Afterglow - ジャズピアノ+弦楽カルテット 24bit/192kHzサラウンド配信アルバム - Synthax Japan Inc. [シンタックスジャパン]
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Afterglow - ジャズピアノ+弦楽カルテット by UNAMAS JAZZ

Afterglow - ジャズピアノ+弦楽カルテット 24bit/192kHzサラウンド配信アルバム

エンジニア/プロデューサーの沢口真生氏が主宰するレーベルUNAMASから、ピアニスト・清水絵里子の最新ソロ作として『Afterglow/Eriko Shimizu and Strings 4』が、2013年7月26日に大手音楽配信から192kHz/24bit・5chサラウンドとステレオの音源でリリースされます。『Afterglow』は、同名のオリジナル曲をはじめ、スタンダードの「Smoke Gets In Your Eyes」(煙が目にしみる)や、ジョージ・ガーシュインの「I’ve Got A Crush On You」など、幅広いジャンルに題材を求めたジャズ・ピアノによるインストゥルメンタル・アルバムです。

今回のレコーディングでも、マイク・プリを始めとしてRME製品がフル活用されています。音響ハウス第1スタジオにて2013年4月末に行われた本作のレコーディングの模様をお届けいたします。

「Afterglow」のレコーディングについて

Mick Sawaguchi

─ Mick Sawaguchi(有)沢口音楽工房 代表 ─(ライナーノーツより)

今回のアルバム「Afterglow」では、以下のコンセプトを実現するため最新の技術を導入したレコーディングとした。

  • ピアニスト清水絵里子のタッチを活かし、立ち上がりや余韻の空間を再現。
  • サラウンドの空間をこれまでの楽器の響きやホールトーンだけでなく、弦楽4を実音としてピアノを取り囲む空間再現をデザインした。

マスタリングでMIXを聞いた清水絵里子の言葉は、大変印象的でやはり演奏家だなあと感じたのでここで紹介したい。「私のピアノの立ち上がりがそのまま記録されているしフレーズを弾き終わった時の空間が持つ緊張感と、次にどんなフレーズを弾こうとしているかがはっきりわかる。ハイレゾは、すごい」

それはレコーディングエンジニアの弁以上に音楽をとらえた言葉であるからだ。そして、私の良きサラウンド制作仲間2LのMortenがこれを聞いて送ってくれた感想、「Mick-san.  WOW - this sounds great! I really love that the strings and the piano is warm yet brilliant and rich」も今回の録音意図が間違いでなかったことを表しているだろう。

今回のレコーディングでの使用機材

使用マイク

マイクロフォン:

Apf
 構成A:sanken co-100k / Mojave Audio MA-301fet
 構成B:Audio Technica AT-4081 / AT-4080
 サラウンドマイク:Audio Technica AT-4050 URUSHI

弦楽4
 オンマイク:Schoeps CMC 55U
 オフマイク:Neumann U-67s 

マイクセッティング(ピアノ)

今回、ピアノの録音には沢口氏の定番であるSANKEN CO-100Kと低域補強用のMojave Audio MA301fetの組み合わせに加え、マイクによりピアノのサウンドがどのように変化するのかという実験的要素も兼ねて、リボンマイクのオーディオテクニカAT-4080と4081の組み合わせが並列に設置、同時に録音されました。リアには、オーディオテクニカAT-4050 URUSHIが使用されました。リボンマイクは、AT-4080を低域、4081をL-RでCO-100Kに並べてセットされました。
沢口氏は当初、リボンマイクはS/Nが良くなく中域中心でゴリッとしたサウンドになるのではと予測したそうですが、「再生してみると大変自然でピアノの前で聴いているような感じに録音できていましたので、正直新しい発見でした」との感想を抱かれたようです。

マイクセッティング(ストリングス)

今回の構成Aおよび構成Bの2組のピアノマイク、7/26にリリースされるアルバムには構成Aが使われているそうですが、沢口氏によると「『リボンマイクとハイレゾ』という表現を楽しんでいただけるよう構成Bでの別バージョン・アルバムのリリースも検討しているのでご期待ください」とのことでした。

弦のパートは、ピアノの録音完了後日を改めてオーバーダブされました。マイクセッティングですが、2chステレオの録音では通常横並びでレイアウトする例が多いところを、今回は、弦パートが360度で取り囲む音場をイメージして、演奏も円周形にしてONマイクが4本、アンビエンスマイク4本をそれぞれ、L-R-Ls-Rsと定位して録音が行われました。

録音システム

マイク・プリ:RME Micstasy

MADI中継:RME MADI Bridge

インターフェイス:Merging HORUS

DAW:Merging Pyramix Native Ver. 8.0

モニタリング用DA変換:RME M-16 DA

今回はピアノ+ストリングスで計16ch、24bit/192kHzでの録音が行われました。ピアノおよびストリングスそれぞれのセッションでの8ch分のマイク入力は、RMEのフラッグシップ・マイク・プリアンプMicstasyでMADIに変換され、MADI Bridgeへと送られます。ここから、メイン録音用としてMerging HORUSへMADIで伝送され、Ravennaに変換されてPyramixのPCヘ送られます。逆にDAWのモニタ音はPyramixからHORUSを経由してMADIでMADI BridgeからM-16 DAへ伝送され、そこでMADIから16chのアナログに変換されてSSLの9000Jをモニタ用ミキサーとして(!)使用し、TAD Proでモニタリングされました。また、バックアップ録音用として、MADI Bridgeから分岐させた1系統を別のPCで受けて、PreSonus Studio One 2.5でも録音されました。

多チャンネルをケーブル一本で伝送でき、かつ複数に分岐させても信号がまったく劣化しないMADIは、今回のようにバックアップも含めたシステムであっても非常に簡潔に設定が行えるため、スタジオに機材を搬入してからセッティングまで、驚くほどスムースに準備が完結しました。スタジオでの限られた時間を最大限に活用できるのも、MADIを導入するメリットと言えるでしょう。

 

「Afterglow」へのオマージュ
長谷川教通(オーディオ評論家、ライナーノーツより抜粋) 

今回のアルバムは192kHz/24ビットのハイレゾサラウンドで収録されている。サンプリング周波数192kHzといえば100kHzまで伸びた高域。24ビットの量子化なら広大なダイナミックレンジ・・・などと、物理的な特性ばかりに注目が集まるが、ハイレゾの本領はピアニストの指先の気配まで聴きとれる情報量にある。
ピアノはフェルトのハンマーで弦を叩いて音を発する。(中略)清水絵里子さんはデリケートなタッチと、絶妙なペダル操作で響きをコントロールし、無限の色彩を書き出す。残念ながらCDではピアノの気配までは再現できない。それがハイレゾだと聴こえるのだ。 

「一音の響きに重きをおくレコーディング」

録音・制作・配信まで一貫して24bit/192kHzで行われた本作品は、「テクニックをひけらかす様なものではなく『音魂』を」というコンセプトのもとに、奏者により繊細に統制された響きを余すことなく取り込んでいます。

Firefaceシリーズなどのマルチ・チャンネルに対応したRMEオーディオ・インターフェイスをお持ちの方は、ぜひとも本作品を体験してください。制作者が意図した本来のサウンドを、ほぼ同じクオリティで体験することができます。

「Afterglow」は、e-onkyo musicおよびHQM Storeにてダウンロード販売されています。

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