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ADI-2 Proを「DACモード」で使用する

ADI-2 Proを「DACモード」で使用する

RMEのリファレンス・クラス・マスターAD/DAコンバーターであるADI-2 Proは、アナログ入出力に加えて、USB、SPDIF(Optical、Caoxial)、AES/EBUのデジタル入出力を搭載する高機能なAD/DA/DDコンバーターです。そのため、すべての入出力を正しく動作させるためにデジタル機器のクロックを柔軟に設定できるように設計されています。

一方で「USBでコンピューターと接続して、デジタル入力(SPDIF Optical)にはCDプレイヤーを接続して、両方を切り替えて再生したい」という単純な操作は、その柔軟さ故に設定が分かり難い場合がありました。
「クロック設定を気にせずに手軽に入力を切り替えたい」というユーザーの声を反映してファームウェア・アップデートで搭載されたのが「DACモード」です。

ADI-2 Pro背面端子部分

背面のSPDIF入力(光または同軸ケーブル)にCDプレイヤー等のデジタル機器を、AES/EBU入力に業務用機器などを接続することが可能です。

 

接続例

接続例
 

DACモードとは

ADI-2 Proに搭載されるAD/DA、デジタル入出力、そして内部の回路は同じクロック信号の元で動作します。そのため、例えば単純にUSB端子に接続されたコンピューターで192kHzの音源を再生した後、SPDIF入力に接続されたCDプレイヤーの44.1kHzの音源を再生すると、192kHzと44.1kHzの2種類のクロックが混在してしまいトラブルに繋がることがありました。誤ったクロック設定で異なるサンプル・レートで動作するデジタル機器同士を接続すると、同期できずにノイズが発生し、正しく信号の送受信を行えなくなるからです。
この問題はADI-2 Proのサンプル・レート・コンバーター(SRC)機能を有効にして解決できますが、再生したいサンプル・レートにクロックソースを切り替える必要があります。

よりシンプルなステレオ再生DACとしてADI-2 Proを使用するのに最適なモードが、「DACモード」です。DACモードでは、選択した入力信号に連動して自動でクロックソースが切り替わり、サンプル・レートも追従します。

例えば、ADI-2 ProにCDプレイヤーを接続していても、USB(コンピューター)とSPDIF(CDプレイヤー)のクロックが切り離され、192kHzのUSB(コンピューター)入力を選択すると192 kHzに、44.1kHzのCDプレイヤーのSPDIF入力を選択すると44.1 kHzに同期して追従します。

DACモード設定方法
(ADI-2 Proシリーズ共通)

  • ADI-2 ProをDACモードにするには、
    1. SETUPボタンを押してSETUP画面に入ります。
    2. 本体前面右上のエンコーダーノブ①を回してOptionページを開きます。
    3. 本体前面右下のエンコーダーノブ②を回してDevice Mode/DSDサブページを開きます。
    4. エンコーダーノブ②を押して、Basic Modeの項目で「DAC」を選択します*。

DACモード設定方法

*DACモードを使用する際は本体を最新のファームウェア(Windows / Mac)でお使いください。

*DACモードでは、Main Output1/2とPhones3/4は同じ入力ソースを使用するため個別に選ぶことはできません。

 

  • コンピューター(USB)とCDプレイヤー(SPDIF)の入力切替操作は、
    1. I/Oボタンを押して、I/O設定画面に入ります。
    2. エンコーダーノブ①を回して、Main Output 1/2ページを開きます。
    3. エンコーダーノブ②を回して、Settingsサブページを開きます。
    4. エンコーダーノブ②を押して、AD/DA Sourceの項目へ移動し、エンコーダーノブ②を回して入力ソースを選択します。

コンピューター(USB)とCDプレイヤー(SPDIF)の入力切替操作

* Autoを選択するとSPDIFが優先的に接続されます。

*クロックは選択された入力ソースに自動的に切り替わるため、SETUPボタン > Optionsページ > Clockサブページの項目はグレーアウトします。

入力ソース切り替えのショートカット設定
(ADI-2 Proシリーズ共通)

ADI-2 Pro本体フロント・パネルにある4つのボタン(VOL、I/O、EQ、SETUP)には、それぞれ機能を割り当てることが可能です。これにより、メニュー画面へ入らずにフロント・パネルから目的の機能へ容易にアクセスできます。

  1. SETUPボタンを押して、SETUP画面に入ります。
  2. エンコーダーノブ①を回して、Optionsページを開きます。
  3. エンコーダーノブ②を回して、SPDIF / Remap Keysサブページへ入ります。
  4. エンコーダーノブ②を数回押して、「Remap Keys」項目へ移動して「ON」に切り替えます。
  5. 「Remap Keys」の下にある「VOL(1)」「I/O(2)」「EQ(3)」「SETUP(4)」へ、「Source Optical」や「Source USB 1/2」などの入力ソースを割り当てます。
    *「Source ~」の選択項目はDACモード有効時のみ使用可能です。

 

入力ソース切り替えのショートカット設定

これでメーターなどが表示されているホーム画面の状態で、フロント・パネルにある4つのボタンを押すことで、DACモードの音源ソースを簡単に切り替えることができます。

*本来の機能(SETUP画面に入るなど)を使用する場合は、0.5秒長押しすることで実行することができます。

入力ソース切り替えのリモコン設定
(ADI-2 Pro FS R Black Editionのみ)

マルチ・リモート・コントロール(MRC)に対応したADI-2 Pro FS R Black Editionでは、DACモード時のソース切り替えを本体ボタンだけではなく、MRCのボタンに割り当てることも可能です。

ADI-2 Pro FS R Black Edition本体の設定は初期設定で、入力ソース切り替え機能がMRCのボタンに割り当てられているため、本体をDACモードに切り替えるだけでリモコンからソースを簡単に切り替えることができます。

割り当て項目を変更したい場合は以下の手順で行います。

  1. SETUPボタンを押して、SETUP画面に入ります。
  2. エンコーダーノブ①を回して、Optionsページを開きます。
  3. エンコーダーノブ②を回して、SPDIF / Remap Keysサブページへ入ります。
  4. エンコーダーノブ②を数回押して、「Remap Keys」項目へ移動して、「Remote」に切り替えます。(初期設定)
  5. 「Remap Keys」の下にあるMRCボタン(1〜7)へ、「Source Optical」や「Source USB 1/2」などを割り当てます。
    *初期設定の割り当て:1 = アナログ・ソース、2 = AES ソース、3= AutoDark、4 = DIM、5 = SPDIF コアキシャル・ソース、6 = オプティカル・ソース、7 = USB ソース。
    *「Source ~」の選択項目はDACモード有効時のみ使用可能です

入力ソース切り替えのリモコン設定

ADI-2 Proの「DACモード」は、入力ソースとクロックの管理を容易にして、マスターAD/DAコンバーターとして利用しやすくします。業務用スタジオだけではなくホーム・オーディオ環境でも便利に利用できるDACモードを是非お試しください。

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