Avid Pro Toolsはバージョン9以降サードパーティー製のオーディオ・インターフェイスを利用できるようになりました。Fireface UFX、Fireface UCX、Babyface、MADIface XT*、MADIface USB*、HDSPe MADI FX*、HDSPe MADI*、等に代表されるRMEのオーディオ・インターフェイスは、高音質・高性能に加えて非常に多機能な内部デジタル・ミキサーやレベルメーター・アナライザー機能なども利用でき、Pro Toolsにおいても驚異的なDAW環境を構築することが可能となっています。
このセットアップ・ガイドではその中でも導入部分に重点を置き、Pro Toolsでの設定方法とオーディオの出力、および録音までの手順をご紹介していきます。画面等はTotalMix FXを基準として解説を進めますが、従来モデル用のTotalMixの場合の差異も併せてご説明しますのでご参考ください。
なお、本ガイドはRME製品のドライバー、およびPro Toolsのインストールが完了した次のステップからのご紹介となります。インストールの手順については、製品に同梱されているインストール・ガイド、ユーザー・ガイド等をご参照ください。
*Pro Toolsの仕様により、Core Audio/ASIO使用時に入出力が(セッションのサンプリングレートに関わらず)32chに制限されます。詳細はこちらをご覧ください。
【ご注意】 本ページのセットアップ・ガイドは、設定を行って頂く際のご参考情報として公開をさせて頂いているものです。各製品に関してのご質問・サポート等はメーカーまたは販売ディーラー様までお問い合わせ頂けますようお願い致します。
まず、Pro Toolsを起動する前にRMEインターフェイス側の準備を行います。「Settings」画面で、Pro Toolsのセッションで使用するものと同じサンプルレートを選択してください。あらかじめサンプルレートを指定しておくことにより、意図しないトラブルを防ぐことができます。
※ ドライバーのバージョンによっては、サンプルレートが自動判定される仕様のため設定項目が存在しない場合があります。
また、TotalMix FXを初めて使用する場合や、ルーティングの設定が分からなくなった場合は、メニューの「Options」にある「Reset Mix」→「Straight playback, mix to Main Out」を実行して、ミキサーの状態をリセットしてください。
※ TotalMixの場合は、右端にある「Presets」の「1」番を「control(Ctrl)」キーを押しながらクリックすることで、ミキサー設定を初期状態へリセットできます。
続いてPro Toolsを起動します。メニューの「設定」から「プレイバックエンジン」の画面を開き、エンジンにRMEのインターフェイスを指定してください。
【Macの場合】
標準で作成される「Pro Tools機器セット」は使用せず、機器名をダイレクトに指定してください。
【Windowsの場合】
RMEのドライバーで提供されるASIOドライバーを指定してください(「ASIO Fireface」「ASIO Fireface USB」「ASIO Hammerfall DSP」等)。これ以外の汎用ASIOドライバーを選択すると十分なパフォーマンスが得られないことがあります。
設定は以上です。プレイバックエンジンを変更すると、セッションを開き直すアラート・メッセージが表示されますので、「はい」を押してください。これで、RMEのオーディオ・インターフェイスをPro Toolsで利用できるようになります。
オーディオの入出力は、TotalMix FXの画面で確認できます。Pro Toolsのマスターアウトは標準ではSoftware Playbackの左端「AN 1/2」に割り当てられています。(※インターフェイスの製品によって名称が異なる場合があります)
Pro Toolsから再生された音は、そのままMain Outから出力されます。
【TotalMix FX:同じ出力をヘッドフォンでモニターする】
TotalMix FXは標準状態で「Submixモード」が有効になっています。この場合、下段の「Hardware Output」および「Control Room」の任意のチャンネルをクリックして選択することができます。選択されている出力チャンネルへどのオーディオ信号が割り当てられているかを、上の2段のミキサー画面で変更できます。
下記のように、「Phones 1」を選択すると、Pro Toolsの再生音であるプレイバックの「AN 1/2」のフェーダーが下がっていることが分かります。
このフェーダーを上げることで、Phones 1でPro Toolsのマスターアウトをモニターできます。
※ 従来のTotalMixには、Control Roomセクションはありませんが操作の仕組みは同様になります。
TotalMix FXでは、入力ゲインのコントロール機能が統合されています。ここでは、Fireface UFXのマイク入力「Mic 9」へ入力したオーディオ信号をPro Toolsで録音するための例を解説します。
Hardware Inputsの「Mic 9」チャンネルのツール(スパナマーク)アイコンをクリックすると、右側にチャンネル設定画面が表示されます。ここにある「Gain」で、マイク入力のゲインを調節します。
このHardware Inputsで表示されるオーディオ入力は、TotalMix FXのフェーダーを通らずにPro Toolsへ入力される点に注意してください。このTotalMix FXのフェーダーは、ダイレクト・モニタリングを利用する際に使用します。
※ 従来のTotalMixを使用する製品の場合は、入力ゲインの設定は例えば下記のFireface 400のようにSettings画面上にあります。また、Fireface 800に限り、フロント側の入力ゲインは本体から直接制御する仕様になっています。
Pro Toolsのオーディオトラックでインプットで該当する入力を選択し、録音待機状態にすれば準備OK。あとはRECをスタートするだけです。
※ 本セットアップガイドでは、解説のために操作を簡略化してご説明している部分があります。ソフトウェアの正しい操作手順は取り扱い説明書等をご参照ください。このガイドの内容を参考に設定を行った結果として何らかの不具合が生じた場合でも、一切の責任を負いかねますのでご了承願います。