HDSPe RayDAT
36チャンネル 192kHz ADAT . AES/EBU PCI Expressインターフェイス
製品概要
HDSPe RayDATは、レコーディングからマスタリングまでの幅広い用途に対応するハイエンドクオリティーのマルチチャンネル、マルチフォーマット、マルチタスクのオーディオインターフェイスです。ハードウェアと録音/再生デバイスをそれぞれに搭載することで、SPDIFとAES/EBUを同時に使用することを可能にしています。HDSPe RayDATは、ADATオプティカル入出力を4系統に加え、SPDIF入出力、AES/EBU入出力を各1系統、およびMIDI入出力を2系統を装備し、RMEが誇るSteadyClockによる高性能ジッター抑制機能、MIDIリモートコントロール制御対応DSPベースのリアルタイムミキサー/ルーター「TotalMix」を搭載します。
HDSPe RayDATは、HDSP 9652の後継機種にあたるPCI Expressインターフェイスです。PCI Expressのアドバンテージを最大限に活用した設計でマルチトラックのオーディオにおいて最大のパフォーマンスを実現しています。
主な機能
- 最大36入力と36出力をすべて同時に使用可能
- ネイティブPCI Express:PCI - PCI Expressブリッジは使用されていません
- S/MUXサポート:24ビット/96kHzでADAT16チャンネルの録音/再生
- 全ての設定をリアルタイム変更可能
- 8段階のバッファーサイズ/レイテンシー設定:0.7 / 1.5 / 3 / 6 / 12 / 23 / 46 / 93 ms
- オート&インテリジェントなマスター/スレーブクロック制御
- TotalMixを使ったレイテンシーの無いサブミックス、および完全なASIOダイレクトモニタリング
- サンプル単位の正確な配列を保障し、チャンネル間のスワッピングを防止するSyncAlign
- 入力信号の同期状態を監視し、結果を表示するSyncCheck
- 高速MIDI入出力 x2系統
- DIGICheck DSP:ハードウェア内のレベルメーター、ピーク/RMS表示、デジタルオーディオ解析、マルチチャンネルレコーダー
- TotalMix:内部処理42ビット 2592チャンネルミキサー
- SteadyClock:ジッター抑制。抜群の安定度を誇るデジタルクロック
- Quick Bootテクノロジーによりハードウェア設定を瞬時にロード
入出力
- ADAT入出力 x 4系統(S/MUX4サポート:192kHz)
- SPDIF入出力 x 1系統(192 kHz対応)
- AES/EBU入出力 x 1系統(192 kHz対応)
- MIDI入出力 x 2系統(ブレイクアウトケーブル経由)
- オプション:ワードクロック入出力(WCM)
- オプション:TDIF入出力(TEB)
主な特長
PCI Expressインターフェイス
HDSPe RayDATは、既存のPCIテクノロジーをPCI Expressへ対応させただけではなく、新たに開発された正真正銘のPCI Expressソリューションです。この新しいフォーマットのアドバンテージを最大限に利用し、マルチトラックオーディオにおいて飛躍的なパフォーマンスを実現しています。
PCI Expressは、Point-to-Pointコネクションであるため、バンド帯域を他と共有することなく、2点間のデータ転送を行うことができます。
PCI Express Base Specification v.1.1がベースのHDSPシステムPCI Expressインターフェイスは、1レーンPCI Expressエンドポイントデバイスで、2.5Gbpsのラインスピードに対応します。バンド幅は5Gbpsで、従来のPCIの3〜4倍にあたります。パケット・ベースのフル・デュプレックス・コミュニケーション(全二重通信)により、各方向につき最大500〜200 MB/sの伝送レートを提供します。
デジタルI/O
ADATオプティカルI/Oは、インサートとして利用するエフェクトデバイスをはじめ、ミキシングコンソール、その他外部コンバーター等に接続可能。Micstasy、DMC-842、ADI-8 QS、OctaMic IIを別途利用することで、最大32チャンネルの入出力環境を装備させることもできます。 AES/EBUもサポートするSPDIFコアキシャルI/Oは、192kHzまで対応。SPDIF信号をオプティカル入出力に切り替える事もできます。
CPU負荷ゼロ
HDSPe RayDATは搭載される多くの機能をハードウェア上のDSPで行います。これによってマルチチャンネルの録音、再生時でもCPUに負荷を与えず、ストレスのないオペレーションを実現しています。
低レイテンシー設計
HDSPシリーズは、サンプルバッファの概念では不可能とされていた驚異的、圧倒的な低レイテンシー設定を実現したことで、その地位を確立しました。コンピューターベースの音楽製作、収録環境において、必ず発生するレイテンシー(音の遅れ)を8段階で設定可能。最小0.7msまで抑えることができます。
S/MUX、S/MUX4対応
HDSPe RayDATはS/MUX、およびS/MUX4に対応しています。48kHzでADAT32チャンネル入出力、96kHzで16チャンネル入出力、192kHzで8チャンネル入出力に対応します。
プロオーディオ&ホームオーディオ
HDSPe
RayDATは様々なデジタル機器との互換性が持てるように最適化されています。これによって、業務用デジタル機器との接続はもちろん、ホームシアターシ
ステムやステレオシステムとPCを接続し、PCからDolby
AC-3、DTSフォーマットのDVDをサラウンドで再生したり、PC上の音楽データをトップクラスのクオリティーで音楽鑑賞を楽しむことができます。
DSPミキサー
DSPベースでコンピュータのCPUに負荷をかけない、RME独自のTotalMix技術に基づいたパワフルなデジタルリアルタイムミキサー「TotalMix」を装備。
全 36入力と36プレイバックチャンネルは物理的な36の出力へ自由にルーティング/ミックスでき、合計で2592通りのルーティングを可能にします。ルーティングのコピー&ペースト、フェーダーの同時操作やグルーピング、操作性に優れたマトリックス画面など、様々な機能を装備します。ミキサーは完全 MIDIコントロールも可能。さらに全オーディオチャンネルに搭載されるRMS、ピークレベルメータはDSPハードウェア処理によってCPUへの負荷をかけません。
HDSPe RayDATは、PCIカード史上もっとも強力なルーター/ミキサーを搭載することにより、コンピュータのI/O機器として以上の使用用途を提供します。
- 42bit精度でDSP処理される内部ミキサー
- 外部ミキサー、ケーブル接続なしで、入力/再生全チャンネルをゼロレイテンシーミキシング
- ディレイなしのサブミックス作成(ヘッドフォンミックス)
- ルーティング設定のコピー[&]ペースト、フェーダーのグルーピング機能、マトリックスウィンドウ
- 無制限の入出力ルーティング(自由な活用とパッチベイ機能) :計2592通り
- ゼロCPUロード
- マトリックスウィンドウでのワンクリック・ルーティング
- MIDIコントローラーからのコントロール(スタンドアローンでも対応):Mackie Controlプロトコル
TotalMix FX
さらに新たにリリースされたTotalMix Remoteを併用すると、イーサネットや無線LANを用いてRMEオーディオ・インターフェイスのすべてのミックス状態、ルーティング、FX設定、そしてレベルメーターをリアルタイムでiPadやコンピューターに表示し、コントロールすることができます。
TotalMix Remote
ジッター抑制機能「SteadyClock」
デジタル信号にはサンプリング・クロックの時間的なゆらぎによるジッターが生じます。現在その抑制こそがデジタルオーディオ機器の大命題とされています。
SteadyClock™はすべてのクロックに対して驚異的なジッター抑制を行います。SteadyClock™はいかなるクロックもリフレッシュして抜群の再生クオリティーを保つだけでなく、理想的な基準クロックとしてすべてのデジタル出力から送信できます。
フラッシュ・アップデートによるハードウェアの更新
RMEのフラッシュ・アップデートテクノロジーにより、既存のファームウェアを更新させる事が可能。機能拡張、調整、修正させることができ、常に最先端のOSやその他のソフトウエア環境に対応させることが可能です。
3台までの同時使用
HDSPe RayDATシリーズは、1台のコンピュータで最大3台のHDSP/HDSPeカードを同時使用することができます。 よって様々な組み合わせで複数のカードを併用することが可能です。
組み合わせ可能な製品
- HDSPシリーズ: HDSP AES-32、HDSP MADI、HDSP 9652、HDSP 9632、Multiface AE
- HDSPeシリーズ: HDSPe PCI、HDSPe MADI、HDSPe MADIface、HDSPe ExpressCard、HDSPe AES、HDSPe AIO
設定画面「Hammerfall DSP Settings」
Hammerfall Settings画面では、HDSPe RayDATの機能をストレスなくコントロールすることができ、様々なステータスを単純かつ明確に表示します。
複数のデジタルソースが接続されれている際、それぞれが正確にロックし同期されていることは必修です。RMEのSyncCheck機能はすべての入力信号をチェックしそれらのステータスを表示します。また最新のIntelligent Clock Controlによってすべてのクロックとステータスを簡単にコントロールすることができます。
すべての設定は、リアルタイムで反映されますので、アプリケーションを再起動したり、OKのクリックやダイアログを閉じる必要はありません。
さらにサンプルレートは、2つのフェーダーで+/- 4% と +/- 0.4% の範囲内で自由にリアルタイム設定できます。
Hammerfall DSP Settings (および、TotalMix)の設定は、メモリに保存されますので、これらすべての設定は、コンピューターを再起動しても、保持されますので毎回設定し直す必要はありません。
オーディオ解析&マルチチャンネルレコーダー「DIGICHECK」
DIGICheck はデジタルオーディオストリームの計測、解析を行うために開発されたRME独自のユーティリティ。マルチクライアントASIOホストとして動作するため、 WDM、ASIO、GSIFなどどんなソフトウェアとでも入出力共に併用使用することができます。(Windowsのみ)
- Level Meter:
ピークレベル測定、RMSレベル測定、オーバー検知、位相相関測定、ダイナミックレンジ測定、S/N比測定、RMS/Peak 差(ラウドネス)測定、継続Peak測定、入力チェック0dBFS以上のレベル用オーバーサンプリング・モード。24bit、2/8/18ch対応。
- Hardware Level Meter:
レベルメーター。Hammerfall DSPのハードウェアで計算処理されるためCPU負荷はほぼゼロ。
- Spectral Analyser:
アナログ・バンドパスフィルターを使用した独自の10/20/30 バンド表示。192kHz対応。
- Vector Audio Scope:
オシロスコープ。真空管の典型的な残像を表示するユニークな角度計。対比メーターとレベルメーター付。
- Totalyser:
Spectral Analyser、レベルメーターおよびVector Audio Scope が一つのウィンドウ機能に。
- Bit Statistics & Noise:
オーディオ信号の実際の解像度、エラーやDCオフセットを表示。dB/dBA単位のSN比およびDC計測機能付。
- Channel Status Display:
S/PDIFおよびAES/EBUチャンネル・ステータス データの詳細な分析と結果表示。
- Completely Multi-client:
計測ウィンドウはすべてのチャンネルで入出力に関わらずいくつでも開くことができます。
Global Record:
モノラル、ステレオ、マルチチャンネルレコーダー。入力、出力ソースの録音に対応
同梱物
HDSPe RayDAT 拡張ボード (14pin フラット・ケーブル)
オプティカル・ケーブル(TOSLINK)x 2 本
シンク・ケーブル(CD ドライバ他内部接続用)x 1 本
9pin D タイプ・アダプター・ケーブル(HDSPe RayDat)(BO968)
MIDI ブレイクアウト・ケーブル(ミニ Din)(BOHDSP9652MIDI)
HDSPe RayDAT 日本語ユーザーガイド
HDSPe シリーズ・セットアップガイド
DIGICheck 日本語ユーザーガイド
技術仕様
AES/EBU入出力
- 1 x XLR、トランスバランス型、ガルバニック絶縁、AES3-1992に基づく
- 高感度入力部 (< 0.3 Vpp)
- SPDIF対応 (IEC 60958)
- コンシューマー/プロフェッショナル両形式に対応、コピープロテクションは無視
- ロック範囲: 27 kHz〜200 kHz
- ジッター抑制: > 30 dB (2.4 kHz)
- 入力信号同期時のジッター: < 1 ns
- 出力レベル 4.0 Vpp
- 出力形式:プロフェッショナル AES3-1992訂正4に基づく
- シングルワイア・モード、サンプリングレート28 kHz〜200 kHz
SPDIF入出力
- 1 x RCA、トランスバランス型、IEC 60958に基づく
- 高感度入力(< 0.3 Vpp)
- AES/EBU互換 (AES3-1992)
- コンシューマー/プロフェッショナル両形式に対応、コピープロテクションは無視
- ロック範囲: 28 kHz〜200 kHz
- ジッター抑制: > 30 dB (2.4 kHz)
- 入力信号同期時のジッター: < 3 ns
- 出力レベル:プロフェッショナル2.3Vpp、コンシューマー1.0Vpp
- プロフェッショナルフォーマット:AES3-1992訂正4に基づく
- コンシューマーSPDIFフォーマット:IEC 60958に基づく
- シングルワイヤ・モード、サンプリングレート28 kHz〜200 kHz
ADATオプティカル入出力
- 4 x TOSLINK、Alesisの仕様に基づく
- 標準: 32チャンネル 24 bit、最高48 kHz
- ダブルスピード(S/MUX): 16チャンネル24 bit / 96 kHz
- クアドスピード(S/MUX4): 8チャンネル24 bit / 192 kHz
- Bitclock PLLにより、バリピッチにおいても完全な同期
- ロック範囲:31.5 kHz〜50 kHz
- ジッター抑制:> 30 dB (2.4 kHz)
- 入力信号同期時のジッター:< 1 ns
- ダブルスピード(S/MUX): 16チャンネル24 bit / 96 kHz
- クアドスピード(S/MUX4): 8チャンネル24 bit / 192 kHz
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ワードクロック入出力 (オプション)
- BNC、非ターミネーション (10 kΩ)
- 自動ダブルスピード検知とシングルスピードへの内部変換
- ネットワーク上のDCオフセットに影響されない過剰電圧保護
- レベル範囲: 1.0 Vpp〜5.6 Vpp
- ロック範囲: 28 kHz〜200 kHz
- ジッター抑制: > 30 dB (2.4 kHz)
- 入力信号同期時のジッター: < 3 ns
- 最大出力レベル:5 Vpp
- 出力レベル@ 75 Ωターミネーション : 4.0 Vpp
- 出力インピーダンス:10 Ω
- 周波数帯域: 28 kHz〜200 kHz
デジタル
- クロック設定: 内部クロック、ADAT入力、SPDIF入力、AES入力、オプションでワードクロック入力
- 低ジッター設計:< 1 ns PLLモード、全入力
- 内部クロック: 800 ps ジッター、ランダム・スペクトラム拡散
- 外部クロックのジッター抑制値:> 30 dB (2.4 kHz)
- 100ns以上のジッターでもPLLによりドロップアウトゼロを保証
- Bitclock PLLによりADAT動作の可変速度時(バリ・ピッチ)においてもトラブルフリー
- 対応サンプルレート: 28 kHz 〜 200 kHz
- PCI Express Base Specification v1.1
- 1レーンPCI Expressエンドポイントデバイス(PCI Express - PCI Bridgeではありません)
- 回線速度 : 2.5 Gbps
- パケットベースの全二重通信(転送速度最大500MB/s)
MIDI
- 5ピンDINジャック/2 x MIDI入出力
- PCIeバスに基づく高速オペレーション
- 独立した128byteFIFO入出力
- ハードウェア内蔵のMIDI state machineによる割り込み要求の負荷削減
一般
- RoHS指令 対応済
- ISO 9001認証
- CE認定
- FCC認定
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※仕様は予告なく変更になる場合がございます。
動作環境
Windows
- PC-Express規格の空きスロット x 1 (同梱拡張ボード使用時は空きスロットx2)
- デバイス・ドライバ:ASIO、WDM(すべてマルチクライアント対応)。最新のOS対応状況は - Windowsドライバ - をご確認ください
※ オーディオ・アプリケーションの動作環境に従った十分なCPUとメモリが必要です
アクセサリ
NTCB-XT:スイッチングACアダプタ
NTCB-XT:スイッチングACアダプタ