Fireface UFXシリーズ / 802、Fireface UCX、Fireface UC、Babyface ProなどのRMEオーディオ・インターフェイスでAvid Pro Toolsをご利用いただく際の、基本的な設定方法を解説します。Avid Pro Toolsはバージョン9以降、サードパーティー製のオーディオ・インターフェイスを利用できるようになりました。RMEのオーディオ・インターフェイスは、高音質・高性能に加えて非常に多機能な内部デジタル・ミキサーやレベルメーター・アナライザー機能なども利用でき、Pro Toolsにおいても驚異的なDAW環境を構築することができます。
本セットアップ・ガイドではその中でも導入部分に重点を置き、Pro Toolsでの設定方法とオーディオの出力、および録音までの手順をご紹介していきます。解説はPro Tools バージョン2020.9の設定画面を使用しますが、異なるバージョンのPro Toolsをご使用の場合も、インターフェイスや、メニューの名称は一部異なりますが、基本的な操作方法は類似していますので、同様にご参考にしていただけます。 また、本ガイドはドライバがすでに正しくインストールされ、RMEのオーディオ・インターフェイスが正常に動作していることを前提に作成しています。インストール手順については、製品に同梱されているインストールガイド、またはマニュアルをご参照ください。
ご注意: 本ガイドは設定時のご参考情報として公開させていただいております。本ガイドの内容について弊社サポートへお問い合わせ頂きましてもご回答致しかねますので、あらかじめご了承の程お願いいたします。 各製品のご使用方法に関しましては、お取り扱いメーカー様、または販売代理店様までご確認ください。
メニュー「ファイル」>「新規作成…」を選択すると、作成するセッション全体の設定を行う「ダッシュボード」ダイアログが表示されます。この画面の右下「サンプルレート:」ポップアップメニューから目的のサンプルレートを選択します。
その他の必要な設定を行った後、「作成」をクリックすると、新規セッションが作成されます。
オーディオ入出力デバイスを選択します
表示される「プレイバックエンジン」画面の「プレイバック エンジン:」ポップアップメニューから適切なデバイスを選択します。
Macの場合:
「Pro Tools Aggregate I/O」ではなく、お使いのRMEインターフェイスの機器名を選択します(下図では「Fireface UCX (シリアル番号)」)。
Windowsの場合:
RME提供のASIOドライバーを選択してください(「ASIO Fireface」「ASIO Fireface USB」「ASIO Hammerfall DSP」など)。汎用のASIOドライバーでも使用可能ですが、機器のパフォーマンスを十分に得られない場合があります。
バッファー・サイズは、ソフトウェア・シンセの演奏や外部入力へのエフェクト処理など、リアルタイム処理が必要な場合に重要な設定です。
ヒント:バッファー・サイズを小さい値に設定するとレイテンシー(音の遅れ)が小なくなります。しかし、その分コンピューターへの負荷が高くなり、バッファー・サイズが小さすぎると音が歪んだりクリップしたりする原因となります。尚、ライブなどでリアルタイムにパフォーマンスする場合には、256 sample以下に設定すると音の遅れを最小限に押さえることができます。
最適なバッファー・サイズは、お使いのコンピューターやオーディオ・インターフェイスの性能によって異なります。バッファー・サイズを変更しながら、レイテンシーとバッファー・サイズの最適な組み合わせを探し出してください。また、演奏をモニタリングしながら録音する場合は、RME TotalMix FXの使用をお勧めします。外部入力信号をコンピューターを通さずに直接モニターするダイレクト・モニタリング機能を用いることでDAWのレイテンシーを気にすることの無い遅延ゼロのモニタリングが可能です。
Macの場合:
「プレイバックエンジン」画面の「H/W バッファサイズ:」のポップアップメニューから、目的のバッファー・サイズを選択します。
Windowsの場合:
Windowsの画面右下にあるタスクバーから「RME Settingsダイアログ」のアイコンをクリックして起動します。表示されるSettingsダイアログで、目的のバッファー・サイズを選択してください。Pro Tools起動中に変更したバッファー・サイズが反映されない場合は、一度Pro Toolsを閉じてからバッファー・サイズを変更することをお勧めします。
オーディオの入出力は、TotalMix FXの画面で確認できます。Pro Toolsのマスターアウトは、標準ではTotalMix FXミキサーの中段「SOFTWARE PLAYBACK」の左端「AN 1/2」に割り当てられています。(※インターフェイスの製品によって名称が異なる場合があります)
TotalMix FXが初期状態の場合、Pro Toolsから再生された音は、TotalMix FXミキサー下段「HARDWARE OUTPUTS」の「AN 1/2」(出力1/2)と「CONTROL ROOM」の「Main」チャンネル(ヘッドフォン)から出力されます。
今回は、RMEオーディオ・インターフェイスの「Input 1」に接続された楽器を録音する場合の設定例を紹介します。
まず、TotalMix FXの入力チャンネルで、接続した楽器のゲインを設定します。
注意:「HARDWARE INPUTS」で表示されるオーディオ入力は、TotalMix FXのフェーダーを通らずにPro Toolsへ入力される点に注意してください。このTotalMix FXのフェーダーは、ダイレクト・モニタリングを利用する際に使用します。
2. 「新規トラック」ダイアログで、作成する録音トラックの数やモノラル/ステレオ、トラック名などを設定します。「作成」をクリックすると新規トラックが作成されます。
3. 「ミックス」ウインドウを開き、「I/O」入力メニューから録音したい楽器が接続された入力チャンネルを選択します。
録音するオーディオ・トラックを録音待機状態にすれば準備は完了です。あとはRECをスタートするだけ録音を開始できます。
「RME」アイコン(MacはDock、Windowsはタスクバーにあります)をクリックすると、「Settings」ダイアログを呼び出すことができます。サンプル・レートの変更やデジタル出力のフォーマット変更、機器のステータスやドライバー/ファームウェアのバージョン確認など、RMEオーディオ・インターフェイスの様々な設定/確認が可能です。変更したステータスは即座にオーディオ・インターフェイスに反映されます。
またTotalMix FXアイコンをクリックすることでTotalMix FXミキサーが起動します。TotalMix FXは、インターフェイスへの外部入力信号をゼロ遅延でモニターできるダイレクト・モニタリングや、コンピューターからの出力信号をPC内の任意のチャンネルに戻すことができるループバック機能、CPUを使用しない内蔵DSPによる高品質エフェクトなど、様々なルーティング/ミックスが行える強力なミキサー・ソフトウェアです。Pro Toolsと併用することで、完璧なDAW環境を構築できます。
TotalMix FXに関する詳細は、こちらをご参照ください。 以上でRMEオーディオ・インターフェイスをPro Toolsで使用する際の基本的なセットアップが完了しました!