RMEが支えるDolby Atmosの最前線スタジオ「Floor 4 Studio」 - Synthax Japan Inc. [シンタックスジャパン]
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RMEが支えるDolby Atmosの最前線スタジオ「Floor 4 Studio」

Floor 4 Studio by Timo Klemm

近年、音楽・映像制作の現場で注目を集めているDolby Atmos(ドルビー・アトモス)。その立体的で没入感あふれる音響は、映像作品や音楽に新たな表現の可能性をもたらしています。そんな空間オーディオの最前線に立つのが、ドイツ・ハンブルクを拠点に活動する音楽プロデューサー / 作曲家 / サウンド・エンジニアのティモ・クレム(Timo Klemm)氏です。

彼が立ち上げたスタジオ「Floor 4 Studio」は、まさにこのDolby Atmos制作を核とした、現代的で柔軟性に富んだクリエイティブ空間です。RMEのMADIface XT IIM-1620 ProADI-2/4 Pro SEといった高性能なオーディオインターフェースを駆使した制作環境は、直感的な操作性と自由度の高いミキシング、ルーティングを可能にし、創造性を最大限に引き出す設計となっています。

本記事では、ティモ氏へのインタビューを通じて、スタジオ構築時に直面した課題や音楽スタジオの現状、RME製品の活用法などについて伺いました。


- デジタル・ミキサー「TotalMix FX」はどのように活用されていますか?

私の制作環境において、「TotalMix FX」はまさに指令塔のような存在です。Dolby Atmosミックス、モニタリング、楽曲制作、ヘッドフォン用のミックスなど、すべてをこのソフトでコントロールしています。

スタジオ内のコンバーター機器は、すべてMADIface XT IIを介して接続され、「TotalMix FX」から直接信号を制御します。AD/DAコンバーターには、M-1620 Proを3台使用しており、柔軟性と豊富な入出力を兼ね備えた環境を実現できました。

TotalMix FXの詳細はこちら

デジタル・ミキサー「TotalMix FX」

- ADI-2/4 Pro SEの導入による効果は?

ADI-2/4 Pro SEも、私のシステムには欠かせない要素です。高品位なヘッドフォンアンプとリファレンス・コンバーターが一体となっており、必要な入出力数もしっかりと確保できています。もしこれがなければ、パッチベイに頼らざるを得ない構成になっていたはずです。

特に、私が使用しているCrookwood製のモニターコントローラーはステレオ入力が限られているため、ADI-2/4 Pro SEの存在がシステム全体の効率を高める重要な要素となっています。

Floor 4 Studio

 

- スタジオではどんな作業が行われていますか?

音楽と音声の録音やミックスを行っています。今日はギターや管楽器、ボーカルの録音をしていて、後ほどナレーターが来る予定です。ここでは本当にさまざまなジャンルの作業が行われています。コロナ禍以降、音声の録音が増えて、音楽の比率はやや下がりましたが、私はどちらも好きなので柔軟に新しいことにチャレンジしています。今後はDolby Atmosの需要がさらに高まると考えていて、ミキシングの可能性が広がるのを楽しみにしています。

 

- スタジオでの日常的な作業内容について教えてください。

ここでは、音楽とボイス録音の両方を行っています。たとえば、今日はギターや管楽器、ボーカルの録音を予定しており、後ほどナレーション収録も行われます。こうした多様な用途に対応できる柔軟性こそが、このスタジオの大きな魅力です。

コロナ禍を経て、以前に比べて音声収録の割合が増加し、音楽制作の比率はやや下がりましたが、どちらの分野も同じように大切にしています。今後は、Dolby Atmosのニーズがさらに高まると考えており、空間的なミキシングの可能性が広がっていくことに大きな期待を寄せています。

 

- 他のクリエイターたちはどのようにスタジオを利用していますか?

音声や楽器の録音に来る方もいれば、スタジオ設備や音響環境を求めてスタジオをレンタルする方もいます。それぞれの目的に合わせて柔軟に対応していますが、やはり私自身が直接制作に関われると、とても嬉しいですね。

スタジオ内には、プロ仕様のボーカルブースとドラムなどのレコーディング・ルームがあり、それぞれ独立した構造になっていて、理想的な音響条件のもとで繊細なサウンド・コントロールができます。ボーカルブースは音声や歌の録音に、レコーディング・ルームはドラム、金管楽器、ピアノ、ギターなど、幅広いジャンルの収録に対応しています。

M-1620 Pro 3台、ADI-2/4 Pro SEを導入

 

- M-1620 Proの魅力とは?

まず挙げたいのは、非常に直感的な操作性です。初めて触ったときも、ほとんど説明書を読むことなく使いこなせました。ネットワーク経由でブラウザ上からルーティング設定ができるのも、実務的には非常にありがたいポイントです。

万が一、クロックの問題や設定の不一致などのトラブルが発生しても、赤いインジケーターが即座に点灯するので、問題の把握がとてもスムーズです。

ちなみに、私が考える理想のコンバーターとは、“音に余計な色を加えず、忠実に伝える存在”であること。サウンドの個性は、チャンネルストリップ、真空管のアウトボード、プラグインといった他の要素で作り込んでいます。

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