IMAGICA東京映像センター試写室 第1試写室/第2試写室 - Synthax Japan Inc. [シンタックスジャパン]
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導入事例

IMAGICA東京映像センター試写室 第1試写室/第2試写室

IMAGICA東京映像センター試写室といえば、日本映画史に残る数々の映画がこのスクリーンに映し出され、映画に携わる多くのプロフェッショナルが、その厳しい目と耳で出来上がった映画を公開にむけてチェックするために、関係者に向けの試写が毎日のように行われている日本映画にとっても非常に重要な現場です。この業界のリファレンスとなる試写室。この試写室でもRMEのディバイスが選ばれ活躍していると聞き、早速、デジタルシネマユニット テクニカルオペレートチームの髙橋修一氏にお話を伺いました。


第一試写室のスクリーンを巻き上げ撮影した貴重なショット。JBL 5732。
第一試写室のスクリーンを巻き上げ撮影した貴重なショット。JBL 5732。

早速ですが、IMAGICA東京映像センター試写室に導入されているRMEのモデルを教えてください。

さまざまあるのですが、メインは、AD/DAコンバーターのADI-8QSです。その他、HDSPe MADIfaceやFireface UCXなどを部分的に導入しています。

ADI-8QSは、どの試写室に、どのような形で使われているのでしょうか?

ADI-8QSは、第一試写室、第二試写室、そして第四試写室のDCP(デジタル・シネマ・パッケージ)再生サーバー後のD/Aとして使っています。DCPサーバーからはAES/EBUで出力されるのですが、それを一旦DAしてアナログに変換しています。

第一試写室ダイアグラム
第一試写室ダイアグラム

なぜ一旦AES/EBUをアナログ信号に変換しているのでしょうか?

DCP再生サーバーはインターナル・クロックで動作しているため、この段階でクロックを一旦縁切りするためです。その後に続く機材達には別途クロック・ジェネレーターを使いワードクロックを供給しています。これにより、試写室場内の調整を行うプロセッサーはサーバーからのクロックの影響を受けることなく、安定したクロックで運用することができます。

第一試写室、DCPサーバー後のDAとして使われているADI8QSM
第一試写室、DCPサーバー後のDAとして使われているADI8QSM

第二試写室も第一試写室とほぼ同じ機材構成なのですか?

はい。最後のアンプとスピーカーが多少異なる以外は、ほぼ同じです。最初にRMEのADI-8QSMを導入したのは昨年8月で、第一試写室でした。 続いて第二試写室にも導入され、さらに、今年の11月に第一試写室のTrinnov MC Processorの後のDAにもADI-8QSを2台導入しています。現在、第一試写室は、すべてのDAにRMEのADI-8QSが使われていて、これにより、目指していた「ナチュラルな再生」と「安心して聴ける音」に大分近付いたと思います。

第一試写室、Trinnov MC Processor後のDAとして使われているADI8QS
第一試写室、Trinnov MC Processor後のDAとして使われているADI8QS

ADI-8QSをDAコンバーターに選んだ決め手はなんだったのでしょうか?

DCP再生サーバーからはAES/EBUで出力されるので、その後に続くDAコンバーターには、できるだけ正確に毎回同じ再生が得られるものを探していました。もちろん音質も考慮しましたが、それ以上に安定性を重視した選定を行いました。
そこで、RMEのADI-8QSを含め、合計4モデルの検証機を集め、再生のテストを行いました。
DCP再生サーバーにDAコンバータをつなげ、正弦波やピンクノイズを再生し、そのアナログ信号をAvid ProTools HDにてそれぞれの機種で数十回以上録音し、録音された波形画像をキャプチャーして画像処理ソフトで重ねて、毎回の再生の差分がどの位あるのかを確認しました。

実際に結果をみていただくと判りやすいのですが、RMEが一番波形の滲みが少なかったんですね。これが今回の導入の決め手となりました。 一番安定して再生しているのはどれかな、となった時に、フラットな条件下で検証した結果、RMEのDAコンバーターが一番再生が安定していたのです。

こちらの第一試写室には、ADI-8QS以外にもHDSPe MADIfaceやFireface UCXといったRMEのオーディオ・インターフェイスが使われているようですが、これらはどのような用途で使われているのでしょうか?

実は、DCP再生サーバーの後に使っているADI-8QSにはMADIオプションが付いていまして、Pro ToolsシステムからHDSPe MADIfaceを通じてMADIで音が出せるようになっています。ちなみに、HDSPe MADIfaceは、ExpressCardでPCと接続するのですが、これをSonnet社のEcho ExpressCard Thunderboltアダプタを使ってPCと接続しています。

なるほど。最近は次世代モデルとなるMADIface USBというUSB接続が可能な小型のMADIインターフェイスがリリースされているので、そちらを使った方が便利かもしれませんね。Fireface UCXは、どのような用途で使われているのでしょうか?

UCXはデジタルシネマパッケージの音素材を確認する為のモニターとして使っています。できる限りいい音質でモニターしたかったので。


ADI-8QS

業界リファレンス機としての性能を最高のコストパフォーマンスで提供するADI-8 QSは、RMEがあらゆる細部にこだわった8チャンネルのハイエンドAD/DAコンバーター。様々な業務用途に対応する豊富な機能を備えたADI-8 QSは、アナログ回路に最先端のAD/DAコンバーターチップを採用しており、この回路設計とSteadyClockテクノロジーによって高品位な AD/DAコンバージョンを低レイテンシーで実現しています。

ADI-8 QS


株式会社IMAGICA デジタルメディア&ネットワーク部 デジタルシネマグループ 映写サウンド担当  髙橋 修一氏

株式会社IMAGICA デジタルシネマユニット テクニカルオペレートチーム
髙橋 修一氏

http://www.imagica.com/

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