Microsoft社は、以前からARM CPU向けのWindowsバージョンを提供していましたが、特にオーディオ業界ではこれまであまり注目されてきませんでした。 しかし、2024年に状況に変化があり、Qualcommの最新チップセット「Snapdragon X」を搭載したARM WindowsのノートPCが登場し、さらにMicrosoftが高性能なエミュレーションを提供したことで、従来の標準的なWindowsアプリもARM WindowsのノートPCで快適に動作するようになりました。
ただし、オーディオ関連では事情が少し異なります。このエミュレーションはオーディオ・インターフェイスのドライバーでは機能しないため、プロフェッショナルなオーディオ・インターフェイスを使用するには、ARM Windows 11に対応したWDMおよびASIOドライバーが必要となります。そこでRMEは、x64 Intelコンピューターと最新のSnapdragon X搭載のARM Windowsノート PCの両方で動作する、MADIfaceおよびUSB シリーズ用ドライバーを公式リリースしました。
RMEは、このARM Windowsに対応したドライバーについて、単なるベータテスト版ではなく、すべてがスムーズに動作する正式版として、いち早くお届けすることに最善を尽くしました。最新のドライバー機能とTotalMix FXによる100%の互換性を実現しています。
このドライバーは2009年発売のFireface UCをはじめ、RMEがこれまでに開発したすべてのUSBオーディオ・インターフェイス(27機種以上)をサポートします。そのため、新たにSnapdragon XにおけるArm Windowsの性能を試したい方にとって、RMEオーディオ・インターフェイスが制約となることはありません。
USBシリーズ・ドライバー:
Fireface UC / Babyface / Babyface Pro / UFX / UCX / UCX II / 802 / 802 FS
MADIfaceシリーズ・ドライバー:
MADIface XT / XT II / USB / Pro、Fireface UFX+ / UFX II / UFX III、OctaMic XTC、ADI-2 Pro/AE/FS/DAC、ADI-2/4 Pro、Digiface USB / AVB / AES / Dante
USBシリーズ・ドライバー1.270およびMADIfaceシリーズ・ドライバー1.0は、新たに64bitドライバーとしてリリースされました。これらは最新の Microsoftツールを使用し、Microsoftガイドラインに従ってコンパイルされており、Windows 11のIntelおよびARMコンピューターの両方で動作します。最小動作要件はWindows 10以降(バージョン1709)です。これらのドライバーは32bit版Windowsには対応していませんが、32bitアプリはx64システムで使用可能です(標準のWindows互換機能)。
WDMとASIOの両方をサポートしており、ARM環境では、ASIOには32bitおよび64bitとARM64ECおよびARMネイティブ対応の両方に対応します。インストーラーも完全に刷新され、現在のファイルをC:\Program Files\RME\MADIfaceまたはC:\Program Files\RME\Firefaceにコピーする仕様になりました。
Intel環境では、従来のドライバーと新しいドライバーを簡単に切り替えられ、問題なく動作します。
さらに、新しいインストーラーにより、初回インストール後の再起動が不要になりました。今後のアップデート時にも再起動は必要ありません。TotalMix FXとSettingsダイアログは通知領域に即座に表示され、すぐに使用できます。ただし、現在のドライバーから新しいx64/ARM版ドライバーへ変更する際には、手動での再起動が必要になる場合があります。
ドライバーを完全にアンインストールするには、meininstaller.exe(ドライバーアーカイブ内)を起動し、「Uninstall」を選択してください。なお、この新しいx64/ARMドライバーから、Windowsの「アプリと機能」(旧:プログラムの追加と削除)からのアンインストールはサポートされなくなりました。
Snapdragonにおけるパフォーマンスについて、現時点での注意点として、ARM上の一部のオーディオ・アプリケーションでは、「最適なパフォーマンス(Best Performance)」ではなく「最適な電力効率(Best Power Efficiency)」を選択することで、1024 サンプル以下のレイテンシーが使用できる場合があります。ただし、これは主に「CPU負荷の低いアプリ」にのみ該当する可能性があり、今後さらなる検証が必要です。なお、この挙動はドライバーの影響ではありません。現在のPCでは、たとえばReaperやCubaseは256サンプルのバッファ・サイズでクリックノイズなしの動作が可能です。
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Fireface UCX II |
Babyface Pro FS |
ADI-2/4 Pro SE |
20入力/20出力 |
12入力 / 12出力 モバイルUSB |
AD × 2ch / DA × 4ch |
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Fireface 802 FS |
Fireface UFX II |
Fireface UFX III |
30入力 / 30出力 192 kHz対応 |
30入力/30出力 192 kHz対応 |
94入力/94出力 192 kHz対応 |
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