生形三郎氏によるADI-2 Pro FS R Black Edition徹底検証 - Synthax Japan Inc. [シンタックスジャパン]
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生形三郎氏によるADI-2 Pro FS R Black Edition徹底検証

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音楽家/録音エンジニア/オーディオ評論家として幅広く活躍されている生形三郎氏がいち早くADI-2 Pro FS R Black Editionを導入され、今回その性能や音質についてレビューしていただきました。

ADI-2 Pro FS R Black Edition」は、最小にして最強の2ch AD/DAコンバーターではないでしょうか。768kHz/32bit PCMや11.2MHz DSDが録音できる性能は勿論のこと、製品として市販化されている広い入手性と約20万円という価格を加味すると、現時点で、確実に、他の追従を許さない製品だと思います。

ここでは、いちユーザーとして、①音質、②機能性、③Sound it! For ADI-2 Proを用いての超ハイレゾ録音の実際、④デザイン、の4つのポイントから「ADI-2 Pro FS R Black Edition」の魅力をお伝えしたいと思います。

音質

まず、①音質ですが、RMEの正確無比な音質は、もはや今更私が説明するまでもないでしょう。それは、オーディオ機器の測定器として業界標準となっている「Audio Precision」のアナライザー・ソフトウェアが、RME製品を推奨ハードウェアとして指定していることからも明らかです。

その中で、初代FirefaceからRME製品を使用してきたユーザーとして実感するは、このADI-2 Pro FS R Black EditionADI-2 DAC FSで聴ける音質は、とりわけ素晴らしいものだということです。レスポンスが正確なだけでなく、音の品位までもが磨き込まれた印象です。そしてそれは、後述するRMEならではのLoudness機能やEQと組み合わせることで、まさに万能のものになると感じます。RMEはAudio I/Fの世界、そして、PCオーディオと呼ばれるジャンルに革新をもたらしましたが、ここで達成された音の品位によって、今一度、さらなる革新をもたらしたと認識しています。

私は、仕事でオーディオ製品やその周辺機器のレビューを行なっていますが、私自身がRME製品を使って録音した音楽ソースとその再生音が、レビュー対象製品のキャラクターを判断する上で欠かせないリファレンスとなっています。

機能性

次に、②機能性ですが、個人的にとりわけ感心したのは、Loudness機能です。オーディオ機器に搭載されている一般的なLoudness機能は、再生環境とは関係なく定量的に働くので、限定的な使い方しか出来ず、個人的には使用することはこれまでありませんでした。しかしながら、RMEのLoudnessは、やはり、インテリジェントでした。基準レベルが決められる上、ボリューム値に対してどれくらいの補正ゲインを得るかが自由に設定できます。これによって、自然な掛かり具合でLoudness補正が得られるので、音量の大小を問わず、適切なサウンドバランスが見えやすいのです。例えルームアコースティックが充分に整っていない状況であっても、部屋の影響を最小限に抑えて作業が行なえるのです。RME製品らしい、非常に合理的な考え方ですね。同様に、入出力チャンネルごとに緻密に適用できるEQ機能も、とても有用でしょう。さらにこれらは、リモコンからスムーズに操作可能な点も素晴らしいと思いました。

「Sound it! For ADI-2 Pro」を使ったハイレゾ録音

個人的にも非常に注目していた、③「Sound it! For ADI-2 Pro」を使ったハイレゾ録音ですが、これも非常にシンプルかつ確実に行なうことが出来ました。まさに2chのマスターレコーダーの様な操作感です。「ADI-2 Pro FS R Black Edition」を用いた、緻密で自然な音質による768kHzや11.2MHzでのA/Dコンバージョンは、新しい次元のデジタルクオリティだと実感します。アナログマイクプリを直結してのマイク録音に加え、レコードプレーヤーやオープンリールデッキを接続しての録音も実施してみましたが、その素直な音質は大変好ましいものでした。768kHzや11.2MHzフォーマットでのダイレクト2ch録音への創作意欲を大いに刺激されましたし、既に、アナログソースのデジタル化にも積極的に使っています。

デザイン

加えて、本機は外観デザインも素敵です。シンプルなボックスフォルムながら、角を僅かにラウンドした滑らかなボディRMEのロゴが刻印されたマットなつや消しの仕上げに、高精細なディスプレイと電源ボタンやヴォリュームノブを縁取るイルミネーション、そして金メッキによるヘッドフォン端子の組み合わせは、必要最小にして最大のとてもミニマルな美しさでしょう。Black Editionが、ADI-2 DACだけでなくADI-2 Proでもレギュラー化されたことは、個人的にもとても嬉しいことでした。

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以上のように、「ADI-2 Pro FS R Black Edition」は、もはやプロオーディオやホームオーディオという概念すら取り去ってしまうほどに優れた、2chADDAを司る万能な製品だと思います。このような、極めて優れた製品をここでレビューさせて頂けることは、私にとっても非常に光栄なことです。

現在使用しているRME製品:
ADI-2 Pro FS R Black EditionMADIface ProOctaMicXTCFireface UCX

これまで使用してきたRME製品:
Fireface 400Fireface 800Fireface UC

プロフィール

生形氏

生形三郎(音楽家/録音エンジニア/オーディオ評論家)

東京都世田谷区出身。昭和音大作曲科を首席卒業、東京藝術大学大学院修了。洗足学園音楽大学音楽・音響デザインコース講師。音楽之友社主催Stereo誌ベストバイコンポ・年間最優秀コンポ審査員、音元出版「Audio Accessory」誌・オーディオアクセサリー銘機賞審査員、音元出版主催VGPピュアオーディオ部会審査員、ヨーロピアンサウンド・カーオーディオコンテスト審査員。大学在学中にCCMC2004 最優秀作品賞や海外での作曲賞を受賞し、2006年には協同作品が文化庁メディア芸術祭審査委員推薦作品に選定される。音楽制作活動のほか、音楽家の視座を活かした録音制作、オーディオ評論活動を展開する。電子音響音楽制作や録音技術のワークショップも開催するほか、近年は自作スピーカー製作やオーディオイベントでの講演活動も行う。

http://saburo-ubukata.com/

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