モバイルPC向け USB MADIインターフェイス
MADIface USBは、この小さな筐体でMADIの全64チャンネル*をMacおよびWindowsコンピュータにてUSB 2.0で入出力することができます。MADI I/Oとしてオプティカルとコアキシャルの2種類の端子を装備し、これらのポートには常時同じ信号を通すことができ、冗長性をもったオペレーションが可能となります。さらに双方のMADI I/Oの信号をTotalMixにより自由にミックスおよびルーティングすることができ、設定内容は本体に記憶されますので、コンピュータを接続せずに単体でオプティカルとコアキシャルのフォーマット・コンバーターとして、もしくは配線の距離を引き延ばすためのリピーターとして使用することも可能です。
小型で頑丈な筐体はUSBバスパワーで動作するため、簡便かつ信頼性の高い運用が可能です。MADIface USBはポータブル環境だけでなく、デスクトップPCへMADIを接続する際にもベストなソリューションと言えるでしょう。もちろんそこには、RMEが培ってきた柔軟性、使いやすさ、トラブルフリーなオペレーションといったすべての要素が注ぎ込まれています。
*Pro Toolsで本製品をご使用いただく場合はチャンネル数に制限がございます。詳細は「動作環境」をご参照ください。
* MADIオプティカル端子は標準ではマルチ・モード仕様です。シングル・モードをご希望の場合は「RME MADIシステム構築 ご相談フォーム」、もしくは「 RME Premium Lineディーラー」までお問い合わせください。
MADIface USBは、64チャンネル・ミックス、冗長モード、128チャンネル・ミックス、ストレート・ルーティング・モードといった、いくつかのオペレーション・モードがあります。
Disable TotalMixオプションを使用すると、内部ミキサーであるTotalMixは無効となりすべての入力データはストレートにレコーディング・チャンネルへ送られ、出力データはストレートにプレイバック・チャンネルから送出されます。このモードではオプティカルとコアキシャルの出力はミラーリングされまったく同一の信号が送出されます。
64 Channel Mixモードでは、TotalMixに入力、プレイバック、出力それぞれ64チャンネルが表示されます。TotalMixはオプティカルかコアキシャルのいずれかから受け取ったMADI入力を、2つのMADI出力の両方から同じデータを出力します。使用するMADI入力はSettingsダイアログボックスで選択できます。
128 Channel Mixモードでは、レコーディングあるいはプレイバックのチャンネルは64チャンネルに限定されますが、TotalMixの出力チャンネルは128となり、オプティカルとコアキシャルのそれぞれの出力ポートから別々の信号を送出することができます。また、Settingsダイアログボックスで指定したポートと逆の入力ポートの信号をそのまま出力ポートにスルーさせて使用することが可能です。
RMEの高度なMADI互換性とSteadyClockにより、他社製品とであってもトラブル・フリーなオペレーションが可能です。MIDI over MADIテクノロジーはMADI経由でMIDIリモートコントロールによる遠隔操作を提供します。また、完全なオーディオ解析ソリューションであるDIGICheckももちろんご使用いただけます。
最新のRMEインターフェイスと同様に、MADIface USBにもパワフルなデジタル・リアルタイム・ミキサーであるTotalMix FXが付属します。TotalMix FXは実用的かつ無限のミキシング、ルーティングを可能にし、すべてのハードウェア入力とソフトウェア・プレイバックは任意のハードウェア出力へ同時にルーティングすることができます。MADIfaceにはDSPが搭載されていないためエフェクト機能はご利用頂けませんが、TalkbackやMain/Phoneチャンネル、フェーダー・グループなどを制御するControl Roomセクションや、MackieプロトコルあるいはOSCによるリモートコントロールをご利用いただくことが可能です。
TotalMix FXの主な特徴
それぞれの入力、プレイバック、出力チャンネルには、ピークおよびRMSメーターがついており、ハードウェア内で計測された値が反映されます。これらのレベルメーターは、ルーティングで正しく信号が送られていることを確認する際にも非常に有用です。
さらに新たにリリースされたTotalMix Remoteを併用すると、イーサネットや無線LANを用いてRMEオーディオ・インターフェイスのすべてのミックス状態、ルーティング、FX設定、そしてレベルメーターをリアルタイムでiPadやコンピューターに表示し、コントロールすることができます。
スタンドアロンで動作するために、MADIface USBはスマートフォンやMP3プレイヤーなどで使用される、USB-ACアダプタを使用して給電できるようになっています。コンピュータを接続しない場合、MADIface USBは、プリセット・モードで動作します。MADIface USBはクロック・スレーブとして入力ポートから検出されたのと同じサンプルレートで動作します。入力されたオーディオデータは、そのまま出力ポートから送出されます。出力フォーマット(56/64チャンネルモード、48k/96kフレーム)は、入力されたデータのものが踏襲されます。オプティカルとコアキシャルの二つの入力ポートへ同時に信号を入力した場合、Double Processing Modeが有効になります。出力ポートからは並列ではなく交差カップリング(オプティカル - コアキシャル、コアキシャル - オプティカル)にて信号が出力されます。
このように、スタンドアロン・モードでは、アクティブ・リピーターとして、ケーブルの最大長(コアキシャル:100m、オプティカル:2000m)を延長するために使用することができます。また、2つの入力ポートに同時に接続することにより、オプティカルとコアキシャルの双方向のフォーマット・コンバーターとして使用することができます。双方のサンプルレートが異なっていても問題無くご使用いただけます。Steady Clockの最新鋭のジッター制御技術とリクロック技術により、MADIface USBは非常にインテリジェントなフォーマット変換を提供します。
MADI入力
MADI出力
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デジタル
一般
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※仕様は予告なく変更になる場合がございます。
RME社製MADI製品およびAVB製品を含むPremium Lineシリーズは、開発に際して多くのメーカーとの互換性を最大限に考慮し、事前の互換性検証を長年に渡って行っております。よって多くのメーカーの製品と安心してシステムを構築することができます。互換性未検査製品との互換性をお約束するものではございません。システム導入をご検討の場合は、事前に互換性のテストを行って頂くことをお勧めいたします。検証機の貸出につきましては、法人窓口から承っております。
※ Pro Toolsで本製品をご使用いただく場合は、Pro Toolsの仕様により、ASIOおよびCore Audio使用時に同時に使用できる入力数と出力数は、サンプル・レートに関わらずそれぞれ32chに制限されます(2014年2月現在)。
USB2.0は2002年ごろからWindows Intelマシンに搭載され始めましたが、初期のUSBコントローラはリアルタイム・オーディオ動作に関して充分な性能を提供できておりませんでした。
2003年ごろのPC(例:Intel 875、P4 CPU)で、USB接続のRME製オーディオ・インターフェイスは原則としては動作しますが、簡単なステレオ再生でもすでに30%くらいのCPU負荷を示します。また256サンプル以下のレイテンシー設定では、小規模なアプリケーションでもクリック音が発生する場合があります。詳細に調査した結果、このCPU負荷は隠れたDPC遅延であることが判明しました。インターフェイスチップは明らかに非効率的に動作し、CPUに待ち状態を起こします。
この現象はドライバやOSとは無関係に起こります。インテル社ではICH7コントローラに問題があることを突き止めたようで、ICH8、9、10以降のコントローラを搭載したPCでは優れたUSBパフォーマンスを示し、オーディオ・インターフェイスの機能をフルに活用いただけます。
上記の理由から、またCore 2 Duo CPU以上のコンピュータはほとんどの場合最新のUSBコントローラを搭載しているので、オーディオ・インターフェイスの機能をフルにご活用いただくためには、Intel Core 2 Duo CPU以上のコンピュータが必要となります。旧型のコンピュータでもご使用いただける場合がありますが、高いCPU負荷等の制限が伴う場合があります。