HDSPe AES
32チャンネル 192kHz AES/EBU PCI Expressインターフェイス
製品概要
HDSPe AESは、ショートサイズのPCI Expressオーディオインターフェイス。192kHzのサンプルレートでAES/EBU入力を8系統(16チャンネル)、出力を8系統(16チャンネル)をご利用いただけます。また、MIDI入出力を2系統ずつ、およびワードクロック入出力を標準装備します。
HDSPe AESは、「RMEの性能や品質を備えたAES/EBU対応のインターフェイスを実現して欲しい」と言うオーディオ業界からの多くのリクエストによって登場しました。本カードは、放送、テレビ、劇場、ステージ/PA、スタジオ業務用のインターフェイスとして幅広く対応するオールインワンソリューションです。
カードのメインボードには、ワードクロック入出力と、D-sub25ピン端子が搭載され、4系統のAES入力 と4系統のAES出力を一般的なデジタルブレイクアウトケーブル(Tascamピンアウト)で提供します。ワードクロック入力はトランスフォーマー経由でガルバニック絶縁され、自動的にSingle、Double、Quad Speedで動作します。拡張ボードは、オーディオチャンネル9~16と、MIDI入出力 x 2を搭載するMIDIブレイクアウトケーブルコネクタ(5ピン DINコネクタ)を追加します。拡張ボードはPCIeスロットを必要としません。
PCIバージョンはHDSP AES-32をご参照ください。
主な機能
- 最大16入力と16出力をすべて同時に使用可能
- ネイティブPCI Express:PCI - PCI Expressブリッジは使用されていません
- 全ての設定をリアルタイム変更可能
- 8段階のバッファーサイズ/レイテンシー設定:0.7 / 1.5 / 3 / 6 / 12 / 23 / 46 / 93 ms
- オート&インテリジェントなマスター/スレーブクロック制御
- レイテンシーの無いサブミックス、および完全なASIOダイレクトモニタリング
- サンプル単位の正確な配列を保障し、チャンネル間のスワッピングを防止するSyncAlign
- 入力信号の同期状態を監視し、結果を表示するSyncCheck
- 全チャンネル使用時でも192kHzをサポート
- Double、Quad Wire伝送のネイティブサポート
- Single、Double、Quad Wireのダイレクトコンバージョン
- SteadyClock:ジッターの高性能抑制機能、クロックのリジェレーション
- 直感的で明確なユーザーインターフェイス
- TotalMix:内部処理42ビット 512チャンネルミキサー
- DIGICheck DSP:ハードウェア内のレベルメーター、ピーク/RMS表示、デジタルオーディオ解析、マルチチャンネルレコーダー
- Quick Bootテクノロジーによりハードウェア設定を瞬時にロード
入出力
- AES/EBU入出力 (D-sub25pin) x 2系統:(16 in / 16 out)
- MIDI入出力 x 2系統(同梱ブレイクアウトケーブル経由)
- ワードクロック入出力 x 1系統
主な特長
PCI Expressインターフェイス
HDSPe AESは、既存のPCIテクノロジーをPCI Expressへ対応させただけではなく、新たに開発された正真正銘のPCI Expressソリューションです。この新しいフォーマットのアドバンテージを最大限に利用し、マルチトラックオーディオにおいて飛躍的なパフォーマンスを実現しています。
PCI Expressは、Point-to-Pointコネクションであるため、バンド帯域を他と共有することなく、2点間のデータ転送を行うことができます。
PCI Express Base Specification v.1.1がベースのHDSPシステムPCI Expressインターフェイスは、1レーンPCI Expressエンドポイントデバイスで、2.5Gbpsのラインスピードに対応します。バンド幅は5Gbpsで、従来のPCIの3〜4倍にあたります。パケット・ベースのフル・デュプレックス・コミュニケーション(全二重通信)により、各方向につき最大500〜200 MB/sの伝送レートを提供します。
CPU負荷ゼロ
HDSPe AESは搭載される多くの機能をハードウェア上のDSPで行います。これによってマルチチャンネルの録音、再生時でもCPUに負荷を与えず、ストレスのないオペレーションを実現しています。
低レイテンシー設計
HDSPシリーズは、サンプルバッファの概念では不可能とされていた驚異的、圧倒的な低レイテンシー設定を実現したことで、その地位を確立しました。コンピューターベースの音楽製作、収録環境において、必ず発生するレイテンシー(音の遅れ)を8段階で設定可能。最小0.7msまで抑えることができます。
DSPミキサー
DSPベースでコンピュータのCPUに負荷をかけない、RME独自のTotalMix技術に基づいたパワフルなデジタルリアルタイムミキサー「TotalMix FX」を装備。
全16入力と16プレイバックチャンネルは物理的な16の出力へ自由にルーティング/ミックスでき、合計で512通りのルーティングを可能にします。ルーティングのコピー&ペースト、フェーダーの同時操作やグルーピング、操作性に優れたマトリックス画面など、様々な機能を装備します。ミキサーは完全 MIDIコントロールも可能。さらに全オーディオチャンネルに搭載されるRMS、ピークレベルメータはDSPハードウェア処理によってCPUへの負荷をかけません。
HDSPe AESは、PCIカード史上もっとも強力なルーター/ミキサーを搭載することにより、コンピュータのI/O機器として以上の使用用途を提供します。
- 42bit精度でDSP処理される内部ミキサー
- 外部ミキサー、ケーブル接続なしで、入力/再生全チャンネルをゼロレイテンシーミキシング
- ディレイなしのサブミックス作成(ヘッドフォンミックス)
- ルーティング設定のコピー[[&]]ペースト、フェーダーのグルーピング機能、マトリックスウィンドウ
- 無制限の入出力ルーティング(自由な活用とパッチベイ機能) :計512通り
- ゼロCPUロード
- マトリックスウィンドウでのワンクリック・ルーティング
- MIDIコントローラーからのコントロール(スタンドアローンでも対応):Mackie Controlプロトコル
TotalMix FX
さらに新たにリリースされたTotalMix Remoteを併用すると、イーサネットや無線LANを用いてRMEオーディオ・インターフェイスのすべてのミックス状態、ルーティング、FX設定、そしてレベルメーターをリアルタイムでiPadやコンピューターに表示し、コントロールすることができます。
TotalMix Remote
ジッター抑制機能「SteadyClock」
デジタル信号にはサンプリング・クロックの時間的なゆらぎによるジッターが生じます。現在その抑制こそがデジタルオーディオ機器の大命題とされています。
SteadyClock™はすべてのクロックに対して驚異的なジッター抑制を行います。SteadyClock™はいかなるクロックもリフレッシュして抜群の再生クオリティーを保つだけでなく、理想的な基準クロックとしてすべてのデジタル出力から送信できます。
フラッシュ・アップデートによるハードウェアの更新
RMEのフラッシュ・アップデートテクノロジーにより、既存のファームウェアを更新させる事が可能。機能拡張、調整、修正させることができ、常に最先端のOSやその他のソフトウエア環境に対応させることが可能です。
3台までの同時使用
HDSP / HDSPeシリーズは、1台のコンピュータで最大3台のHDSP/HDSPeカードを同時使用することができます。 よって様々な組み合わせで複数のカードを併用することが可能です。
組み合わせ可能な製品
- HDSPシリーズ: HDSP AES-32、HDSP MADI、HDSP 9652、HDSP 9632、Multiface AE
- HDSPeシリーズ: HDSPe PCI、HDSPe MADI、HDSPe MADIface、HDSPe ExpressCard、HDSPe RayDAT、HDSPe AES、HDSPe AIO
設定画面「Hammerfall DSP Settings」
Hammerfall Settings画面では、HDSPe AESの機能をストレスなくコントロールすることができ、様々なステータスを単純かつ明確に表示します。
複数のデジタルソースが接続されれている際、それぞれが正確にロックし同期されていることは必修です。RMEのSyncCheck機能はすべての入力信号をチェックしそれらのステータスを表示します。また最新のIntelligent Clock Controlによってすべてのクロックとステータスを簡単にコントロールすることができます。
すべての設定は、リアルタイムで反映されますので、アプリケーションを再起動したり、OKのクリックやダイアログを閉じる必要はありません。
さらにサンプルレートは、2つのフェーダーで+/- 4% と +/- 0.4% の範囲内で自由にリアルタイム設定できます。
Hammerfall DSP Settings (および、TotalMix)の設定は、メモリに保存されますので、これらすべての設定は、コンピューターを再起動しても、保持されますので毎回設定し直す必要はありません。
SyncCheck®
複数のデジタルソースで作業を行う場合には、それらのソースが正しくロックし、また完全に同期している必要があり、これらが正しく設定されていない場合、ドロップアウトやクラックルノイズが発生します。
RME独自のSyncCheckはすべての入力信号をチェックし、視覚的に表示します。クロックモードがMasterのときは、内部クロックに対する同期動作が確認されます。この優れた技術によって瞬時にエラーを発見することができます。
Intelligent Clock Control (ICC)
RME Intelligent Clock Controlは、すべてのクロックソースの周波数を測定/表示させることのできる世界で唯一のデジタルI/Oシステムです(もちろんワードクロックも!)。使用するクロックソースを信号の有効性や現在のサンプルレートを基にして判断します(完全に自動化されハードウェア上で行われます!)。
これにより、多数のデジタル入力、先進のクロック設定を装備するにもかかわらず、簡単にクロックを取り扱うことができます。
オーディオ解析&マルチチャンネルレコーダー「DIGICHECK」
DIGICheck はデジタルオーディオストリームの計測、解析を行うために開発されたRME独自のユーティリティ。マルチクライアントASIOホストとして動作するため、 WDM、ASIO、GSIFなどどんなソフトウェアとでも入出力共に併用使用することができます。(Windowsのみ)
- Level Meter:
ピークレベル測定、RMSレベル測定、オーバー検知、位相相関測定、ダイナミックレンジ測定、S/N比測定、RMS/Peak 差(ラウドネス)測定、継続Peak測定、入力チェック0dBFS以上のレベル用オーバーサンプリング・モード。24bit、2/8/18ch対応。
- Hardware Level Meter:
レベルメーター。Hammerfall DSPのハードウェアで計算処理されるためCPU負荷はほぼゼロ。
- Spectral Analyser:
アナログ・バンドパスフィルターを使用した独自の10/20/30 バンド表示。192kHz対応。
- Vector Audio Scope:
オシロスコープ。真空管の典型的な残像を表示するユニークな角度計。対比メーターとレベルメーター付。
- Totalyser:
Spectral Analyser、レベルメーターおよびVector Audio Scope が一つのウィンドウ機能に。
- Bit Statistics & Noise:
オーディオ信号の実際の解像度、エラーやDCオフセットを表示。dB/dBA単位のSN比およびDC計測機能付。
- Channel Status Display:
S/PDIFおよびAES/EBUチャンネル・ステータス データの詳細な分析と結果表示。
- Completely Multi-client:
計測ウィンドウはすべてのチャンネルで入出力に関わらずいくつでも開くことができます。
- Global Record:
モノラル、ステレオ、マルチチャンネルレコーダー。入力、出力ソースの録音に対応
- SurroundScope:
相互関係を分析できるサラウンドレベルメーター
同梱物
HDSPe AES 拡張ボード (14pin フラット・ケーブル付)、MIDI ブレイクアウト・ケーブル (ミニ Din)(BOHDSP9652MIDI)、RME HDSPe シリーズ・セットアップガイド、HDSPe AES 日本語ユーザーガイド、DIGICheck 日本語ユーザーガイド
技術仕様
AES/EBU入力
- 8系統、トランスバランス型、グラウンドフリー、AES3-1992に準拠
- 高感度入力(< 0.3 Vpp)
- SPDIF互換(IEC 60958)
- コンシューマーとプロフェッショナルフォーマット対応、コピー保護は無視
- シングルワイヤ:8 x 2チャンネル、24ビット、最高192kHz
- ダブルワイヤ:8 x 2チャンネル、24ビット96kHz、192kHzで8チャンネルと同等
- クワッドワイヤ:8 x 2チャンネル、24ビット48kHz、192kHzで4チャンネルと同等
- 同期帯域:28kHz - 204kHz
- 入力信号同期時のジッター:< 1ns
- ジッター抑制:> 30dB(2.4kHz)
ワードクロック入力
- BNC、ターミネーションなし(10kOhm)
- 75Ωターミネーション(終端)用内部ジャンパー
- ダブル/クワッドスピード自動検知、シングルスピードへ自動変換
- SteadyClockによる低ジッター同期を保証、バリスピード時を含む
- トランスフォーマー・カップル、ガルバニック絶縁入力部
- ネットワーク内のDCオフセットに影響されない
- Signal Adaptation Circuit:自動信号センタリングとヒステリシスによる信号の再生成
- 過剰電圧保護
- レベル範囲:1.0Vss ~ 5.6Vpp
- 同期帯域:28kHz ~ 204kHz
- 入力信号同期時のジッター:< 1ns
- ジッター抑制:> 30dB(2.4kHz)
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AES/EBU出力
- 8系統、トランスバランス型、グラウンドフリー、AES3-1992に準拠
- 出力レベル、プロフェッショナル4.5Vpp、コンシューマー2.1Vpp
- プロフェッショナルフォーマット:AES3-1992 Amendment 4に準拠
- コンシューマーフォーマット(SPDIF):IEC 60958に準拠
- シングルワイヤ:8 x 2チャンネル、24ビット、最高192kHz
- ダブルワイヤ:8 x 2チャンネル、24ビット96kHz、192kHzで8チャンネルと同等
- クワッドワイヤ:8 x 2チャンネル、24ビット48kHz、192kHzで4チャンネルと同等
ワードクロック出力
- BNC x 1系統
- 最大出力レベル:5Vpp
- 出力レベル @ 75Ωターミネーション:4.0Vpp
- 出力インピーダンス:10Ω
- 周波数帯域:28kHz ~ 204kHz
デジタル
- クロック:内部、AES/EBU入力、ワードクロック入力
- 低ジッター設計:< 1ns(PLLモード)、全入力
- 内部クロック:800psジッター、ランダムスペクトラム拡散
- 外部クロックのジッター抑制:約30dB(2.4kHz)
- 100ns以上のジッターでも入力PLLによりゼロドロップアウトを保証
- 対応サンプリングレート:28kHz ~ 204kHz
MIDI
- 2 x MIDI入出力(ブレイクアウトケーブルを使用)
- PCIバスによる高速動作
- 独立した128byte FIFO入出力
- ハードウェア内臓のMIDI state machineにより割込み要求の負荷削減
一般
- RoHS指令 対応済
- ISO 9001認証
- CE認定
- FCC認定
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※仕様は予告なく変更になる場合がございます。
動作環境
Windows
- PC-Express規格の空きスロット x 1 (同梱拡張ボード使用時は空きスロットx2)
- デバイス・ドライバ:ASIO、WDM(すべてマルチクライアント対応)。最新のOS対応状況は - Windowsドライバ - をご確認ください
Mac
- PC-Express規格の空きスロット x 1(同梱拡張ボード使用時は空きスロットx2)
- Mac OS X (IntelMac) 10.4.8以降
- デバイス・ドライバ:Core Audio、Core MIDI。最新のOS対応状況は - Macドライバ - をご確認ください
※ オーディオ・アプリケーションの動作環境に従った十分なCPUとメモリが必要です
アクセサリ
各種 D-Sub 25ピン AES/EBUケーブル
ALVA AES/EBUデジタル・ケーブル