RMEはこの度、同社初となる「Milan®」認証ファームウェアをリリースします。
Milanは、IEEE®標準規格に基づき、異なるメーカーのMilan対応機器間でシームレスな相互運用性を保証するAVB/TSNというネットワーク技術のひとつです。
これまでもRMEのAVB対応機器はMilanに互換性がありましたが、今回のファームウェア・アップデートによりMilan準拠となります。そのため、Milan対応機器との連携による最大限の利便性を実現し、将来的に利用可能なデバイスの選択肢もさらに広がります。
12Mic(ファームウェア2.0.0以降)に始まり、M-32 AD Pro II、M-32 DA Pro II、M-32 AD Pro、M-32 DA Pro、AVB Tool、M-1610 Proの7製品のMilan認証ファームウェアが順次公開され、AVNU®認証リストに追加される予定です。
対象のRMEデバイスは、無償のファームウェア・アップデートが提供されます。
Milanはネットワーク・オーディオ技術AVBの規格のひとつで、AVNUアライアンスによって策定されました。
AVB(Audio Video Bridging)はFireWireやLAN(IEEE802)などの規格を開発したIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)によって制定された規格で、イーサネットのネットワーク内で、オーディオ、ビデオの伝送を行うために開発されたネットワーキング技術です。しかし、AVBはオーディオ、ビデオに限らず幅広い用途で利用が可能なため、使用用途に応じたフォーマットなどの互換性が問題となることがありました。
Milanでは厳格なフォーマットの統一をすることでこのような互換性の問題を解決します。Milan対応機器同士の完全な互換性を保証し、信頼性の高い相互運用を提供します。
MilanおよびそのベースとなるAVB/TSNは、他のネットワーク・オーディオ技術と異なり、AVB対応のネットワーク・スイッチングハブを使用します。このスイッチングハブは、オーディオ・ストリームのタイムスタンプとレイテンシー測定に重要な役割を担い、特定のポート間で流れるオーディオ・ストリームを認識します。デバイスが接続されると信号を伝送する帯域幅があらかじめ確保されるため、他のネットワーク・オーディオ技術で行うようなスイッチングハブの複雑な設定や専門的知識を必要とせず、システムの規模に関わらずセットアップが容易に行えます。また、オーディオ品質に影響を与えることなく、同じネットワーク上であらゆる種類の通信を確実に一貫した低遅延で処理することができます。
さらに、MilanにはIEEE 1722.1 ATDECCというオープン規格も含まれており、接続の制御だけでなくオーディオ・デバイス全体の制御も可能です。このオープン規格を利用してd&b audiotechnik社とL-Acoustics社が共同開発した「Milan Manager」を使用することで、直感的でわかりやすい操作が可能です。
AVNUアライアンスおよびMilanに関する詳細は、AVBインフォメーションもしくはavnu.org/milan(英文)をご覧ください。
製品のファームウェア・アップデートについては、ダウンロード・セクションをご確認ください。