Dvorak Strings Quintet No 2 in G major Op 77 - UNAMASが新たにチャレンジするハイレゾ・イマーシブ録音の最前線 - Synthax Japan Inc. [シンタックスジャパン]
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Dvorak Strings Quintet No 2 in G major Op 77 - UNAMASが新たにチャレンジするハイレゾ・イマーシブ録音の最前線

Dvorak Strings Quintet No 2 in G major Op 77 - UNAMASが新たにチャレンジするハイレゾ・イマーシブ録音の最前線

Appendix-2 Intermezzoが収録された世界初のアルバム

サラウンド将軍ことミック沢口氏が、現代技術を惜しみなく起用し、可能な限り高音質に録音されたタイトルを世の中に発信するUNAMASレーベルより、2019年に録音された「ViVa The Four Seasons」から2年ぶりとなる「クラシック・シリーズ」の最新作「Dvorak Strings Quintet No 2 in G major Op 77」がリリースされました。

「Dvorak Strings Quintet No 2 in G major Op 77」は一般的には4楽章構成として演奏されますが、本来は5楽章あり、世界で初めて通常演奏されることのない第2楽章の「間奏曲」が付録としてアルバムに収録されています。

演奏は第1バイオリン、第2バイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの編成による東京交響楽団田尻順氏率いるUNAMAS Strings Quintet。

録音は、これまでミック沢口氏が軽井沢の大賀ホールで培った録音技術のノウハウを元に、新たな会場として山梨県北杜市高根町の「八ヶ岳やまびこホール」が採用されて行われました。

大賀ホールでの録音と同じく、Spider Treeと呼ばれる全周に広がる5チャンネルのマイク配置がメインとして使用され、同じくステージ上に配置されたサラウンド・チャンネル用のマイク、そして客席に設置されたハイト・チャンネルのマイクでイマーシブ収録されています。

Dvorak Strings Quintet No 2 in G major Op 77 収録

ミック沢口氏は、今回の会場となった八ヶ岳やまびこホールと大賀ホールとの違いについて、「ホール全体が融合した音楽を奏でるホールという印象ですね。次の私の課題は、メインのSpider Treeとそれ以外のアンビエンスマイクの配置をこのホールではどうするのがいいかを追求することです。」とコメントされています。

今回の録音はRMEのMADIシリーズを中心としたシステムで構成されています。



 

マイクプリアンプ:

マイクプリ

マイク・プリアンプには、メインのデジタル・マイクのプリアンプとしてDMC-842 Mが、サラウンド用の各アナログ・マイクのプリアンプとしてRME最新のマイク・プリアンプ 12Micが採用されました。

DMC-842 Mの信号をMADI経由で12Micに入力し、12Micがもつ内部マトリックス機能によって全14chの信号をまとめた上でコントロール・ルームへ送出されます。

 

オーディオ・インターフェース:

MADIfaceXT ADI-2Pro MADIfaceXT DURec FirefaceUFXPlus
Merging Pyramix Native + MADIface XT MAGIX Sequoia+MADIface XT Fireface UFX+

デジタル(DMC-842 M)とアナログ(12Mic)計2台のマイク信号をMADI回線に載せ、MADI Routerでメイン・レコーダーであるMerging Pyramix Native + MADIface XTと、バックアップのMAGIX Sequoia+MADIface XT、さらにもう一台のバックアップ用のFireface UFX+ に分岐。Fireface UFX+ではフロントパネルUSB端子に直接ストレージを接続しレコーディングが行えるDURec(Direct USB Recording)で録音されています。

 

モニター:

モニター

コントロール・ルームでのメイン・モニターは、メイン・レコーダーであるMerging Pyramix Native + MADIface XTから、AES/EBUでADI-2 Pro FS R Black Editionへ入力しDA変換を行って、Genelec 8341へ入力しています。 モニタリング環境のマスターDAとして、「どこでも安定して使えるので安心でき、DAの品質がいいので判断も容易。」とのミック沢口氏からの評価もあり、今回ADI-2 Pro FS R Black Editionが採用されました。 コントロール・ルームはホール会場内にある演者控え室に設置され、モニタリングの音響特性としてはお世辞にも良いとは言えない環境で最大限のクオリティーの環境をつくるために、GenelecのGLMにて測定・補正を行いフラットなモニター環境を整える準備を行いました。

 

マイクロフォン:

録音は、11.1(7.1.4)チャンネル、24bit/192kHzで行われました。

メインマイク:Neumann KM-133D x 5

メインマイク:Neumann KM-133Dx5

イマーシブ録音のために独自に開発されたマイクツリー「Spider Tree」を取り囲むように演奏者を配置。「Spider Tree」にマウントされたメイン・マイクには無指向性(Omni)のデジタル・マイク「Neumann KM-133D」が採用され、高い解像度と低S/N比で、それぞれの演奏の微細なニュアンスまでキャプチャーしています。KM-133Dはそれぞれの楽器に向けて配置され、再生時にそれぞれが、Left、Center、Right、Surround Left、Surround Rightスピーカーに位置するようになります。

低音用:Brauner Phantom Classic x 1

低音用:Brauner Phantom Classic x 1

メインマイクに加えてコントラバスの低音を追加するために、Brauner Phantom Classicがステージ上中央からコントラバスに向けて楽器全体をカバーできる高さに配置され、これは再生時に低音要素となります。

サイドL&R:Sanken CO-100K x 2

サイドLR:Sanken CO-100K x 2

ステージのサイドには、再生時にSide L&RチャンネルとなるSanken CO-100Kが配置され、ステージ上で鳴る音を忠実に捉え、FrontチャンネルとSurroundチャンネルの間を繋ぐ重要な役割を担います。

ハイトFront L&R / Rear L&Rチャンネル:Sanken CUW-180(ステレオペア) x 2

ハイトFront LR / Rear LRチャンネル:Sanken CUW-180(ステレオペア) x 2

Top Front Left / RightおよびTop Surround Left / Rightとして、ホールの左右バルコニーにはステレオペアのSanken CUW-180が配置され、それぞれ一本で前後(例:Top Front / Surround Left)の音を収録します。

ハイトTop Front L&Rチャンネル:Sontronics Apollo(ステレオX-Yペア) x 1

ハイトTop Front LRチャンネル:Sontronics Apollo(ステレオX-Yペア) x 1

ハイト・チャンネルとして、ステレオX-Yペアのファンタム電源対応のリボンマイクSontronics Apolloが客席中央に配置されました。今回初登場のSontronics Apolloについて、ミック沢口氏は「リボンマイクにしては低域が十分あり高域も滑らかな音質であること。これだけでメインマイクにはなりませんが、コンデンサー・マイクをメインとして、Apolloをアンビエンスにすると言った組み合わせで奥行きのあるサウンドをデザインすることを目的にしています。今回はハイト・チャンネルの FL-FRにどうかと思ってテストしました。言わば影の引き立て役ですね。」とコメントをいただいています。

 

スタッフ編集後記:

セットアップから録音、撤収まで丸2日で行われた本作品は、プロフェッショナルなミュージシャンと、経験豊富なエンジニア、ディレクターによって、スムーズに且つ穏やかな雰囲気で録音が行われました。

完成した作品では、録音の現場で実体験した音空間、特に空間の広がりと演奏の輪郭の鮮明さを強く感じられるにも関わらず、音が一切分離することなく音楽的にまとまっている一体感を体験できます。ミック沢口氏がホールの特性についてコメントされているように、まさに「ホール全体が音楽を奏でている」と強く感じる一体感があります。大賀ホールの作品と聴き比べてみて、ホールによる音楽性や空気感の違いを体感するのもこの作品の一つの楽しみではないでしょうか。


 

e-onkyo music 他より絶賛発売中

Dvorak Strings Quintet No 2 in G major Op 77

幻の間奏曲「Appendix-2 Intermezzo」が収録された世界初のUNAMASレーベル最新作

アルバム情報:
Dvorak Strings Quintet No 2 in G major Op 77
UNAMAS Strings Quintet
e-onkyo

flac 192kHz/24bit:3,055円 / WAV 192kHz/24bit:3,055円 / 5.1ch flac 192kHz/24bit:3,565円 / 5.1ch WAV 192kHz/24bit:3,565円

レコーディングの様子、インタビューをYouTubeで配信中

「Dvorak Strings Quintet No 2 in G major Op 77」のレコーディングの様子とインタビューがYouTubeで配信されています。

プロジェクト・メンバー プロフィール

ミック沢口
プロデューサー、録音、ミックス、マスタリング

ミック沢口

1971年千葉工業大学 電子工学科卒、同年 NHK入局。ドラマミキサーとして「芸術祭大賞」「放送文化基金賞」「IBC ノンブルドール賞」「バチカン希望賞」など受賞作を担当。1985年以降はサラウンド制作に取り組み海外からは「サラウンド将軍」と敬愛されている。2007年より高品質音楽制作のためのレーベル「UNAMAS レーベル」を立ち上げ、さらにサラウンド音楽ソフトを広めるべく「UNAMAS-HUG / J」を 2011年にスタートし 24bit/96kHz、24bit/192kHz での高品質音楽配信による制作および CD制作サービスを行う。2013年の第20回日本プロ音楽録音賞で初部門設置となったノンパッケージ部門 2CHで深町純『黎明』(UNAHQ-2003)が優秀賞を受賞。2015年には第22回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『The Art of Fugue(フーガの技法)』が優秀賞を、続く第23回では、ハイレゾリューション部門マルチchサラウンドで『Death and the Maiden』が優秀賞を受賞。さらに第24回日本プロ音楽録音賞の前同部門において最優秀賞を受賞、第25回日本プロ音楽録音賞・ハイレゾリュージョン部門「クラシック、ジャズ、フュージョン」において最優秀賞・スタジオ賞を受賞。日本プロ音楽録音賞4年連続受賞の快挙を成し遂げる......ハイレゾ時代のソフト制作が如何にあるべきかを体現し、シーンを牽引しつづけている。

入交英雄
レコーディング・ディレクター

入交英雄

1956年生まれ。1979年九州芸術工科大学音響設計学、1981年同大学院卒。2013年残響の研究で博士(芸術工学)を取得。1981年(株)毎日放送入社。映像技術部門、音声技術部門、ホール技術部門、ポスプロ部門、マスター部門を歴任した後、2017年より(株)WOWOWへ出向中。1987年、放送業界初となる高校野球サラウンド放送のプロジェクトに関わる。2005年より放送のラウドネス問題研究とARIB委員、民放連委員を通じて規格化に尽力した。学生時代より録音活動を行い、特に4ch録音や空間音響について探求を重ね、現在では3Dオーディオ録音の技術開発と共に、精力的な制作や普及活動を行っている。また、個人的にも入間次朗の名前で音楽制作活動を行っており、花園高校ラグビーのオープニングテーマやPCゲームのロードス島戦記などを担当した。

UNAMAS Strings Quintet

田尻順 ─ 第1ヴァイオリン

田尻順

7歳よりヴァイオリンを始める。本間美子、故久保田良作各氏に師事。1988年桐朋学園大学を卒業。卒業と同時に群馬交響楽団に入団、在籍中は首席代理奏者を務める。群馬交響楽団とコンチェルトの共演やリサイタルを開催するなど主に群馬県を中心にソロや室内楽の活動もする。1994年“プラハの春”国際音楽祭、ウィーン芸術週間に参加。1994年首席奏者として東京交響楽団に入団。皇居内の桃華楽堂において御前演奏するなど東京交響楽団ともソロを共演。1998年同団のアシスタントコンサートマスターに就任。2002年NHK FMリサイタルに出演。2004年にシリウス弦楽四重奏団を結成。東京交響楽団弦楽四重奏団としても光が丘IMAホールでのシリーズを展開。他にもスタジオミュージシャンとしてもCMや映画音楽などの録音にも携わりその活動は多岐にわたっている

竹田詩織 ─ 第2ヴァイオリン

竹田詩織

1988年生まれ。2010年東京藝術大学音楽学部器楽科ヴァイオリン専攻卒業。京都芸術祭「世界に翔く若き音楽家の集い」京都市長賞受賞、全日本学生音楽コンクール、日本クラシック音楽コンクール、横浜国際音楽コンクール、ルーマニア国際音楽コンクール等数々のコンクールに上位入賞、入選を果たす。
大学在学時より、ソロ・オーケストラ・室内楽での活動の他、多数の著名アーティスト楽曲レコーディングやライブサポート等様々なフィールドで活動。自身がリーダーを務めるストリングスでの活動も多数。
様々な音楽活動を経て、2012年より東京交響楽団ヴァイオリン奏者としてのキャリアをスタート。現在プロオーケストラ奏者としての顔の他に、その経験を生かした多彩な音楽活動を展開している。2014年UNAMASレーベルよりハイレゾリリースした「Four Seasons」では弦楽4のリーダーとしてロングセラーアルバムとなる。

青木篤子 ─ ヴィオラ

青木篤子

桐朋学園大学、同大学研究科を経て、洗足学園音楽大学ソリストコースにて学ぶ。ヴァイオリンを藤井たみ子、故東儀幸、原田幸一郎の各氏に、ヴィオラを岡田伸夫氏に師事。第15回宝塚ベガ音楽コンクール、第2回名古屋国際音楽コンクール、第2回東京音楽コンクールにて、それぞれ第1位を受賞。倉敷音楽祭、ヴィオラスペース、サイトウキネンフェスティバル、東京のオペラの森等に出演。これまでにソリストとして東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団と共演している他、2012年にはオペラシティ主催リサイタルシリーズ「B→C」に出演。またヴェーラ弦楽四重奏団メンバーとしてベートーヴェンの弦楽四重奏ツィクルスに取り組むなど、室内楽の分野でも幅広く活動している。

福崎茉莉子 ─ チェロ

福崎茉莉子

桐朋学園大学音楽学部、同大学研究科修了。2021年7月より東京交響楽団チェロ奏者。 第66回全日本学生音楽コンクール大学の部2位。第26回リゾナーレ室内楽セミナーにて奨励賞受賞。09年度桐朋学園大学音楽学部チェロアンサンブル・サイトウ奨学生。12年度ヤマハ音楽支援制度・音楽活動支援対象者。第4回蓼科クロイツェル音楽祭、野口英世記念ばんだい高原国際音楽祭、第36回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルにゲスト出演。小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト、小澤国際室内楽アカデミー奥志賀、PMFオーケストラに参加。サントリーホール室内楽アカデミー第2期生。第3回サントリーチェンバーミュージック・ガーデンにてカルミナ・クァルテットと共演。これまでに佐藤満、倉田澄子、銅銀久弥に師事。2019年NPO法人トリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール主催の若い演奏家のための弦楽セミナー 受講生。2018年「梯剛之 クァルテット・セレシア/ショパン:ピアノ協奏曲第1番、第2番」(ソナーレ・アートオフィス)をリリース。

北村一平 ─ コントラバス

北村一平

埼玉県出身。2002年東京藝術大学器楽科卒業、05年同大学院修士課程修了。在学中、別府アルゲリッチ音楽祭に参加。2005年、ガウデアムス音楽祭(オランダ)参加、JULIAN YU作曲PENTATONICOPHILIAにてソリストを務める。2006年小澤征爾音楽塾Ⅶ「復活」に参加。コントラバスを永島義男、黒木岩寿、西田直文、山本修、石川滋の各氏に師事。オーケストラから吹奏楽、スタジオワークやミュージカルまで、幅広く活動。東京藝術大学管弦楽研究部非常勤講師を経て2006年に東京交響楽団に入団し、現在に至る。

UNAMAS Strings Quintet

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