神戸JAZZ 2009 - Synthax Japan Inc. [シンタックスジャパン]
RME Users
導入事例

神戸JAZZ2009

tl_files/images/rme_user/kobejazz2009/pict1.jpg2009年10月10日、Jazzの街神戸で毎年行われる「神戸JAZZ」が神戸文化ホールにて開催されました。学生とプロが1日演奏を繰り広げた本イベントでは、最新のデジタルマイク、およびRMEのモバイルマルチレコーディングシステムが導入されました。

今年で5年目という節目を迎える“神戸JAZZ 2009”。世界的に有名なパーカッショニスト・カルロス菅野が率いる今回限りのスペシャルビッグバンドに加え、神戸JAZZ では初となるボーカル、アジアの歌姫マリーンが参加しました。

そして、その一部始終のレコーディングを行ったのが、レコーディングエンジニア、プロデューサーの巨匠行方洋一氏。行方氏は、日頃からRMEのオーディオインターフェイスを導入してレコーディング、マスタリングを数多く手がけていますが、ビッグバンドが10バンド以上参加した本イベントでは、行方氏はRMEのMADIシステムを起用し、マルチチャンネル録音をモバイルで実現しました。

 

システム

PAからのライン x 16chを「RME M-32 AD」で受け、ステージの中央に設置されたNEUMANN社デジタルマイク「KM D」x 2、およびSCHOEPS社製デジタルマイク「CMD」 x 2を、「RME DMC-842」にダイレクトに入力。ステージマイクからのマイク入力 x 8が「RME Micstasy」に接続されました。これらのADコンバーター、マイクプリは1本のMADIラインに統合され、ExpressCardのMADIオーディオインターフェイスである「RME HDSPe MADIface」を介してノートパソコンに接続されました。

そして、ノートパソコンでミックスされた音声をリアルタイムでモニタリングヘッドフォンとバックアップ録音用のデバイス、およびテレビカメラへスプリットして出力する手段として、「ADi-642」および「Fireface 800」が導入されました。Fireface 800に搭載されるTotalMixによって、入力されたステレオミックスの信号を複数のデバイスにスプリットして受け渡すことが可能です。

tl_files/images/rme_user/kobejazz2009/system_diagram.gif

マルチ録音された各トラックは以下の通りです。

1. Drum オーバーヘッド L
2. Drum オーバーヘッド R
3. Drums . Bass Drum
4. Electric Bass
5. Electric Guitar
6. Purcussion 1
7. Purcussion 2
8. Acorstic Piano L
9. Acorstic Piano R
10. Keyboard + Electric Piano L
11. Keyboard + Electric Piano R
12. Trumpet 1
13. Trumpet 2
14. Trumbone 1
15. Trumbone 2
16. Sax 1
17. Sax 2
18. Vocal Mic
19. Solo 1
20. Solo 221. Solo 3
22. 予備

23. Ambient L
24. Ambient R
25. MS - M
26. MS - S
27. Ambient 2 L
28. Ambient 2 R

tl_files/images/rme_user/kobejazz2009/digitalmics.jpg


デジタルマイクの導入

tl_files/images/rme_user/kobejazz2009/stage.jpgマイクロフォン業界の中でも注目されているデジタルマイクが導入されました。デジタルマイク(AES-42)は、マイク自身にADコンバータを内蔵し、アナログケーブルの引き回しによる音質劣化を防ぐだけではなく、マイクロフォンが搭載するパラメーターのリモートコントロールにも対応します。デジタルマイクは、今後も様々な可能性を秘めているため、世界各国で導入が始まっています。

NEUMANN社のKM DはMode-2(同期モード)動作するデジタルマイクで、ステレオペアステージ中央に2本設置されました。

NEUMANN社KM Dの詳細は、以下のURLでご確認頂けます。

http://www.electori.co.jp/neumann/solution_d.html

SCHOEPS社のCMDは、Mode-1(非同期モード)で動作するデジタルマイクで、本イベントでは単一指向性のカプセルと双指向性のマイクを組み合わせ、MS録音されました。

SCHOEPSのCMDの詳細は、以下のURLでご確認いただけます。

http://www.schoeps.de/E-2004/cmd2.html

 

 

行方氏からのコメント

今回のレコーディングは今までで最もストレスのない仕事となりました。RME製品に対する信頼度は絶対的と再確認させられました。HDSPe MADIfaceをベースとしたMADI回線システムを起用した事で全ての配線や設定が簡易化され、機器間のクロック設定もスムーズに且つ簡単に行えました。

去年、このイベントを録音したときは、本番20分前までシステムが安定して動作しなかった為、中継室から近くの湊川神社方向に向かって(古式ですが)お祈りをしたぐらい必死でした(笑)。今年はそんな経緯もあった為、録音本番当日朝、湊川神社に立ち寄り、昨年の御礼と本年の無事な終了を祈り、お賽銭を捧げてから、録音に向かいました。

今年は、セットアップも録音も安定しており、録音、ミックス作業に集中して作業することができました。
今回レコーディングはライン回線の半分以上がアナログケーブルで引き回し、PAから分岐してもらった回線を含め、全てのInputをMADI化することで、音質の向上はもちろんセットアップの簡易化につながるという事が、今回のシステム体験で、よくわかりました。
今回のシステム最高!!!。

 

使用機材一覧

RME M-32 DA x 1

RME DMC-842 M x 1

RME Micstasy M x 1

RME HDSPe MADIface x 1

RME Fireface 800 x 1

Neumann KM D x 2

SCHOEPS CMD x 2

戻る