HDSPe MADI
64チャンネル 192kHz
MADI PCI Expressカード
製品概要
HDSPe MADIは、数々の受賞を誇るHDSP MADIカードを基にし、最新のPCI Expressに対応する最高峰のマルチチャンネル・オーディオインターフェイスとして開発されました。
48kHzで24ビット・オーディオを64チャンネル*、96kHzで32チャンネル、192kHzで16チャンネルを1本のケーブルで伝送可能など、HDSPe MADIはプロフェッショナル仕様のマルチチャンネル・オーディオ規格であるMADIの利点を最大限に活用します。さらに、信頼性の高いRMEドライバ、DSPテクノロジー、ジッター抑制技術を搭載することにより、業界最高のスペック、安定性、音質を誇ります。
HDSPe MADIを3つ同時使用することで、強力なワークステーション一台で同時に192チャンネルの入力と192チャンネルの出力を使用することも可能です。
*Pro Toolsで本製品をご使用いただく場合はチャンネル数に制限がございます。詳細は「動作環境」をご参照ください。
主な機能
- 全ての設定をリアルタイム変更可能
- 8段階のバッファーサイズ/レイテンシー設定:0.7 / 1.5 / 3 / 6 / 12 / 23 / 46 / 93 ms
- 96 kHz/24 bit で32チャンネルの同時録音/再生
- 192 kHz/24 bitで16チャンネルの同時録音/再生
- オート&インテリジェントなマスター/スレーブクロック制御
- ワードクロック入出力搭載
- TotalMixを使ったレイテンシーの無いサブミックス、および完全なASIOダイレクトモニタリング
- サンプル単位の正確な配列を保障し、チャンネル間のスワッピングを防止するSyncAlign
- 入力信号の同期状態を監視し、結果を表示するSyncCheck
- 高速MIDI入出力 x2系統
- DIGICheck DSP:ハードウェア内のレベルメーター、ピーク/RMS表示
- TotalMix:内部処理42ビット 8192チャンネルミキサー
- SteadyClock:ジッター抑制。抜群の安定度を誇るデジタルクロック
- Quick Bootテクノロジーによりハードウェア設定を瞬時にロード
入出力
- MADIオプティカル* 入出力 x1系統
- MADIコアキシャル入出力 x1系統
- MIDI入出力 x2系統 (MIDIブレークアウト・ケーブルBOHDSP9652MIDI同梱)
- ステレオアナログ出力 x1系統
- ワードクロック入出力 x1系統
* MADIオプティカル端子は標準ではマルチ・モード仕様です。シングル・モードをご希望の場合は「RME MADIシステム構築 ご相談フォーム」、もしくは「 RME Premium Lineディーラー」までお問い合わせください。
主な特長
HDSPe MADIをシステムの中核とする事で、ハイスペック、ハイクオリティーなマルチチャンネルシステムをリーズナブルに構築する事ができます。HDSPe MADIは64チャンネルのオーディオデータを1本のケーブルで伝送できるだけではなく、最大2000mの長距離伝送に対応します。HDSPe MADIシステムは、アナログ・マルチケーブルによる音質劣化、コストを大幅に削減し、低レイテンシーで安定したデジタル伝送を行う事ができます。
PCI Expressインターフェイス
HDSPe MADIは、既存のPCIテクノロジーをPCI Expressへ対応させたのではなく、新たに開発された正真正銘のPCI Expressソリューションです。この新しいフォーマットのアドバンテージを最大限に利用し、マルチトラックオーディオにおいて飛躍的なパフォーマンスを実現しています。
PCI Expressは、Point-to-Pointコネクションであるため、バンド帯域を他と共有することなく、2点間のデータ転送を行うことができます。これを導入することによってRME PCIカード、CardBusカードで高い評価を得た「安定性」をさらに上回る性能を実現することに成功しました。
PCI Express Base Specification v.1.1がベースのHDSPシステムPCI Expressインターフェイスは、1レーンPCI Expressエンドポイントデバイスで、2.5Gbpsのラインスピードに対応します。バンド幅は5Gbpsで、従来のPCIの3〜4倍にあたります。パケット・ベースのフル・デュプレックス・コミュニケーション(全二重通信)により、各方向につき最大500〜250 MB/sの伝送レートを提供します。
MADIソリューション
HDSPe MADIは56/64チャンネルモードや、96kHzでのダブル/シングル・ワイヤ・テクノロジー(96kフレーム)に完全に対応します。RME MADIシリーズとの互換性はもちろん、他社製のMADI機器との接続にも抜群の互換性を併せ持ちます。
HDSPe MADIとADI-648と併用することにより、8 x ADATオプティカルのPCインターフェイスを低価格かつ高性能で構築する事ができます。またADI-6432と併用することで64チャンネルのAES/EBUの双方向インターフェイスを構築することができます。
DSPミキサー
DSPベースでコンピュータのCPUに負荷をかけない、RME独自のTotalMix技術に基づいたパワフルなデジタルリアルタイムミキサー「TotalMix」を装備。
全 64入力と64プレイバックチャンネルは物理的な64の出力へ自由にルーティング/ミックスでき、合計で8192通りのルーティングを可能にします。ルーティングのコピー&ペースト、フェーダーの同時操作やグルーピング、操作性に優れたマトリックス画面など、様々な機能を装備します。ミキサーは完全 MIDIコントロールも可能。さらに全オーディオチャンネルに搭載されるRMS、ピークレベルメータはDSPハードウェア処理によってCPUへの負荷をかけません。
HDSPe MADIは、PCIカード史上もっとも強力なルーター/ミキサーを搭載することにより、コンピュータのI/O機器として以上の使用用途を提供します:
- MADIオプティカル・パッチベイ/ルーター
- MADIコアキシャル/オプティカル双方向コンバーター/スプリッター
- MADI リディストリビューター、パッチベイ/ルーター
- 42bit精度でDSP処理される内部ミキサー
- 外部ミキサー、ケーブル接続なしで、入力/再生全チャンネルをゼロレイテンシーミキシング
- ディレイなしのサブミックス作成(ヘッドフォンミックス)
- ルーティング設定のコピー&ペースト、フェーダーのグルーピング機能、マトリックスウィンドウ
- 無制限の入出力ルーティング(自由な活用とパッチベイ機能) :計8192通り
- ゼロCPUロード
- マトリクスウィンドウでのワンクリック・ルーティング
- MIDIコントローラーからのコントロール(スタンドアローンでも対応):Mackie Controlプロトコル
TotalMix FX
さらに新たにリリースされたTotalMix Remoteを併用すると、イーサネットや無線LANを用いてRMEオーディオ・インターフェイスのすべてのミックス状態、ルーティング、FX設定、そしてレベルメーターをリアルタイムでiPadやコンピューターに表示し、コントロールすることができます。
TotalMix Remote
ジッター抑制機能「SteadyClock」
デジタル信号にはサンプリング・クロックの時間的なゆらぎによるジッターが生じます。現在その抑制こそがデジタルオーディオ機器の大命題とされています。
SteadyClockはすべてのクロックに対して驚異的なジッター抑制を行います。SteadyClockはいかなるクロックもリフレッシュして抜群の再生クオリティーを保つだけでなく、理想的な基準クロックとしてすべてのデジタル出力から送信できます。
ほとんどのMADIベースの機器が追加のワードクロックやAES回線を必要とする中、HDSPe MADIは、SteadyClockでMADI信号から直接リファレンスクロックを最小限のジッターで抽出しますので、長距離接続をより一層便利に行えます。
SteadyClockの詳細
アナログ・ライン/ヘッドフォン出力搭載
ダイナミックレンジ110dBの24Bit/96kHzのアナログ・ライン/ヘッドフォン出力を搭載します。全ての入出力信号を直接モニタリングすることができます。RMEのAD/DAコンバーターの最高峰「ADI-8 QS」の低レイテンシーコンバート技術を搭載し、驚くほどのSN比とTHD値を保障します。
ワードクロック入出力
同梱の拡張ボードはワードクロック入出力(BNC)を備えています。ワードクロック入力は変圧器によってガルバニック絶縁され、自動的にシングルとダブルスピードの両信号で作動します。
MIDI入出力
MIDI入出力は、ブレイクアウトケーブル経由で2つの完全に独立したMIDI入出力を提供します(4 x DIN端子)。
また、搭載されるバーチャルMIDIポートは、MADI信号にMIDIデータを乗せて伝送させることができます。RME MADIデバイスをHDSPe MADI経由でコンピューターに接続する場合、このバーチャルMIDIポートを利用することによって、MADI経由で最大2000m離れたRME MADIデバイスのパラメーターを遠隔操作することができます。
フラッシュ・アップデートによるハードウェアの更新
RMEのフラッシュ・アップデートテクノロジーにより、既存のファームウェアを更新させる事が可能。機能拡張、調整、修正させることができ、常に最先端のOSやその他のソフトウエア環境に対応させることが可能です。
3台までの同時使用
HDSPe MADIには、1台のコンピュータで最大3台を同時使用することができます。
設定画面「Hammerfall DSP Setteings」
Settings画面では、HDSPe MADIの機能をストレスなくコントロールすることができ、様々なステータスを単純かつ明確に表示します。
複数のデジタルソースが接続されれている際、それぞれが正確にロックし同期されていることは必修です。RMEのSyncCheck機能はすべての入力信号をチェックしそれらのステータスを表示します。また最新のIntelligent Clock Controlによってすべてのクロックとステータスを簡単にコントロールすることができます。
すべての設定は、リアルタイムで反映されますので、アプリケーションを再起動したり、OKのクリックやダイアログを閉じる必要はありません。
さらにサンプルレートは、2つのフェーダーで+/- 4% と +/- 0.4% の範囲内で自由にリアルタイム設定できます。
Hammerfall DSP Settings (および、TotalMix)の設定は、メモリに保存されますので、これらすべての設定は、コンピューターを再起動しても、保持されますので毎回設定し直す必要はありません。
オーディオ解析&マルチチャンネルレコーダー「DIGICHECK」
DIGICheck はデジタルオーディオストリームの計測、解析を行うために開発されたRME独自のユーティリティ。マルチクライアントASIOホストとして動作するため、 WDM、MME、ASIO、GSIFなどどんなソフトウェアとでも入出力共に併用使用することができます。(Windowsのみ)
- Level Meter:
ピークレベル測定、RMSレベル測定、オーバー検知、位相相関測定、ダイナミックレンジ測定、S/N比測定、RMS/Peak 差(ラウドネス)測定、継続Peak測定、入力チェック0dBFS以上のレベル用オーバーサンプリング・モード。24bit、2/8/18ch対応。
- Hardware Level Meter:
レベルメーター。Hammerfall DSPのハードウェアで計算処理されるためCPU負荷はほぼゼロ。
- Spectral Analyser:
アナログ・バンドパスフィルターを使用した独自の10/20/30 バンド表示。192kHz対応。
- Vector Audio Scope:
オシロスコープ。真空管の典型的な残像を表示するユニークな角度計。対比メーターとレベルメーター付。
- Totalyser:
Spectral Analyser、レベルメーターおよびVector Audio Scope が一つのウィンドウ機能に。
- Bit Statistics & Noise:
オーディオ信号の実際の解像度、エラーやDCオフセットを表示。dB/dBA単位のSN比およびDC計測機能付。
- Channel Status Display:
S/PDIFおよびAES/EBUチャンネル・ステータス データの詳細な分析と結果表示。
- Completely Multi-client:
計測ウィンドウはすべてのチャンネルで入出力に関わらずいくつでも開くことができます。
Global Record:
モノラル、ステレオ、マルチチャンネルレコーダー。入力、出力ソースの録音に対応
同梱物
HDSPe MADI Expansion Board(拡張ボード)、MIDI ブレイクアウト・ケーブル、HDSPe シリーズ・セットアップガイド、HDSPe MADI 日本語ユーザーガイド、DIGICheck 日本語ユーザーガイド
技術仕様
MADI入出力
- BNCコアキシャル、75 Ω, AES10-1991に準拠
- 高感度入力部 (< 0.2 Vpp)
- オプティカル: FDDI duplex SCコネクタ
- 62.5/125 と 50/125 に対応
- 56チャンネルと64チャンネルモード、96kフレームに対応
- スタンダード:最大64ch、24bit、48kHz
- S/MUX:32ch、24bit、96kHz
- S/MUX4:16ch、24bit、192kHz
- ロック範囲: 25 kHz - 54 kHz
- 入力信号に同期の際のジッター: < 1 ns
- 出力レベル:600 mVpp
- 出力レベル 1.2 Vpp(オプション)、ジャンパー経由
- ケーブル長(コアキシャル): 最大100m
- ケーブル長(オプティカル): 最大2000m
ワードクロック入出力
- BNC、非ターミネーション (10 kΩ)
- 内部ターミネーションスイッチ 75 Ω
- 自動ダブル/クワッドスピード検知とシングルスピードへの変換
- SteadyClockにより低ジッター同期を保証、バリスピード動作時を含む
- 入力部:トランスカップリング、ガルバニック絶縁
- ネットワーク上のDCオフセットに影響されない
- Signal Adaptation Circuit:自動信号センタリングとヒステリシスによる信号の再生成
- 過剰電圧保護
- 入力信号同期時のジッター: < 1 ns
- ジッター抑制: > 30 dB (2.4 kHz)
- BNC x2系統(各独立したのドライバステージ)
- 最大出力レベル:5 Vpp
- 出力レベル@ 75 Ω : 4.0 Vpp
- 出力インピーダンス:10 Ω
- 周波数帯域:28 kHz - 200 kHz
ステレオモニター出力
- S/N比 (SNR):115 dB RMS unweighted、118 dBA @ 44.1 kHz (unmuted)
- THD:< - 104 dB、< 0.00063 %
- THD+N:< -102 dB、< 0.0008 %
- クロストーク:> 100 dB
- 周波数特性@ 44.1 kHz、-0.5 dB:5 Hz〜22 kHz
- 周波数特性 @ 96 kHz、-0.5 dB:5 Hz〜 45.9 kHz
- 周波数特性 @ 192 kHz、-1 dB:5 Hz〜66.5 kHz
- 出力:6.3 mm 1/4" TRSジャック
- 出力インピーダンス:75 Ohm
- 出力レベル @ 0 dBFS:+13 dBu
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デジタル
- クロック設定:内部クロック、MADI入力、ワードクロック入力
- 低ジッター設計:< 1 ns PLLモード、全入力
- 内部クロック: 800 ps ジッター、ランダム・スペクトラム拡散
- 外部クロックのジッター抑制値:約30 dB (2.4 kHz)
- DAコンバート時のクロックジッター:ほぼゼロ
- MADI信号からのワードクロック入力時のジッター:ほぼゼロ
- 100ns以上のジッターでもPLLによりドロップアウトゼロを保証
- 対応サンプルレート: 28 kHz 〜 200 kHz
- PCI Express Base Specification v1.1
- 1レーン PCI Express エンドポイントデバイス (PCI Express - PCI Bridgeではありません)
- 2.5 Gbpsラインスピード
- パケット・ベースのフル・デュプレックス・コミュニケーション(全二重通信):最大500MB/sの伝送レート
MIDI
- ブレイクアウトケーブル:MIDI入出力 x2系統
- MADI(バーチャルMIDI入出力):MIDI入出力 x1系統
- PCIeバスに基づくハイ・スピード・オペレーション
- 独立した128byteFIFO入出力
- ハードウェア内蔵のMIDI state machineによる割り込み要求の負荷削減
- 56チャンネル(48kフレーム時)のユーザービットを使用し「不可視」送信
- 28チャンネル(96kフレーム時)のユーザービットを使用し「不可視」送信
一般
- RoHS指令 対応済
- ISO 9001認証
- CE認定
- FCC認定
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※仕様は予告なく変更になる場合がございます。
RME社製MADI製品およびAVB製品を含むPremium Lineシリーズは、開発に際して多くのメーカーとの互換性を最大限に考慮し、事前の互換性検証を長年に渡って行っております。よって多くのメーカーの製品と安心してシステムを構築することができます。互換性未検査製品との互換性をお約束するものではございません。システム導入をご検討の場合は、事前に互換性のテストを行って頂くことをお勧めいたします。検証機の貸出につきましては、法人窓口から承っております。
動作環境
Windows
- PCI-Express規格の空きスロット x 1 (同梱拡張ボード使用時は空きスロットx2)
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最新の
OS対応状況はこちら
デバイス・ドライバ:ASIO、WDM(すべてマルチクライアント対応)。最新のOS対応状況は - Windowsドライバ - をご確認ください
Mac
- PCI-Express規格の空きスロット x 1(同梱拡張ボード使用時は空きスロットx2)
- デバイス・ドライバ:Core Audio、Core MIDI。最新のOS対応状況は - Macドライバ - をご確認ください
※ オーディオ・アプリケーションの動作環境に従った十分なCPUとメモリが必要です
※ Pro Toolsで本製品をご使用いただく場合は、Pro Toolsの仕様により、ASIOおよびCore Audio使用時に同時に使用できる入力数と出力数は、サンプル・レートに関わらずそれぞれ32chに制限されます(2014年2月現在)。
アクセサリ