへ切替えを行い、録音対象となる各トラックの [トラックレコードボタン]を有効にします。
※“編集”ウィンドウ上で[トラックレコードボタン]を有効にしてもかまいません。
Fireface UFXからのダイレクト・モニタリング音とPro Tools 9経由のモニタリング音が重なって聞こえないようにするため、録音対象となる各トラックの録音フェーダーを下げます。
録音が完了したら[トラックレコードボタン]を解除します。すると“ミックス”ウィンドウ上で下げていた録音フェーダーは再生フェーダーに切り替わり、フェーダー位置も同時に切り替わります。
※録音フェーダーと再生フェーダーをリンクさせて使用している場合には、録音と再生を切替える度にフェーダー位置を調整するようにしなければなりません。
さぁ、以上が僕の作曲スケッチ作業時に行っているセッティングと手順になります。今回の中で一番ポイントとなるのは「録音フェーダーと再生フェーダーはリンクさせないで使用するのが便利」という点でしょうね。前回(Part3)と今回(Part4)ご紹介した内容がマスター出来たら基本的なレコーディングは同様の操作で大体対応できると思います。Fireface UFXには豊富な数のインプットがありますからもっと大規模なレコーディングにももちろん活用可能です。バックアップ目的で“DURec”を併用するなんていうのも凄く便利でしょうね!!
さて、次回はTotalMix FX上の“ループバック”機能を用いた活用法などをご紹介していきたいと思います。
次回もぜひご覧下さい。
辻 敦尊
本連載アーカイブ
・Fireface UFX & Pro Tools 9:システム活用法 Part 1 「DURec™(ダイレクトUSBレコーディング)」編
・Fireface UFX & Pro Tools 9:システム活用法 Part 2 「キュー・ミックス作成方法」編
・Fireface UFX & Pro Tools 9:システム活用法 Part 2 「マイクプリアンプを活かした作曲スケッチ作業 - 1」編
シンガーソングライターとしての活動を中心としながら、作詞家、作曲家、アレンジャー、プロデューサー、映像や舞台の音楽監督、サウンド・デザイナー、ボイストレーナー、ライターなどとしても活躍中!シンセサイザーやコンピューターを用いた音楽制作では定評が高い。
日本シンセサイザープログラマー協会 理事(JSPA)
オフィシャル・サイト http://www.at-music.net/