2001年以降、TotalMixは無制限のルーティングとミキシングをRMEインターフェイスに追加しました。入力チャンネルと再生チャンネルをすべての物理出力に対して、それぞれ独立したルーティングとミキシングを可能にし、柔軟かつパワフルなソフトウェア・ミキサーとして様々なプロフェッショナルの現場を支えています。リリース以降、細部に拘った進化を続けているTotalMix FXのアップデートでの新機能をご紹介します。
手元にデバイスがない時でもTotalMix FXで事前に仕込みを行いたいという多くのご要望にお応えし、今回のアップデートではTotalMix FXがオフライン(デバイス接続なし)状態でも設定ができるようになりました。
これまでは、RMEインターフェイスをコンピューターと接続している状態でのみTotalMix FXの編集、操作が可能でしたが、Offline Device Setupにより設定したいデバイスが手元にない状態でもそのデバイスとシリアルを選択・入力することで、いつでも設定を編集することができます。
プロフェッショナルな現場でも仕込みの際の予期せぬトラブルや試行錯誤してしまうことは少なくありません。この機能ではこのような事態を極力回避するため、事前に設定を行うことができます。
スピーカーやヘッドフォンからの意図しない大音量での出力やフィードバックが起こらないようにオフラインでのルーティングや音量の設定にご注意ください。
TotalMix FXアイコンを押し、Optionsメニュー内のOffline Device Setupを開きます。
Offline Device Setupウインドウで、設定するデバイスをAvailable Devicesから選択し、そのデバイスのシリアルナンバーを入力してAddを押すと、Configured Deviceのリストに指定したデバイスが追加されます。
最後にOKボタンを押します。TotalMix FXのウインドウが立ち上がり、これでオフラインでの操作・設定ができます。
複数のデバイスをお持ちの場合は、同様の手順で追加できます。操作設定するデバイスの切り替えはTotalMix FX画面右上のデバイス選択メニューからできます。
設定は、指定したシリアルナンバーの「xml」ファイルとして保存され、次回そのシリアルナンバーのデバイスが接続された時に設定がロードされます。 もちろん、オフラインで設定したファイルは、ワークスペースやスナップショットとしても保存することが可能です。 デバイスが手元にない場合でもバックアップのファイルを準備することができます。
オフラインで編集したTotalMix FXの設定によって、RMEデバイスに接続した際にミスマッチ・メッセージが表示されることがあります。 これは、RMEデバイス本体の設定と、PC/MacのTotalMix FXのローカル・ファイル(xml)に保存された設定が異なる場合に表示されます。
表示されるメッセージに対して、「Yes」はローカルに保存された設定(xml)、「No」はRMEデバイス本体の設定をTotalMix FXおよび本体に対してロードします。 そのため、オフラインで編集したTotalMix FXの設定を適用する場合は「Yes」を選択します。
オフラインで編集したTotalMix FXの設定を、ワークスペース(.tmws)として保存している場合は、一旦「No」を選択してRMEデバイスの設定をロードし、バックアップとして保存しておくことをお勧めします。
なお、TotalMix FXのPreferencesを開き、Device Handling欄の「Always init DSP devices with TotalMix FX settings」にチェックを入れることで、常にPC/Macに保存されたTotalMix FXの設定が接続されたデバイスに反映されます。
TotalMix FX v1.80以降でチャンネル・レイアウト・カラーが実装されました。 これまでTotalMix FXの各チャンネル名は白文字に固定されていましたが、この機能により、色分けをすることが可能となりました。 多くのDAWでも使われているように、名前を編集するだけではなく、楽器ごとのグループ毎に色分けを行うなど、目的のチャンネルの視認性を向上します。
Optionsメニュー内のChannel Layoutを開きます。
Channel Layoutウインドウで、変更したいセクションを選択し、任意のチャンネルのColorを変更します。白の他、7色から選ぶことができます。
チャンネル・グループとしてカラーを一括変更する場合は、Shiftキーを押してチャンネルを複数選択し、右下のColor(Name)から設定します。最後にOKを押して完了です。TotalMix FXにカラー設定が適用されます。
Babyface Pro FSの入力チャンネル3/4に新たなリファレンス・レベル「Boost」が追加されました。これまでの最大9 dBのデジタル・ゲインではカバーしきれない出力レベルの低いギターやその他の楽器などに対して有効なオプションです。
「Boost」を使用することにより、9 dBの増幅が追加されます。そのため、デジタル・ゲインと合わせて9 dB~18 dBまでのゲイン調整が可能となり、出力レベルの低い楽器を快適に使用できます。
※この機能を使用するには、本体ファームウェア v203以降が必要です。
Fireface UFX III |
Fireface UCX II |
Babyface Pro FS |
94 入力 / 94 出力 192 kHz対応 |
20入力20出力192 kHz対応 |
12イン/12アウト 24bit/192kHz対応 |
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