高根 晋作 - シンプル&イージー、そして高音質なMADIシステムで行う中継と収録 - Synthax Japan Inc. [シンタックスジャパン]
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高根 晋作 - シンプル&イージー、そして高音質なMADIシステムで行う中継と収録

レコーディング・エンジニアとしてMINMI、湘南乃風、JUJUなど様々なアーティストに携わり、日本の音楽シーンに深く貢献。最近では、マニピュレーターとしても活躍の場を広げる、高根晋作氏。

東京、六本木「Amuse Musical Theater」にて行われたライブ・コンサート・イベント、1st PLACE 10-11th CELEBRATION LIVE「KEEP HAVING FUN!」にて、現場の収録+中継の音声ミックスを担当した氏に、機材の選定から当日のセットアップ、そして中継ミックスに関してお話しを伺いました。

今回は、MADIの魅力を「シンプルでイージーそして高音質」と語る高根氏にフォーカスを当て、RMEのMADI RouterとMADIface XTを使った中継+収録システムの構築例を皆さまにご紹介いたします。


ー高根さんの普段のお仕事についてお聞かせください。

普段はレコーディング・スタジオで、MINMI、INFINITY16、湘南乃風、PAGE、グループ魂、といった方々と仕事させてもらってます。
あと最近はマニピュレーターの仕事もちょこちょこやってます。ライブ収録や中継の仕事は年々増えてきていますね。やはりニコ生やUSTREAMで気軽に放送出来るようになってきたからでしょうか。

Photo by:Kana
Photo by:Kana

ー「Amuse Musical Theater」は、以前、ブルーマン・グループ(BLUE MAN GROUP)の公演が行われていたことで有名な旧「六本木ブルーシアター」とのことですが、この会場に関して簡単に教えてください。

キャパは1000人弱くらいだったと思います。ハウスPAシステムは普段は MIDAS PRO6 が常設とのことですが、今回は3つのバンドが入れ替わり立ち代わりで演奏するためチャンネル数が多く、MIDAS PRO6 では対応出来ないため AVID VENUE Profile を使っていたようです。
僕は今回収録&中継ミックスを担当し、全チャンネル+オーディエンス・マイクの録音をしつつ、生中継用にリアルタイムでミックスをしていました。

ーPAチームから、収録+中継チームへは、どのように音声信号が送られていたのでしょうか?

本当はハウス卓から直でMADIでもらえたら最高だったんですが、当日使われていたAVID VENUE ProfileにはMADIのオプションカードが入っていなかったため、今回はそこは従来の方式というか、舞台袖でスプリッターで分岐された回線をこちらでアナログ→ADAT→MADIといった感じで変換しました。収録のチャンネル数は、60chくらいですね。サンプル・レートは、48kHz/24bitで行いました。アナログからMADIに変換された信号は、オプティカル・ケーブルで収録+中継部屋まで運んでいます。 MADIのオプティカル・ケーブルの他は、バックアップ回線としてPAアウト2Mixを敷きました。舞台袖から収録+中継部屋までの距離は50〜60メートルくらいですかね。

舞台袖から収録/中継ルームまで敷かれたケーブル
※舞台袖から収録/中継ルームまで敷かれたケーブルは、アナログ2chのバックアップ回線(黒)を含めて3本のみ。オレンジ色のケーブルがMADIオプティカル・ケーブル。これ1本で最大64ch分の信号を劣化なしに送ることができる。

ー収録+中継部屋まできたMADIシグナルは、どのように各機材に分配されていたのでしょうか? 収録+中継システムに関して詳しく教えてください。

中継部屋に来たオプティカル・ケーブルを MADI Router を使ってメイン収録システム、バックアップ収録システム、中継ミックスシステムの3つにそれぞれ分岐しました。メイン収録システムは、MADIface XT、MacBook Pro、DAW に PreSonus の Studio One を使いました。バックアップ収録システムは、インターフェイスが HDSPe MADIface になった以外はメインと同じです。

MADIface XTとMADI Route
※上段が、MADIface XT。ハーフラックのボディで、最大196ch分の信号を録音することができる。下段はMADI Router。ここでMADI信号を劣化なく分配している。

中継ミックス・システムは、AVID Pro Tools HD システムで、インターフェイスには、HD MADI と 192 I/O を使っています。コンピューターはMac Proです。このシステムは、あくまでもミキサーとして使っていて、録音はしていません。
Pro Tools HD上では、普段から良く使っている Waves Renaissance Equalizer や Waves API2500、Waves Renaissance Vox、Slate Digital の FG-X などを使用しました。こう書くと Waves ばっかですね(笑)。
そして、ミックスされた音は192 I/Oからデジタルで YAMAHA DM1000 へ入力し、ニコ生さんや映像さんへ2Mixを送りました。
他に、DM1000 にはPAからの2Mixが入力されていて、万が一のトラブルの際にはワンタッチでこちらに切り替えられる様にしていました。
モニター・スピーカーは、実際パソコンでニコ生を観るお客さんを想定し、BOSE SoundLink Bluetooth Mobile speaker II というコンパクトなスピーカーを使用しました。スペースの問題もあったのですが(笑)。
あとは SONY MDR-CD900ST と Beats by Dr. Dre Beats Studio の2つのヘッドフォンを使いミックスしました。

収録/中継システム全体図
収録/中継システム全体図。ラックの上に置かれているMacBook Proには、サブの収録システムとしてHDSPe MADIfaceが接続され、下段のMacBook Proには、ラックに収められたMADIface XTがメインの収録システムとして接続されている。
MADI周りの配線図
※MADI周りの配線図。一旦MADIにシグナルを変換してしまえば、その後の結線は非常にシンプルだ。

ーAVID Pro Tools HDシステムは、ニコ生中継への中継用ミックス卓としてデジタル・ミキサーのように使用されていたとのことですが、今回、ハードウェアのミックス卓を使用しなかった理由は?

実はこの方式で中継ミックスをするのは今回が初めてだったのですが、以前からライブ中継ミックスの際、あまり普段触らないデジタル・ミキサーを使うより使い慣れている Pro Tools HD でミックスしたいなあと思っていたところ今回の話があり、これはやるしかないでしょ!と。 まあスペースの問題もあったのですが(笑)。
予想通りというか、まあ録音していないのであたりまえなのですが、全くトラブル無く安定した動作で作業出来たので今後は積極的にやりたいですね。

本番の収録と中継用のミックスを1人でこなす高根氏
※本番の収録と中継用のミックスを一人でこなす高根氏。
収録/中継ルームにはカメラ・チームも入るため本番中は部屋の中を暗くしている。

—ライブ中継ミックスと、スタジオでのミックスの違いに関して教えてください。

ライブ中継ミックスでは、うまくオーディエンス・マイクを使いとにかく会場に居るような臨場感を目指しています。一緒に歌っているお客さんの声も出来るだけ入れたいですしね。かと言ってやりすぎるとリヴァービーになりすぎるので調節が大事です。あとニコ生に関しては、オンエア上、3〜4kHzが若干ピーキーになり、超高域&超低域がばっさりカットされるのでその辺を意識したミックスを行いました。それから、オーディエンス・マイク以外の2Mixをサンプル単位でちょっとだけディレイさせて、位相の具合や空気感を調節しています。オーディエンス・マイクですが、今回は AKG C-414 を2本つかっています。マイクプリは、RME の OctaMic XTC を使いました。 

OctaMic XTC
※舞台袖に置かれたオーディエンス・マイク用のマイクプリ、OctaMic XTC。2台がラックに収められているが1台はバックアップ。
ステージ横に設置された、オーディエンス・マイク
※ステージ横に設置された、オーディエンス・マイク

—アンビ用のマイクプリは、どこに設置されたのでしょうか?

舞台袖のスプリッターのところですね。ここで、ハウス卓からのMADI回線にOctaMic XTCの信号を割り込ませています。OctaMic XTC はMADIに対応していてMADIケーブルで数珠つなぎにするだけなので設定も簡単です。

OctaMic XTCの背面
※OctaMic XTCの背面。
ADI-648にてMADI変換された後にオーディエンスマイクをMADI回線に割り込ませる。接続は極めてシンプルだ。

—今回のような現場において、MADIを使用する利点とは?

今回のような現場じゃなくても、シンプルでイージーで高音質なMADIシステムは最高です!
MADIシステムを導入することによって、圧倒的にケーブルの引き回しがラクになりました。もう古代のアナログ・マルチを引き回す時代には戻れません(笑)。
特に今回のようにチャンネル数が多いと、アナログ・マルチケーブルだったらあんなぶっといのを何本引き回さなきゃいけないんだろうと…(笑)。

しかしなんといっても音質の良さが一番ですね。
アナログ・マルチを引き回すライブ収録現場では、照明や電源が原因だと思うんですけど謎のノイズが乗ったり、音がなんか曇る印象があるのですが、今回のようなMADIシステムではとにかく音がクリアだし、謎のノイズも無くとても快適に作業出来ました。デジタル機器にありがちなクロックによるトラブルも全然無いですしね。

ケーブルの引き回しを含めた機材のセッティングのラクさ、音質の良さ、MADIを使える環境でMADIを使わない理由がありません(笑)。今後どんどん普及していくとおもいます。


高根晋作/レコーディング・エンジニア プロフィール

Takane Shinsaku

1982年生まれ。静岡県浜松市出身。スタジオペニンシュラ、バーニッシュストーンレコーディングスタジオを経て独立、2007年にフリーエンジニアとなる。特に高度なEDIT能力を持ち、今までに、MINMI、INFINITY16、湘南乃風、PAGE、グループ魂、JUJU、JAMOSA、JAYED、松下優也、宮野真守、GOKIGEN SOUND、MUNEHIROなどを手掛ける。

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