HDSPe MADI FX
194イン/196アウト 192kHz トリプル MADI PCI Expressカード
HDSPe MADI FXは、過去20年間のオーディオ・インターフェイスの歴史の中でも確実にマイルストーンとなる製品です。
3つのMADI I/O(オプティカル×2、コアキシャル×1)、AES/EBU×1、アナログ・モニタリング出力×1の194イン/196アウト*、計390チャンネルを搭載し、さらにワード・クロックと4つのMIDI I/Oを加えることにより、コンパクトなスペースに完全な接続性を実現しています。
HDSPe MADI FXは、膨大なオーディオ・チャンネル数を処理すると同時に、従来どおりの低レインテンシー・パフォーマンスを保証するために、新たにHammerfall Pro Audio Coreを搭載しました。この最新鋭のコアは以前のMADIフラグシップ・モデルの3倍のチャンネル数を処理し、さらにシステム負荷をも軽減しています。これにより、最新のコンピューターを使用すれば、レイテンシーを32サンプルまで下げることが可能です(使用するシステム環境によってサンプル数は異なります)。
さらに、192 kHzのRMEエフェクト・エンジンは、TotalMix FXのEQ、コンプレッサー、リバーブ、エコーをカードのハードウェア上で処理し、DAWとは独立してレイテンシー・フリーで動作します。
これほどのハイ・パフォーマンスを誇るマルチチャンネル・オーディオ・システムはこれまで存在しませんでした。
*Pro Toolsで本製品をご使用になる場合はチャンネル数の制限や注意点がございます。詳細は「動作環境」をご参照ください。
* MADIオプティカル端子は標準ではマルチ・モード仕様です。シングル・モードをご希望の場合は「RME MADIシステム構築 ご相談フォーム」、もしくは「 RME Premium Lineディーラー」までお問い合わせください。
HDSPe MADI FXは最小限のスペースにMADI入出力 x 3(オプティカル x 2、コアキシャル x 2)、AES/EBU入出力 x 1、アナログ・モニタリング・ステレオ出力 x 1を搭載し、さらに、ワード・クロック入出力 x 1、MIDI入出力 x 4(MADI経由 x 3、ブレイクアウト・ケーブル経由の5ピンDIN端子x 1)を備えます。コンピューターにはマザーボードのPCIeスロット x 1の他に、ケースに拡張ボードを設置するための空きスロットが1つ必要なだけです。
Hammerfall Pro Audio Coreは、以前のMADIフラグシップ・モデルの3倍のチャンネル数を処理し、さらにシステム負荷をも軽減しています。MADI FXの膨大なオーディオ・チャンネルを処理すると同時に、RMEの伝統である低レインテンシー・パフォーマンスを保証し、最新のコンピューターではレイテンシーを32サンプル*まで下げることが可能です。
Hammerfall Pro Audio Coreは、パフォーマンス・パワーやバンド幅を効率的に利用するために、未使用のチャンネルを無効にするテクノロジーを採用しています。これにより、400近いチャンネルを扱うプロフェッショナル・マルチチャンネル・システムであるにも関わらず、単純なステレオ再生時には、標準的なステレオ・オーディオ・カードと同じパフォーマンス・パワーしか使用しません。
さらに、新しいコア・テクノロジーは、膨大なチャンネル数を効率的に扱うTotalMix FXの特別バージョンを搭載します。パフォーマンスの最適化により、MADI FXの4096チャンネル・ミキサーは、Fireface UFXの1800チャンネル・ミキサーと同等の快適な操作性を実現しています。また新しい高速DSPによって、より多くのEQやコンプレッサーが使用可能です。
TotalMixの革新的なレイアウトは膨大なチャンネル数を人間工学的に扱い、未使用のチャンネルを非表示にするオプションや、非表示設定の保存/切替え機能等を搭載し、例えばドラム・ミックスとフル・バンドのミキサー設定をクリック1つで切替えることができます。
*使用するシステム環境によってサンプル数は異なります
EQ、コンプレッサー、リバーブ、エコーのレンダリングをカード上のハードウェアで直接処理し、レイテンシー・フリーの快適なモニタリングを、DAWとは独立して実現します。 また、TotalMixのマトリックス機能により、HDSPe MADI FXを強力なMADIルーターとして使用できます。各チャンネルを独立してルーティング可能で、ルーティングごとに個々のレベル設定が行えます。どのような特殊なセッティングに対しても、TotalMix FXはそれを実現するための柔軟性と自由度の高さを備えています。
HDSPe MADI FXは、3つのMADI入力を利用して、最先端のセーフ・オペレーション・モードを可能にします。SROモードでは、カードがシングルMADIデバイスとして機能し、残りの2つの入力ソースを利用して冗長性を確保します。最大64チャンネルの録音が可能で、使用中の入力が欠落した際には、即座に残りの2つの入力のうちの1つが使用されます。入力切替えによるオーディオ・データの欠落はありません。また、異なるクロックへ再度ロック/同期する必要もなく、外部要因による損失も数サンプルにまで最小化されます。
MADI FXはオプティカル x 2とコアキシャル x 1の3系統のMADI I/O*を備えます。44.1 / 48 kHzで同時に使用できるMADI入出力は192(入力) / 192(出力)です。96 kHzでは96 / 96、192 kHzでは 48 / 48の入出力が使用可能です。
HDSPe MADI FXが搭載するこのチャンネル数は、あらゆるプロジェクトに対応し、拡張性にも富んでいます。一般的なライブ・セットアップや大規模なスタジオなどでは、長いケーブル(最大2000m)が使えるMADI FXの2系統のオプティカルMADI I/Oで十分ですが、追加のコアキシャルMADI I/Oにより、様々なセットアップに柔軟に対応することができ、両フォーマット間の変換も容易に行えます。
*オプティカル・コネクターはマルチモードのSC業界標準です。コアキシャルMADI I/Oは75ΩのBNC端子です。
HDSPe MADI FXは、RMEの低レイテンシー・コンバート技術を搭載したリファレンス・クオリティーのアナログ・ステレオ出力を備えます。ハイまたはロー・インピーダンス・ヘッドフォンで最適に利用できます。
また、TotalMixの強力なモニタリング機能により、入力チャンネル / 録音されたチャンネル / 複雑なサブミックス等をすべて試聴することができます。優秀なCue機能を使って最大98ものステレオ・サブミックスをクリック1つでモニタリング可能です。
MADI I/Oしか搭載しないオーディオ・インターフェイスの場合、他のデジタル・フォーマットへの変換や単純な同期接続を行うには、別に高価なマルチチャンネル・コンバーターが必要になります。MADIを使用するユーザーは通常AES/EBUデバイスも所有していて、これらの機器もDAWと簡単に接続できることを望んでいます。
そのため、HDSPe MADI FXはプロフェッショナルAES/EBUフォーマットのデジタルI/Oを搭載し、ブレイクアウト・ケーブル経由で利用できます。これにより2つ目のモニタリング出力や、トークバック・セットアップなどを、シンプルなAD/DAコンバーターを接続して追加できます(例:RME ADI-2)。別途高価なMADI > AES/EBUインターフェイスを用意しなくても、デジタル・エフェクト機器を接続することも可能です。
また、AES/EBU I/Oは同期にも使用できます。例:Nuendo Sync Station(Steinberg社のクロック同期デバイス)
HDSPe MADI FXは4系統のMIDI I/Oを搭載します。
RMEのMADI製品は一本のMADIケーブルで64オーディオ・チャンネルを伝送しますが、さらに標準のMIDI信号も同時に伝送します。HDSPe MADI FXも例外ではなく、各MADI I/OのOS内にすべてのMIDIプログラムからアクセス可能な1系統のバーチャルMIDI I/Oを保有します。
MIDI信号はMADIデータと同じケーブルを通して不可視送信されます。ケーブルの先で受信したMIDI信号はRME MADIデバイスを通して標準のMIDI DIN端子からプレイバック可能です。
MADI経由のMIDIを使用してRME MADIデバイスのモニタリングやデバイス設定を遠隔操作できます。これにより、例えばFOHとステージ等の離れた場所にコンピューターとMADIデバイスがある場合にも、リモートでMADI信号を伝送しながらデバイスを制御できます。
各ユニットにIDを割り当てて、1つのMIDIチャンネルで複数のデバイスを制御することも可能です。
RMEはすべてのRME MADIデバイスを制御可能な付属のWindows / Macソフトウェア「MIDI Remote」を用意しています。MIDI Remoteはシステム内のすべてのMIDIポートを利用でき、接続されたすべてのデバイスを制御しモニタリングを行えます。MIDI Remoteソフトウェアは、フロントパネルに似た操作ディスプレイと、拡張マトリックス・ディスプレイの2つのディスプレイを利用できます。
接続性に優れたMADI FXはターミネーションを切替可能なワード・クロックI/Oを搭載します。多くのMADIデバイスは同期用のワード・クロックやAES/EBU接続を必要としますが、MADI FXはMADI信号から直接リファレンス・クロックを抽出してジッターを最小限に抑えるSteadyClockテクノロジーを搭載し、これにより長距離接続を容易にしています。ワード・クロック入力は自動的にシングル、ダブル、クワッド・スピードを切替えて信号を処理します。
新しいMADI PCI Expressプラットフォームの心臓部には、ハイエンドのデジタル・コンソールに匹敵する内部解像度48bitのDSPベースTotalMix FXハードウェア・ミキサーがあります。すでにライブ・ギグのミックスなどでデジタルFOHミキシング・コンソールの代わりとして活躍するRME Fireface UFXと同等の機能群を備え、さらにMADI FXの膨大なチャンネル数と追加のルーティング・オプションが利用できます。
さらに新たにリリースされたTotalMix Remoteを併用すると、イーサネットや無線LANを用いてRMEオーディオ・インターフェイスのすべてのミックス状態、ルーティング、FX設定、そしてレベルメーターをリアルタイムでiPadやコンピューターに表示し、コントロールすることができます。
HDSPe MADI FXはFireface UFX / UCXと同じ192 kHzエフェクト・エンジンを搭載します。400チャンネルものチャンネル数に対して、可能な限り高品質のエフェクトを追加するために、RMEは強力な最新世代のFPGAを採用し、DSPアルゴリズムの効率性をさらに追求しました。 これらのパフォーマンス改善により、MADI FXの4096チャンネル・ミキサーは、チャンネル数のより少ないRMEユーザー・インターフェイスと同等の快適な動作を約束します。
すべての入出力チャンネルは本格的なデジタル・コンソールに匹敵する機能群を備えています。3バンド・パラメトリックEQ、調整可能なロー・カット、オート・レベル、コンプレッサー、エキスパンダー、MSプロッセシング、位相反転等のエフェクトをチャンネルごとに搭載し、リバーブとエコー・エフェクトはステレオ・センドとリターン・バスよりすべてのチャンネルで利用可能です。さらにHDSPe MADI FXは、192 kHz動作時もこれらのエフェクトをすべて利用できます!
完全なエフェクト・セクションは、レコーディング・システムに柔軟性を加えると同時に、レイテンシーの大きいソフトウェアからも解放してくれます。TotalMixは外部ミキサーの代わりとして、スタジオのメイン・モニターや、レコーディング・ルームのボーカルのヘッドフォンにEQやリバーブを加え、レイテンシーのないモニター・ミックスを作成できます。 FXのDSPは自動でオーバーロードを監視するため、DSPがオーバーロードすることはありません。処理能力の限界でエフェクトを追加できない場合は、TotalMix上に明示されます。また、サンプル・レートを上げたことにより処理能力を超えてしまう場合は、自動的に超える分のエフェクトが無効になります。これにより、歪みによるスピーカーへの損傷を防ぎます。すべてのレベル・メーターのRMSとピーク・レベルはDSPハードウェアで計測されるため、ホストへのCPU負荷はありません。
ライブやスタジオなどで常に390チャンネルの全体像を見渡す必要があっても、必ずしもすべてのチャンネルを表示したくない場合に、TotalMix FXは便利なチャンネル・マネージメントを提供します。
TotalMixにはいくつかのミキサー・ビューを同時に表示する優秀なマルチ・ウィンドウ機能が搭載されていますが、1列に196ものチャンネルがある場合は、特別なインターフェイス・デザインが必要です。例えば、1/2チャンネルと191/192チャンネルのミックスダウンを同時に確認したい場合、常に画面を交互にスクロールする必要があり、一度に1つの画面でこれらを表示できません。
これはHide(非表示)機能で解消できます。すべてのチャンネルは個別に非表示にすることができ、Hideのセットアップ内容はいつでも保存/ロードが行えます。
例:73〜85チャンネルにドラム・セットのアナログ信号、110〜114に打ち込みのドラム・サウンドの信号があるとします。Hide機能はマウス・クリック1つで他のチャンネルをすべて非表示にし、ドラム・ミックスだけを表示させることができます。110〜114チャンネルの電子生成されたドラム・サウンドと73〜85チャンネルのドラム・セットの信号がすべて同じウィンドウで途切れなく並びます。
Hideは接続されたMIDIリモート・コントロール機器に合わせてチャンネルを取捨選択することもできます。これにより、196チャンネルの中から好みのチャンネルを選択してコントロールすることができます。フェーダーが少ないリモート機器でも、チャンネル設定を切替える必要がありません。
194入力、196再生チャンネルはすべて196のハードウェア出力に対して自由にルーティングできます。この優れた機能によりオーディオ・カードにこれまで搭載されたことのない最も強力なルーター/ミキサーが実現し、オーディオ・インターフェイス以上の機能を提供します。
応用例:
MADI FXはライブ/スタジオ・セットアップのMADIルーターとしても利用できます。TotalMixの設定は自在に行えます。優秀なTotalMixチャンネル・マトリックスはハードウェアのルーターと比較しても、明確なユーザー・インターフェイスを提供し、マウス・クリック1つでルーティングやセットアップを瞬時に作成/変更できます。
TotalMixは最新のスタジオやライブ・ミキシングのモニタリング環境で必要な機能をすべて搭載します。ディム、ソース選択、モニター切替え、統合されたトークバック機能、柔軟なキュー設定、ミュート/ミュートFX、モノ、スピーカーB切替えなど、数多くの機能を備えます。
TotalMixの主な機能はMackie Control対応コントローラーを使用してMIDI経由でリモート・コントロール可能です。さらに、TotalMixはApple社のiPadを使用して、Mackie Control エミュレーターApp、スタンダードMIDIコマンド、OSC(TouchOSC、Lemurなど)経由でリモート・コントロールできます。これによりワイヤレスで快適にTotalMixの主要パラメーターをコントロール可能です。
デジタル信号にはサンプリング・クロックの時間的なゆらぎによるジッターが生じます。その抑制こそがデジタルオーディオ機器の大命題とされています。
Steady Clockはすべてのクロックに対して驚異的なジッター抑制を行います。Steady Clockはいかなるクロックもリフレッシュして抜群の再生クオリティーを保つだけでなく、理想的な基準クロックとしてすべてのデジタル出力から送信できます。
ほとんどのMADIベースの機器が追加のワードクロックやAES回線を必要とする中、HDSPe MADIは、Steady ClockでMADI信号から直接リファレンスクロックを最小限のジッターで抽出しますので、長距離接続をより一層便利に行えます。
クロック状態を表示し、万が一外部ソースが失敗した場合は最後に有効なサンプル・レートを維持します。さらにRMEのSyncCheckテクノロジーが瞬時にクロックの問題を検知します。
DIGICheck はデジタル・オーディオ・ストリームの計測、解析を行うために開発されたRME 独自のユーティリティーです。RMEオーディオ・インターフェイスに標準で付属しています。以下は現在利用可能な機能概要です:
RMEのフラッシュ・アップデートテクノロジーにより、既存のファームウェアを更新させる事が可能。機能拡張、調整、修正させることができ、常に最先端のOSやその他のソフトウエア環境に対応させることが可能です。
Settings画面では、HDSPe MADI FXの機能をストレスなくコントロールすることができ、様々なステータスを単純かつ明確に表示します。
複数のデジタルソースが接続されている際、それぞれが正確にロックし同期されていることは必修です。RMEのSyncCheck機能はすべての入力信号をチェックしそれらのステータスを表示します。また最新のIntelligent Clock Controlによってすべてのクロックとステータスを簡単にコントロールすることができます。
すべての設定は、リアルタイムで反映されますので、アプリケーションを再起動したり、OKのクリックやダイアログを閉じる必要はありません。
さらにサンプルレートは、2つのフェーダーで +/- 4% と +/- 0.4% の範囲内で自由にリアルタイム設定できます。
Hammerfall DSP Settings (および、TotalMix)の設定は、メモリに保存されますので、これらすべての設定は、コンピューターを再起動しても保持されますので毎回設定し直す必要はありません。
入力 |
|
MADI
AES/EBU
|
ワード・クロック
|
出力 |
|
MADI
AES/EBU
|
ワード・クロック
アナログ出力(ステレオ・フォン)
|
デジタル |
MIDI |
|
|
※仕様は予告なく変更になる場合がございます。
RME社製MADI製品およびAVB製品を含むPremium Lineシリーズは、開発に際して多くのメーカーとの互換性を最大限に考慮し、事前の互換性検証を長年に渡って行っております。よって多くのメーカーの製品と安心してシステムを構築することができます。互換性未検査製品との互換性をお約束するものではございません。システム導入をご検討の場合は、事前に互換性のテストを行って頂くことをお勧めいたします。検証機の貸出につきましては、法人窓口から承っております。
※ オーディオ・アプリケーションの動作環境に従った十分なCPUとメモリが必要です。
※ WindowsとMac OS X両ドライバーは同一の機能を提供します。ただし、Mac版では現時点でGlobal Record等のいくつかのDIGICheckの機能で利用できないものがあります。DIGICheckについての詳細はダウンロード/ツール/DIGICheckページをご覧下さい。
※ 製品同梱物はこちらをご確認ください。
HDSPe MADI FX用 MADIオプティカル拡張ボード
OPTO-Xは、HDSPe MADI FXカードに標準搭載のコアキシャルMADI I/O拡張ボードの代わりとして使用できる、MADIオプティカルI/O拡張ボードです。
HDSPe MADI FX標準のコアキシャル拡張ボードが備えるワード・クロック入出力やMIDI、AES入出力用のD-Sub端子のすべての機能を搭載し、コアキシャルMADI入出力をオプティカルMADI入出力に置き換えます。これにより3系統のオプティカルMADI I/OをHDPSe MADI FXに搭載することができます。
OPTO-Xの主な特長:
※ 製品にHDSPe MADI FXメインボードは含まれません。