お使いのDAWとTotalMixミキサーを組み合わせることで、レコーディング時に演奏に集中するための快適なゼロ・レイテンシー・モニタリングの環境を、外部のハードウェア・ミキサーを使用することなくコンパクトに実現できます。
本ガイドではアコースティック・ギターとボーカルの2トラックのセットアップを例に、演奏者が快適に演奏に集中しながらレコーディングできるように各チャンネルの音量、パン、リバーブをTotalMixで調整して基本的なモニタリング・ミックスを作成する方法を紹介します。
RMEインターフェイスならではのコンパクトで信頼性の高いセットアップを是非ご活用ください。
※ 本ガイドは設定例としてFireface UCXを使用しますが、すべてのTotalMix FX搭載のインターフェイスで応用できます。他のRMEインターフェイスをお持ちの場合は、各マイク入力のチャンネルをご使用中のインターフェイスの入力チャンネルに置き換えて本ガイドをご活用ください。
1. マイク入力[MIC/LINE 1]にアコースティック・ギターを録音するマイクを接続します。
2. 2つ目のマイク入力[MIC/LINE 2]にボーカルを録音するマイクを接続します。
3. ヘッドフォン出力[Phones 7/8]にヘッドフォンを接続します。
TotalMix FXの[Options]メニューから、[Reset Mix] > [Total Reset]を選択してTotalMixをリセットします。Total Resetを行うと、各再生チャンネルがそれぞれ同出力チャンネルに1対1でルーティング(例:Software Playback の AN1/2 チャンネルは Hardware Output の AN1/2 チャンネルにルーティング)され、さらにすべての再生チャンネルは Main に指定されている Output へ出力されます。Fireface UFX は Main が AN1/2 に設定されており、その他の製品ではヘッドフォンに設定されています。Main のチャンネルにはすべての Software Playback のチャンネルがルーティングされます。
注意:TotalMixをリセットする前に現在のルーティング設定を保存しておきたい場合は、snapshot機能をご利用ください。TotalMixの右側の[store]ボタンを押してから[Mix]ボタンを押してミキサーの状態を保存します。
1. アコースティック・ギターのマイクが接続されている[Mic 1]入力チャンネルの[スパナ]のボタンを押します。[Settingsパネル]が開きます。
2. 入力レベル・メーターを確認しながら、Settingsパネル内の[Gain]ノブを回して入力レベルを調整します。
※メーターがオーバーロード(赤く点灯)しない程度までGainノブを上げてください。
※コンデンサー・マイクの場合はSettingsパネル内の[48V]ボタンをオンにしてマイクに電源を供給してから、Gainノブを上げます。
3. ボーカル・マイクについても同様に、[Mic 2]の入力レベル・メーターを確認しながら、Settingsパネル内の[Gain]ノブでゲインを調整します。
1. 最下段の[Main]出力(ヘッドフォン)チャンネルを選択した状態にします。
2. ヘッドフォンの音声を聴きながら、最上段の[Mic 1]入力と[Mic 2]入力のフェーダーをそれぞれ上げて、最適なレベルに調節します。
3. 各パン・ノブを回して、アコースティック・ギターとボーカルのパンの位置を調節します。
1. 右側のコントロール・ストリップにある[FX]ボタンを押します。[エフェクト・パネル]が開きます。
2. [Reverb]ボタンをOnにします。
3. 最下段のMain出力(ヘッドフォン)チャンネルのFX Returnのスライダーを上げます。
4. 最上段のMic 1、Mic 2入力チャンネルのFX Sendのスライダーをそれぞれ上げて、リバーブのかかり具合を調節します。
以上でアコースティック・ギターとボーカルのモニタリング・ミックスをヘッドフォン出力に作成できました。これでTotalMix FXのゼロ・レイテンシー・モニタリング・ミックスを聴きながらお使いのDAWで録音を開始できます。
TotalMix FXのゼロ・レイテンシー・モニタリングをDAWと組み合わせてレコーディングする際は、お使いのDAWの各入力トラックのモニタリングをオフにしてください。これにより、DAWを通過した後のモニタリング音声は無効になり、DAWを通過する直前のTotalMix FXの音声のみを直接モニタリングすることができます。
ヘッドフォンに送られるDAWの再生音のレベルは次の手順で調整します。
1. TotalMix FXで[Main]出力(ヘッドフォン)チャンネルを選択した状態にします。
2. 2段目のソフトウェア再生チャンネル(DAWの1/2出力音声)のフェーダーで再生音を最適なレベルに調整します。
1. 本ガイドでは演奏者自身がTotalMixを操作して録音することを想定してMain出力(ヘッドフォン:PH)にモニタリング・ミックスを作成しています。同じ方法で別の出力を選択すれば、他の演奏者のためのモニタリング・ミックスをインターフェイスが搭載するステレオ出力の数だけ個別に作成できます。
2. TotalMixの入力チャンネルの音声は直接DAWに送られます(プリ・フェーダー)。従ってTotalMixのチャンネル・フェーダーやエフェクト等で調整した音声はDAWで録音される音声には影響しません(Loopback録音やDSP-EQ+D for Record設定時は例外です。詳細は製品付属の日本語ユーザーガイドをご覧ください)。
※ 本ガイドは設定時の参考情報として公開させていただいております。掲載内容について弊社サポートへお問い合わせ頂きましてもご回答致しかねますので、あらかじめご了承ください。