12ポート MADIストリーム・スイッチャー|ルーター|マージャー
製造完了製品
MADI Routerは、ネットワーク・オーディオ伝送の標準的プロトコルとして定着しているMADI(Multichannel Audio Digital Interface ─ AES10とも呼ばれる)をベースとした、オーディオ・ネットワークのハブとなるべくしてデザインされた製品です。
MADI環境において必要とされる、信号品質やサンプリング周波数のチェックからフォーマット変換、ポート単位またはチャンネル単位のルーティングまで、すべてのオペレーションをコントロールすることができます。従来のMADIで一般的に導入されているオプティカルおよびコアキシャルの端子に加えて、MADIセットアップをよりシンプルかつ安価に構築できる先進的なツイスト・ペアによるMADIポートも実装しています。
MADI Routerは、1Uという非常にコンパクトな筐体ながら、RMEを含む様々なメーカーのMADI機器同士を接続し、かつてない程の柔軟なシグナル・ルーティングを提供します。光信号(オプティカル)と電気信号とのフォーマット変換や、シグナルのリピーター、複数のMADIシグナルのディストリビューターやマージャーなど、すべてを同時にこなします。MADI Routerは、低レイテンシーや接続確立(断線からの復帰も含む)の早さといった、point-to-pointのネットワークであるMADIの利点を最大限に活かしながら、より大規模で複雑なネットワークの構築をも可能にするためのキー・デバイスです。
入力ポートから任意の出力ポートへ丸ごとルーティングした場合、MADI Routerは信号に一切手を加えずに出力しますので、例えば特定のメーカーがMADIストリームに独自のコントロール信号を埋め込んでいる場合も、それを阻害せずに届けることができます。
さらに、複数のMADI入力から特定のチャンネルを選択して、1つのMADI出力としてマージして送り出すことも可能です。このために、768ch入力/64ch出力の「バーチャル」マトリクスを4つまで設定することができ、12系統すべての入力ポートから、必要な64chを選択して12個のうちの任意の出力ポートへルーティングを組むことが可能となります。
* 本製品のMADIオプティカル端子は標準ではマルチ・モード仕様です。シングル・モードをご希望の場合は「RME MADIシステム構築 ご相談フォーム」、もしくは「 RME Premium Lineディーラー」までお問い合わせください。
** ツイスト・ペアの実装は標準のEthernetテクノロジーを採用しています。2014年3月時点ではRME製品同士の間でのみ使用可能です。
*** SFPスロットは将来の機能追加のために用意されています。
フロントパネルに搭載されたTFT液晶ディスプレイと2つのエンコーダー・ノブにより、ルーティングや各種設定がシンプルかつスピーディーに行えるため、PCがない現場でもスムーズに設定変更が可能です。また、あらかじめ設定したプリセットを、本体内部または外部USBメモリに保存して瞬時に呼び出して使用することも可能です。
ポート単位でルーティングした場合、全ての入力信号は何も変更されることなく任意の出力から送り出され、56/64チャンネルのフォーマットの違いだけでなく、メーカー独自のコントロール・コマンド、全てのサンプル・レート、さらにMADIプロトコルの仕様外のデータ・レートなど、いかなるフォーマットにも対応します。高感度の入力ステージによりコアキシャル・ケーブルやツイスト・ペア・ケーブルであっても100m引き回すことができます。
MADI Routerで新たに導入されたMADI TP(ツイスト・ペア、RJ-45端子)ポートを活用することで、複数台のMADI Routerを接続してさらに大規模なネットワークを構築することができます。通常のイーサネット・ケーブルを使用してMADI TP端子間を接続すると、それぞれのMADI Routerのオプティカルおよびコアキシャルの端子合計8系統をフルに活用しながら、MADI TPによりそれぞれのMADI Router間で信号のやり取りが可能になります。
MADI Converterと併用することにより、MADI Routerのオプティカルおよびコアキシャルの端子を8系統すべてオプティカルに、あるいはコアキシャルに揃えて使用することが可能になります。
MADIは1本のケーブル(オプティカルもしくはコアキシャル、ツイスト・ペア)で64チャンネルのオーディオ・データを伝送します。オプティカル・ケーブルでは最大2000mの伝送に対応し、アナログ・ケーブルと比較してコストを削減できるだけでなく、音質の劣化もありません。
MADI RouterはすべてのメーカーのMADI製品と互換性があります。もちろんRME MADIシリーズとはパーフェクトなコンビネーションでご利用いただけます。
MADI RouterにはUSBポートが搭載されており、ダウンロードにて配布されるファームウェア・アップデートを適用することにより、新しい機能や仕様を追加することができるため、環境の変化に適応して長く製品をお使い頂けます。
MADIポートを標準装備したOctaMic XTCのようなマイクプリアンプをステージ脇に配置し、MADIケーブルを介して遠隔にある録音ブースにてMADIface XTのようなMADIインターフェイスを介してノートPCに接続すれば、一人でも手軽に運べる程の軽量の機材で最高24bit/192kHz対応の商用レベルの高品位レコーディングを実現するシステムを組むことができます。そのMADIネットワークの中核にMADI Routerを配置して信号の分岐やマージなどを行って、バックアップ録音用や中継放送などその他の用途への回線を確保することができます。
MADIの接続例
MADIは1本で64チャンネル分のオーディオ信号を直径2〜3ミリ程度の光ファイバーで最大2000mまで引き延ばすことができるため、プリアンプをステージ脇に設置してアナログのマイク回線の距離を極限まで短くすることができ、その場でAD変換されたオーディオ信号は、MADIを介して離れた録音ブースまで劣化することなく伝送されます。ライブ会場でしばしば問題となるステージの調光機ノイズの影響も受けません。
音声の入口から出口まで、MADIの実用化を切り拓いてきたRMEだからこそご提供できる、モバイル・レコーディングの究極のソリューションです。
電源ケーブル、接地アダプター、MADI Router 日本語ユーザーガイド
入力 MADI
出力 MADI
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その他コネクタ USB
SFP
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※仕様は予告なく変更になる場合がございます。
RME社製MADI製品およびAVB製品を含むPremium Lineシリーズは、開発に際して多くのメーカーとの互換性を最大限に考慮し、事前の互換性検証を長年に渡って行っております。よって多くのメーカーの製品と安心してシステムを構築することができます。互換性未検査製品との互換性をお約束するものではございません。システム導入をご検討の場合は、事前に互換性のテストを行って頂くことをお勧めいたします。検証機の貸出につきましては、法人窓口から承っております。